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ステレオ写真11

プリズムフィルターを使った接写B(応用編2)

クローズアップレンズを使う独特な手法

SAMURAI Z2SAMURAI X3.0OLYMPUS C-900ZOOM


1.KYOCERA SAMURAI X4.0

 前回指摘したとおりSAMURAI X4.0でもL-10と同様に治具を使った撮影ができるが、SAMURAIシリーズの場合には治具を使わない方法も可能である。これにはプリズムフィルターとクローズアップレンズを写真11−1のようにフィルター枠に直接取り付ける。


写真11−1 SAMURAI X4.0のフィルター枠にテップアップリング52→55mmを介して55mm径2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を取り付けた

 この状態ではプリズムの稜線が中央にはいるためオートフォーカスは効かない。SAMURAI X4.0ではオートフォーカスが効かない場合、ピント距離を無限遠に合わせてシャッターが切れる状態になる。主レンズのピント距離が無限遠であれば、クローズアップレンズの焦点距離に等しい位置にピントが合っていることになるから、そこに被写体を置くようにしてシャッターを切れば良いわけである。  実際にはまず被写体からクローズアップレンズの焦点距離(No.3なら330mm)に等しい位置にカメラを構え、シャッターを半押しする。するとジーとモーター音がしてレンズが動きフォーカスを試み、フォーカスに失敗するともう一度ジーと音がしてメカ位置が戻る。このときファインダー内でピントが合っているか確かめ、良いようであればシャッターを押し切り撮影する。
 この方法は治具を作成する必要がない分手軽であるが、オートフォーカスが効いていないのでピントが合った写真が撮れるかどうかはカメラマン次第になる。実際慣れないとピンぼけ写真のオンパレードになる恐れがあるので、決してお勧めの方法とは言えないが、うまくやればそこそこの写真は撮れるので自己責任で試してみるのも良いだろう。幸いSAMURAIはハーフサイズなので、チャンスはフルサイズの2倍ある。
 なおL-10ではフォーカシングが出来ないとシャッターが切れない仕様になっているため、この方法は使えない。
 2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を使った、この方法による撮影例を写真11−2に掲げる。



写真11−2 2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を使って撮影(SAMURAI X4, ISO200)

 写真11−3はトリミングして整えた左右像である。うまく撮ればオートフォーカスを効かせて撮るものと変わらない写真が撮れる。要はカメラマンの腕次第ということだろうか。


写真11−3 トリミングして並べた二枚の写真(平行法の配置)。

 以下バリミラージュを使った撮影例を写真11−4に、トリミングしたものを写真11−5に掲げておく。



写真11−4 バリミラージュとクローズアップレンズ(No.3)を使って撮影(SAMURAI X4, ISO200)



写真11−5 トリミングして並べた二枚の写真(平行法の配置)




2.SAMURAI Z2

 SAMURAI Z2についても基本的に同じ方法が使える。Z2のフィルター径は43mmなので43→49mmと49→55mmのステップアップリングを介して55mmの2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を取り付けた(写真11−6)。レンズが引っ込んだままではねじ込みにくいので、ズームを操作し少し繰り出してから取り付けるが、あらかじめスカイライトなどの43mm径のフィルターを付けておけば、レンズが引っ込んだ状態でも簡単に取り付けることができる。


写真11−6 SAMURAI Z2のフィルター枠にテップアップリング43→49mmと49→55mmを介して55mm径2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を取り付けた

 撮影手順は先程のX4.0と同じである。まずズーム位置を合わせてからクローズアップレンズの焦点距離まで被写体に接近し、シャッターを半押ししてジー、ジーと二回モーター音がしてファインダー内の像のピントを確かめ、合っていればそのまま押し切る。もし合っていないようならシャッターを戻し、被写体までの距離を変えてやり直せばよい。
 2セクションを使った撮影例を写真11−7に、トリミングしたものを写真11−8に掲げた。



写真11−7 2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を使って撮影(SAMURAI Z2, ISO200)



写真11−8 トリミングして並べた二枚の写真(平行法の配置)

 さらにバリミラージュを使った撮影例を写真11−9に、トリミングしたものを写真11−10に掲げた。



写真11−9 バリミラージュとクローズアップレンズ(No.3)を使って撮影(SAMURAI Z2, ISO200)



写真11−10 トリミングして並べた二枚の写真(平行法の配置)




3.SAMURAI X3.0

 SAMURAI X3.0はSAMURAIシリーズの最初のモデルである。最短撮影距離が1mとやや長いのでステレオ写真5では扱わなかったが、クローズアップレンズを使えばもちろん使用可能である。ただX4.0やZ2がインナーフォーカスであるのに対し、X3.0はフォーカシング動作でフィルター枠が回転するので面倒である。ここでは写真11−11右に示した治具を自作してこの問題を解決した。


写真11−11 SAMURAI X3.0(左)と自作したフィルターの回転を防ぐ治具(右)

 SAMURAI X3.0にテップアップリング49→55mmを介して55mm径2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を付け、さらに写真11−11右の治具を三脚ネジを使って固定した様子を写真11−12に示した。2セクションの回転レバーは治具のスリットで回転が妨げられるため、フィルター枠が回転してもプリズムは回転しない。



写真11−12 SAMURAI X3.0のフィルター枠にテップアップリング49→55mmを介して55mm径2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を付け、さらにフィルターの回転を防ぐ治具を取り付けた

 この状態でX4.0やZ2と同じ要領で撮影すればよい。撮影例を写真11−13に、トリミングしたものを写真11−14に掲げる。



写真11−13 2セクションとクローズアップレンズ(No.3)を使って撮影(SAMURAI X3.0, ISO200)



写真11−14 トリミングして並べた二枚の写真(平行法の配置)

 さらにバリミラージュを使った撮影例を写真11−15に、トリミングしたものを写真11−16に掲げた。



写真11−15 バリミラージュとクローズアップレンズ(No.3)を使って撮影(SAMURAI X3.0, ISO200)



写真11−16 トリミングして並べた二枚の写真(平行法の配置)




4.OLYMPUS C-900ZOOM

 ステレオ写真6で扱ったOLYMPUS C-900ZOOMにはワンタッチフォーカスモードがあり、2.5mないし∞に焦点を合わせた撮影ができる。これを使えばSAMURAIと同じ要領でクローズアップレンズを使った撮影ができる。ただC-900ZOOMにはフィルターを取り付ける枠が無いためやはり治具を使わなければならない。写真11−17に使用する治具を示した。


写真11−17 製作したフィルターを取り付ける治具

 この治具はステレオ写真6で紹介した治具のフィルター位置を固定としたものと考えて良い。治具にカメラと2セクション、クローズアップレンズを取り付け組み上げたものを写真11−18に示した。


写真11−18 治具にC-900ZOOMと2セクション、クローズアップレンズ(No.2)を取り付けた様子

 この治具ではステレオベースが20mm前後になるため、ここでは焦点距離が長い(500mm)No.2のクローズアップレンズを使用した。
 撮影には被写体からクローズアップレンズの焦点距離だけ離れた位置にカメラを置き、∞ボタンを押しながらシャッターを切ればよい。撮影例を写真11−19に、トリミングしたものを写真11−20に掲げる。



写真11−19 2セクションとクローズアップレンズ(No.2)を使って撮影(C-900ZOOM)



写真11−20 トリミングして並べた二枚の写真(平行法の配置)

 さらにバリミラージュを使った撮影例を写真11−21に、トリミングしたものを写真11−22に掲げた。



写真11−21 バリミラージュとクローズアップレンズ(No.2)を使って撮影した写真。(C-900ZOOM)



写真11−22 トリミングして並べた二枚の写真(平行法の配置)

 ここでは∞に焦点を合わせるワンタッチフォーカスモードを使用したが、2.5mに合わせる方を使っても良い。その場合は撮影距離が若干短くなる。

 以上のようにクローズアップレンズを使う撮影では、オートフォーカスカメラでも特定の距離に焦点を合わせるモードがあれば、その機能を使った撮影が可能になる。




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