針穴写真19
一眼レフあれこれの二
上下二つのピンホールを切り替える
切り替え式ピンホールの製作・
撮影
ピンホールカメラで手持ち撮影をするのはかなり難しい。いつも三脚を携帯するなら別かもしれないが、普通は平らな水平面を探してカメラを置きシャッターを切ることが多い。この場合撮影される写真は大抵地平線ないし水平線が上下を二等分するような構図になるが、このようにいつもワンパターンの構図では面白くない。
<ピンホールの位置1>ではピンホール位置を非対称な位置に動かせるカメラを紹介したが、一眼レフを使うピンホールカメラではスペースの制限もあり、同様の機能を実現させるのは簡単でない。ここでは次善の策として上下に位置のずれた二つのピンホールを持ち、これを切り替えて二種類の非対称な構図を撮影できるものを作ってみた。
投影距離は前報と同じ約40mmとし、二つのピンホールの位置は中心からそれぞれ上下に6mmずれた位置に置くことにする。
まず厚さ4mmのMDFを使って図19−1に示したピンホールを貼り付ける板Aを作る。

図19−1 4mm厚のMDF板二枚を使ってピンホールを貼り付ける板Aを作る
ピンホールの穴を二つ開けたMDF板を二枚を重ねて接着して製作するが、周辺をケラレないようピンホールから遠い板の穴を大きくし、さらに念のため近い板の穴は二隅を削った。
ペンタックスのKマウントボディキャップはロゴを削って表面を平らにし、図19−2のように四角い穴を二つ開ける

図19−2 ボディキャップのロゴを削ってに穴を開ける
次に1mm厚のミューズボードを図19−3のようにカットし、張り合わせてピンホールを切り替えるシャッターのカバーBを作る。

図19−3 ミューズボードを使ってシャッターのカバーBを作る
更に図19−4のようにミューズボードでシャッターの可動部Cを作り、12mm間隔で二つのピンホールを開けたアルミ板と合わせて、全ての部品を組み立て完成となる。

図19−4 切り替え式ピンホールの組み立て(アルミ板とAは全体を黒く塗っておく)
出来上がった切り替え式ピンホールを写真19−1に掲げる。
写真19−1 製作した切り替え式ピンホール 表(左)と裏(右)
製作した切り替え式ピンホールをペンタックスの一眼レフSF7に取り付けた様子を写真19−2に示す。
写真19−2 PENTAX SF7に取り付けた切り替え式ピンホール 上のピンホールを使う状態(左)
と下のピンホールを使う状態(右)
まず比較のために前報の写真18−3を下に掲げ、更に上のピンホールを使って撮影したものを写真19−3に掲げた。

【再掲】写真18−3 前報で製作したピンホール(中央)で撮影 (PENTAX SF7, ISO100 , 露出4秒)

写真19−3 上のピンホールを使って撮影 (PENTAX SF7, ISO100 , 露出4秒)
フィルムの縦幅は24mmであるから、上に6mmずれたピンホールで撮った写真では水平線(地平線)が下辺から1/4に位置することになるが、水平線(地平線)より上にある被写体が中心になりずいぶん印象の違う写真になっている。
同様に下のピンホールを使って撮影したものを写真19−4に掲げる。

写真19−4 下のピンホールを使って撮影 (PENTAX SF7, ISO100 , 露出4秒)
こちらは水平線(地平線)が上辺から1/4に位置することになり、水面が広く写った写真になっている。
いずれの写真もカメラマンの表現したい視線を反映するという付加価値がプラスされており、今回製作したピンホールの効果が良く現れていると思う。
さらに被写体を変えて今回のピンホールの効果を確かめたものを写真19−5に示した。
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| 前報のピンホール(中央) |
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| 上のピンホール |
下のピンホール |
写真19−5 ピンホール位置による構図の違い (PENTAX Z-50p , NEOPAN 400 , 露出4秒)
カメラボディはZ-50pを使用したが、このシャッターはマニュアルで30秒まで設定でき、バルブを使わず長時間露出が出来るので針穴写真には便利である。念のためこのカメラでもAEを試してみたが、やはりオーバーになってしまい好ましくない。針穴写真はマニュアル露出と割り切ったほうが良いようだ。
上下視線の構図・
切り替え式ピンホールの製作・
撮影