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ピンホールカメラ1

ピンホールカメラ・広角(小)

針穴写真5で使用したカメラ

図面と製作の実際撮影例


1.概要

 初歩のカメラ−針穴写真5で使用したピンホールカメラの一つで、6.5cm×9cmの印画紙を使用するタイプの製作について説明する。まず実物の写真を下に示す。



写真2−1 製作したピンホールカメラ、フィルムサイズは6.5cm×9cm。

 このカメラは本体、側板、裏蓋の三つの部品からなり(写真2−2)、フィルムホルダーに印画紙をセットする際には背板を合わせて入れ安定させている。



写真2−2 側板、裏蓋、背板をはずした様子

 本体にはフィルムホルダーと二つのフィルム室がある(写真2−3)。実際に使用するに際には最初にフィルム室の一方に未使用の印画紙を所定の枚数入れておき、もう一方は空にしておく。



写真2−3 フィルムホルダーと二つのフィルム室

 さらにフィルムホルダーには未使用の印画紙一枚を背板を添えて入れ、写真2−4のように側板と裏蓋をはめて撮影準備完了となる。もちろんこれらの作業は暗室内で行うかダークバックに入れて行う。

まず側板を入れる 次に裏板を入れる セット完了

写真2−4 撮影準備完了まで

 あとは一枚撮影するごとにカメラをダークバックに入れ、フィルムホルダーの印画紙をもう一方のフィルム室に移し、未使用の印画紙を一枚先程のフィルム室からとってフィルムホルダーに移す。これを未使用の印画紙が無くなるまで繰り返すわけである。
 カメラ本体にフィルムケースの機能を持たせることで機動性が良くなり、ダークバックさえあれば明るい場所でフィルムの再充填ができる。フィルム室には印画紙を結構な枚数を入れておくことができるが、針穴写真の撮影には手間も時間もかかるり、一度に何十枚も撮るのはかなり大変なので、十数枚程度入れておけば通常は十分である。

2.図面と製作の実際

 まずはカメラの斜視図を示しておく。

図2−1 製作するピンホールカメラ


 すでに説明した通り、このカメラは本体と側板、裏蓋からなる。また本体のピンホール部分にはシャッターが取り付けられるが、以下本体、側板、裏蓋、シャッターに分けてそれぞれ説明する。なお印画紙に添える背板は厚さ1mmのミューズボード(ミューズハイバックボード、ハイブラック/ハイグレー/1mm)を印画紙と同じ大きさに切ったものであり、改めて説明するまでもないだろう。


図2−2 ピンホールカメラを本体、側板、裏蓋、シャッターに分けた様子


2−1.本体

 本体は下図のようにA〜Fの部材と長方形の板一枚とからなる。ここで使用する材料は厚さ2.5mmと4mmのMDF(東急ハンズで購入)で、接着には木工用ボンドを使った。

図2−3 本体の分解図


 まず部材A〜Cの図面を図2−4に示す。図中の数字の単位は全てmmである。
 部材Aは厚さ2.5mmの板にピンホールを取り付ける穴を開け、さらに二枚の細長い板を接着したものである。ここでアンダーラインのある数字は若干小さめ、アッパーラインのある数字は若干大きめを意味する。これは部材の合わせしろを確保するためのもので、板厚のばらつきや表面の凸凹の度合いによって異なるため、数値で表すことを避けたが、あえて言うなら0.2〜0.5mm程度小さめないし大きめと言うところである。
 実際には数値にこだわるのではなく、組み立ての手順を工夫して寸法を調整するのがよい。この二枚の板の接着はその他の部材と合わせて組み上げたあとでもかまわないから、最後に側板がうまく挟まり余計な透き間が空かないように位置を決めて接着すればよい。

A


B C


図2−4 部材A〜Cの図面

 部材Bはフィルムホルダーであるが、図面のように4枚の板を重ねて接着する。
 さらにD〜Fの図面を示す。いずれも厚さ4mmの板に数枚の細長い板を接着したもので、EはFの鏡面対称である。貼り付ける板は部材A〜Cの位置決めをするもので、特にEとFはがたつきが無く位置決めが出来るように溝を作る必要がある。一方Dは多少の隙間を生じてもかまわない。

D F (Eは鏡面対称)

図2−5 部材D〜Fの図面

 先程と同様a,e,fは、組み立て後に側板や裏蓋がうまく取り付けられるよう最後に貼り付ければよい。また部材は組み立てる前に内側になる部分を黒く塗っておく。組み立てた後では隙間が狭く塗るのは大変である。
 以上の部材を図2−3のように組み立てた後、部材Aの内側からピンホールを貼って本体の完成である。
 ピンホールの制作については針穴写真1を参照願いたい。投影距離は約30mmであるので、適正ピンホール径は0.2mmである。


2−2.側板

 側板の図面を以下に示す。厚さ4mmの板に細長い板hを貼るだけの簡単な物である。hは取っ手の役割を果たす物なので、寸法は別に図面通りでなくとも良い。あくまで参考にしていただきたい。反対側の面は内側になるので黒く塗っておく。



図2−6 側板の図面


2−3.裏蓋

 裏蓋の図面を以下に示す。厚さ2.5mmの板の両面に細長い板i,jを貼った物である。暗箱の内側になる面はないので黒く塗る必要はない。なお板iは取っ手なので寸法は適当でよい。



図2−7 裏蓋の図面、iは裏面に貼る


2−4.シャッター

 シャッターは厚さ1mmのミューズボードで作った。ミューズボード同士の接着はデンプン糊を使い、本体への接着は両面テープかG-17のようなゴム糊を使用する。両面テープを使う場合、気温の高い夏の日中では剥がれやすくなることがあるので注意が必要である。



図2−8 シャッターの図面

3.撮影例

 製作したカメラによる撮影例を下に示した。針穴写真5で説明している通り超広角の写真になるため、焼き込みなどによって濃度を調整しないとまさに覗き穴から覗いたような周辺の暗い写真となる。



写真2−5 露出時間2分、焼き込み無し

 6.5cm×9cmは恐らく市販されている印画紙の最も小さなサイズである。画質を考えればもっと大きな印画紙を使いたいところだが、大きくなれば持ち歩くのが大変になる。ピンホールカメラでも、これほどコンパクトになれば鞄に入れて持ち歩くのも十分可能であり、携帯性や機動性を重視すれば、こういったカメラも一つの選択肢であると考える。


概要図面と製作の実際

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