ステレオ写真18
アナグリフカメラ3(標準レンズ)
標準レンズに手を加えて撮影
完成したアナグリフカメラ・
撮影例
ここではカメラの標準レンズに手を加えてアナグリフレンズを作る方法を紹介する。もちろんレンズは種類によって構造がまちまちで、分解の手順も異なる。ここで紹介する方法は他のレンズでは通用しないことがほとんどで、あくまで参考にしかならないので一つのヒントとして捉えていただきたい。
使用するレンズはSMC PENTAX-M 50mm F1.7(写真18−1)で、オークションで購入したジャンクカメラに付いていたカビ玉である。幸いにも分解が簡単であったため、分解掃除で9割がたカビを拭き取ることが出来、使える状態になった。新品で購入したきれいなレンズに手を加えるのは勇気がいるが、元がジャンクレンズであれば駄目もとでトライできる。

写真18−1 ジャンクカメラと一緒に購入した SMC PENTAX-M 50mm F1.7
このレンズの瞳位置にアナグリフフィルターを取り付け、アナグリフレンズとする。
レンズのマウント側を見ると(写真18−2左)後玉の枠に切り込みがあり、これにステレオ写真8で使ったカメラオープナー(写真8−1参照)の先をかけて反時計回りに回せば後玉が外せる(写真18−2右)。
写真18−2 レンズのマウント側(左)からカメラオープナーを使って後玉を外す(右)
外した後をのぞくと写真18−3のように中に絞りユニットが見える。絞りの位置が瞳になるので、ここにアナグリフフィルターを付ければよい。

写真18−3 後玉を外すと絞りユニットが見える
アナグリフフィルターは穴が横に並ぶように取り付けなければならない。レンズをカメラに付けてみると、写真18−4左のように距離目盛りの表示部が上に来るので、目安の表示部が上に来るようにレンズを置く(写真18−4右)。
写真18−4 カメラにはめた状態で距離目盛りが上に来る(左)ので距離目盛りを上にして置く(右)
中に入れるアナグリフフィルターはボール紙を図18−1の形状にカットして作る。

図18−1 ボール紙でレンズに入れるアナグリフフィルターを作る
切り出したボール紙の二つの穴には、写真18−5左のようにアナグリフ眼鏡から取った赤とシアンのフィルムを貼る。また真ん中にはピンセットでつかめるように小紙片をかぎ状に折って貼り付ける。
写真18−5 制作したアナグリフフィルター(左)を両面テープで絞りユニットに貼り付ける(右)
製作したアナグリフフィルターは、小さく切った両面テープを使って絞りユニットの枠に取り付けるが、このとき赤が左、シアンが右に位置するようにする(写真18−5右)。なおこのとき両面テープが絞り羽根について痛めないように気を付ける。
外した後玉を元に戻せばアナグリフレンズが完成する。
PENTAXのKマウントレンズはリコーのカメラでも使える。製作したアナグリフレンズをXR500に付けた様子を写真18−6に示す。正面から見ると二色のフィルターが見える(左)が、斜めから見たのでは普通のレンズと見分けが付かない(右)。
写真18−6 レンズをカメラに付けると二色のフィルターが見える(左) その他は普通と変わらない(右)
アナグリフフィルターの穴の間隔は10mmであるが(図18−1参照)、前玉で拡大されるのでステレオベースは10mmより若干大きくなる。いずれにせよ適正撮影距離は50cm程と考えて良いだろう。
当然であるが撮影は絞りを解放(F1.7)に固定して行わなければならない。それ以外は通常の撮影と同じである。
本カメラによる撮影例を以下に掲げる。
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| 撮影例1 |
撮影例2 |
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| 撮影例3 |
撮影例4 |
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| 撮影例5 |
撮影例6 |
写真18−7 アナグリフカメラの撮影例(ISO400)
標準レンズを使っているだけあって、前回までとは違ってかなりシャープな写真が撮れている。通常の撮影と同様にピントリングを使えるなど、カメラの使い勝手も良い。ステレオベースが大きくとれないため、撮影距離が大きくなると奥行き感が薄くなる点がたまにきずだが、接写に限定すればかなり実用性の高い方法であると思われる。
ジャンクレンズをちょっと改造・
完成したアナグリフカメラ・
撮影例