ピンホールカメラ11
ブロニーフィルムを使うカメラ
針穴写真23/ステレオ写真25で使用したカメラ
図面と製作の実際・
撮影例
針穴写真23/ステレオ写真25で使用したピンホールカメラの製作について説明する。ブロニーフィルム(120)を使うためには巻き上げ機構を備えたフィルムホルダーが必要になり、カメラの構造もかなり複雑になった。結果として図面数も多くなったが、資料を残すという意味もあるのでがんばって作成した。
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写真15−1 ブロニーフィルムを使うモノ−ステレオピンホールカメラ
カメラの斜視図を以下に示す。本カメラはインナーケース、アウターケースと前枠で構成される。

図15−1 製作したピンホールカメラの斜視図
2−1.インナーケース
組み立てる前の部品について、それぞれの寸法と構成を図面で示す。まず上板は厚さ2.5mmと4mmのMDFを図15−2に示すようにカットして貼り合わせる。MDF同士の接着には木工用ボンドを使用する。

図15−2 上板の部品
組み立てた上板には下図のようにアルミ棒を差し込み、固定してフィルム軸とする。アルミとMDFの接着にはエポキシ系の接着剤を使用した。

図15−3 組み立てた上板
下板も同様に厚さ2.5mmと4mmのMDFを三層に重ね合わせて作成する。カットする寸法等を図15−4に示した。

図15−4 下板の部品
出来上がった下板の斜視図を以下に示す。

図15−5 組み立てた下板
前面パネルには下図のようにピンホールを取り付ける穴を開け、4mm厚のMDFの小片を貼り付ける。

図15−6 前面パネルの部品
これらの部材に側板や仕切り板、フィルムを規制する枠を加えて図15−7のように組み立てる。内側の面は全て黒く塗る必要があるが、組み立てた後で塗装しにくい部分は組み立てる前に塗っておくと良い。

図15−7 インナーケースの組み立て図
ステレオ撮影のために、写る範囲を規制する遮光マスクを取り付ける。これは2.5mm厚のMDFを下図のようにカットし、全体を黒く塗って作成する。

図15−8 遮光マスク
アルミの空き缶で作ったピンホール三つを、前面パネルに内側から取り付け、遮光マスクを前面パネルに接着した小片に木ネジで固定する。

図15−9 ピンホールと遮光マスクの取り付け
さらに空き缶から40mm×65mmの板二枚を切り出し、安全のため一方の端を5mm折り返して40mm×60mmとした後、半分に折ってフィルム押さえを作り、下図のように側面内側に貼り付ける。接着には万能接着剤(G17)を使用した。

図15−10 フィルム押さえの取り付け
巻き取り用のフィルム軸は円盤状にカットしたMDF二枚を張り合わせ、中心にアルミ棒を通して接着して作成する。ここで4mm厚のMDFは上板のくぼみに入って回転できるように大きさを調整する。アルミ棒のリール側には穴を開け、2mmφの銅線を横に差して引っかかるようにする。金属同士の接着にはエポキシ系の接着剤を使用した。

図15−11 巻き取り用フィルム軸
下板に挿入する固定フィルム軸も下図のようにMDFとアルミ棒で作成する。こちらも4mm厚のMDFは下板の穴に入るように大きさを調整する。さらに軸を押さえる蓋をMDFで作成するが、これらはいずれも二つずつ用意する。

図15−12 固定フィルム軸とこれを押さえる蓋
フィルム軸は内側の面を黒く塗っておく。出来上がったこれらのパーツを以下に示す。
写真15−2 巻き取り用フィルム軸(左)及び 固定フィルム軸と蓋(右)
これらは下図のようにインナーケースに取り付けられることを確認する。

図15−13 フィルム軸の取り付け
インナーケースの前面にはシャッターを付けるが、これには例によってミューズボード(1mm)を使用した。ミューズボードは片面がグレーでもう一方が黒であるが、ここではグレーの側を表、黒の側を裏と呼ぶことにする。まず固定枠の図面を以下に示すが、小片は裏面(黒)に貼り付ける。

図15−14 シャッターの部品(固定枠)
さらにメインの可動部を下図に示すが、二枚の小片は表(グレー)の側に貼り付ける。

図15−15 シャッターの部品(可動部1)
個別の可動部は下図に示したものを三つ作成する。こちらの小片は裏(黒)の側に貼り付ける。

図15−16 シャッターの部品(可動部2)
これらを下図のように前面パネルに取り付ける。パネルに接着するのは固定枠のみになる。

図15−17 シャッターの取り付け
以上でインナーケースの組み立ては完了する。完成したインナーケースの写真を以下に示した。フィルム枠などの部品は外してある。
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写真15−3 完成したインナーケース
2−2.アウターケース
こちらも厚さ2.5mmと4mmのMDFを使って作成する。上板の図面を図15−18に示すが、前枠を滑り込ませる溝と直交するように巻き取り軸を通すための切り込みを作る。

図15−18 上板の部品
さらに下板の図面を以下に示す。大きさは上板と同じだがこちらには切り込みがない。

図15−19 下板の部品
背面パネルにはフィルムを押さえる板を貼り、フィルムカウンターの窓を開けておく。

図15−20 背面パネルの部品
左の側板を以下に示す。こちらには上下の板と同様に前枠の入る溝がある。

図15−21 側板の部品1
一方、右の側板は前枠を通すために若干小さくなる。

図15−22 側板の部品2
これらのパーツを以下のように組み立ててアウターケースを作る。フィルムカウンターの窓には赤い透明(プラスチック)板を貼り付ける。

図15−23 アウターケースの組み立て
完成したアウターケースの写真を以下に掲げた。こちらもインナーケース同様、内部を黒く塗装する。
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写真15−4 完成したアウターケース
出来上がったら下図のようにインナーケースが入ることを確認する。

図15−24 インナーケースとアウターケース
2−3.前枠
前枠の図面を以下に示す。これも厚さ2.5mmと4mmのMDFを使って作成する。

図15−25 前枠の部品
出来上がった前枠の写真を以下に示す。
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写真15−5 完成した前枠
作った前枠を下図のようにアウターケースの側面から差し込めれば完成である。使用法は針穴写真23/ステレオ写真25を参照願いたい。

図15−26 前枠を挿入
製作したピンホールカメラによる単一(パノラマ)写真の撮影例を写真15−6に示した。35mmフィルムに比べるとフィルム面積が大きい分、画質の面で有利だ。

写真15−6 単一(パノラマ)写真の撮影例 (Kodak Tmax100 , 露出8秒)
同じ位置でステレオに切り替え撮影したものを写真15−7に示した。ステレオ写真の枠がきれいに分かれるか否かは遮光マスク(図15−8)次第なので、フィルムの幅に切った印画紙を使って何度か試し撮りし、遮光マスクの穴を調整した(広げたり狭めたりする)。

写真15−7 ステレオ写真の撮影例 (Kodak Tmax100 , 露出8秒)
写真15−7をトリミングして、平行法の配置に並べ替えたものを写真15−8に表した。この写真では画面下が接近しすぎてやや視差が大きくなりすぎたが、下をカットしてトリミングし直せばもっと見やすくなるだろう。
写真15−8 撮影例をトリミングして平行法の配置に並べた
概要・
図面と製作の実際