上中下のピンホールを切り替える
三視点ピンホールの製作・ 撮影・ 画角の比較1.上中下の三視点を切り替えたい
前回は上下二視点を切り替えるピンホールを製作したが、時には前々回のように地平線(水平線)が上下を二等分する写真を撮りたいときもある。もし上中下の三視点を切り替えられるピンホールがあれば、それ一つで三種類の構図を選択することが出来ありがたい。
2.三視点ピンホールの製作
ボディキャップに上中下三つのピンホールを並べるとそれぞれの位置が近くなるため、前回のような開口部の大きな切り替えシャッターではうまくいかない。そこで切り替えシャッターの位置をカメラ内部のフィルム側とし、ピンホールの近くに置くことで開口部の小さいシャッターを使えるようにした。
まず厚さ2.5mmのMDFと6mm間隔で三つのピンホールを開けたアルミ板を使って図20−1に示した部品Aを作る。
図20−1 2.5mm厚のMDF板とピンホールを開けたアルミ板で部品Aを作る(黒く塗っておく)
ペンタックスのKマウントボディキャップには図20−2のように四角い縦長の穴を開ける
図20−2 ボディキャップに縦長の穴を開ける
切り替えシャッターBは1mm厚のミューズボードを図20−3のようにカットし、上下の可動部を挟むように三枚の円板を張り合わせて作る。
図20−3 ミューズボードを使ってシャッターBを作る
最後にこれらを図20−4のように組み立て完成となる。
図20−4 三視点ピンホールの組み立て
部品A、シャッターBとボディキャップを写真20−1に、出来上がった三視点ピンホールを写真20−2に掲げる。
部品A(左)とシャッターB(右)の張り合わせる面 部品A(左)とシャッターB(右)の裏側 穴を開けたボディキャップ(左)とA , Bを張り合わせたもの(右)
写真20−1 組み立てる前の部品
写真20−2 製作した三視点ピンホール 表(左)と裏(右)
使用するピンホールとシャッター位置の関係を写真20−3に示した。上のピンホールを使う場合には両シャッターを下に(左)、中のピンホールを使う場合には上のシャッターは上で下のシャッターを下に(中)、下のピンホールを使う場合には両シャッターを上に(右)する。
上 中 下
写真20−3 使用するピンホールとシャッター位置の関係
投影距離は前回、前々回より3mm長く43mmほどとなり、若干画角が狭くなるが致し方ない。部品Aを4mmのMDFで作れば前回、前々回と同じになるが、シャッターがミラーに当たっては困るので冒険するのは自重した。
3.撮影
製作した三視点ピンホールをペンタックスの一眼レフSF7に取り付けた様子を写真20−4に示す。どのピンホールを選択しているか、外観からはわからないのが難点ではある。
写真20−4 PENTAX SF7に取り付けた三視点ピンホール
上中下それぞれのピンホールを使って撮影したものを写真20−5〜7に掲げた。
写真20−5 上のピンホールを使って撮影 (PENTAX SF7, ISO100 , 露出4秒)
写真20−6 中のピンホールを使って撮影 (PENTAX SF7, ISO100 , 露出4秒)
写真20−7 下のピンホールを使って撮影 (PENTAX SF7, ISO100 , 露出4秒)
それぞれ水平線(地平線)は下辺から1/4、1/2、3/4(上辺から1/4)に位置することになる。針穴写真独特の絵画的なタッチの写真になっているが、同じ被写体でも構図が違えばずいぶん印象が違うことがわかる。
さらにフィルムと被写体を変えて撮影したものを写真20−8に示した。
← 上 中 → 下 →
写真20−8 ピンホール位置による構図の違い (PENTAX SF7, NEOPAN 400 , 露出1秒)
これ一つで三つの構図を選択できるので便利であるが、ピンホールを切り替えるのにいちいちボディから取り外さなければならないのがもう一つの難点である。
4.画角の比較
投影距離が前回、前々回より3mm長くなることはすでに説明したが、これによる画角の違いを確認するため同じ場所で同じ被写体を撮影して比較した(写真20−9)。
写真20−9 今回と前々回のピンホールによる画角の違い (PENTAX SF7, ISO100 , 露出4秒)
今回のピンホール(中) 前々回のピンホール
これからわかるように画角の違いはそう大きくはないので、前回、前々回のピンホールに較べて特に使いにくいということはないだろう。