針穴写真17/ステレオ写真23
モノ−ステレオインスタントカメラ
インスタントフィルムでステレオ写真
モノ−ステレオピンホールカメラ・
撮影例
一眼レフを使ったステレオピンホールカメラは簡単で使いやすいが、ステレオベースが小さいため用途が接写に限られる。一方で印画紙を使うものはステレオベースを大きくとれるが、フィルムの装填や現像など面倒な点が多い。
インスタントホルダーPA-145で使用するフィルム(FP-100C/B)の画面サイズは73×95mmであるから、これを使ってステレオピンホールカメラを作れば、ステレオベースが45mm以上とれるため撮影範囲が広がり、かつ簡単で使い易いものになると思われる。
製作したピンホールカメラの外観を写真17−1に掲げる。<モノ−ステレオピンホールカメラ>と同様に単一写真とステレオ写真を切り替えられるもので、かつピンホール位置を上下に動かせるカメラとした。

写真17−1 製作したピンホールカメラ
ステレオ写真のステレオベースは45mm、ピンホールの可動範囲は上下に±15mmで、投影距離は前報の<インスタントカメラ>と同じく60mm程である。カメラ本体からインスタントホルダーを外した状態を写真17−2に示す。

写真17−2 カメラ本体、インスタントホルダーとストッパー
カメラ本体をインスタントホルダー側から見たものが写真17−3である。ピンホールの手前にモノ−ステレオカメラに必要な遮光マスクがあるが、ピンホール位置を上下に動かしてもケラレないように縦長の穴が開いたものになっている。

写真17−3 カメラの本体内部
インスタントホルダーのセットは前報と同じで、カメラ本体の側面から滑らせるように挿入し、ストッパーを上部の穴から挿入して固定する。この様子を図17−1に示した。
図17−1 インスタントホルダーをセットする手順
単一写真とステレオ写真の切り替えは、写真17−4に示したようにシャッター内の切り替え板を上下させて行う。
写真17−4 単一写真撮影時(左)とステレオ写真撮影時(右)
印画紙カメラでは露出時間が分のオーダーであるが、インスタントフィルムは感度が高いため露出時間が数秒と短くなることがある。このためシャッターは各ピンホールに独立したものではなく、横に動かしてステレオ写真撮影時には左右を同時に開閉するようにした。
さらにピンホール位置を上下に動かす様子を写真17−5に示した。水平な場所にカメラを置いて、視線を上下に振った写真を撮れるので便利である。
写真17−5 ピンホール位置を動かす様子 上いっぱい(左)と下いっぱい(右)
単一写真の撮影例を写真17−6に、同じ場所でステレオ写真に切り替えて撮ったものを写真17−7に掲げた。いずれもピンホール位置は真ん中辺りである。

写真17−6 単一写真の撮影例1 (FP-100C , 30 sec)

写真17−7 ステレオ写真の撮影例1 (FP-100C , 30 sec)
解像度はそこそこ良いが、フィルムが期限切れのせいかやはり色合いは少し青みがかかっている。
写真17−7をトリミングして、平行法の配置に並べ替えたものを写真17−8に表した。
写真17−8 撮影例1をトリミングして平行法の配置に並べた
ステレオベースが45mmあるので、接写でなくとも十分立体感のあるステレオ写真が撮れている。
さらにピンホール位置を上いっぱいにして撮った撮影例を写真17−9(単一写真)と写真17−10(ステレオ写真)に掲げる。

写真17−9 単一写真の撮影例2 (FP-100C , 30 sec)

写真17−10 ステレオ写真の撮影例2 (FP-100C , 30 sec)
これらは手前に写っているコンクリートの上にカメラを置いて撮影しているが、ピンホール位置が真ん中だとコンクリートが下半分を占める写真になってしまう。
写真17−10をトリミングして、平行法の配置に並べ替えたものを写真17−11に表した。
写真17−11 撮影例2をトリミングして平行法の配置に並べた
コンクリートの位置が近すぎるせいか、少し奥行き感が強すぎる写真になってしまった。
当初インスタントホルダーの窓とフィルム面のセンターは一致するものと考えてカメラを設計したが、実際には5mmほどずれていたようで、このため写真17−7、写真17−10のステレオ写真では境界がやや右にずれてしまった。この辺については工作室で詳しく説明したい。
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