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ピンホールカメラ2

ピンホールカメラ・広角(中)(大)

針穴写真5で使用したカメラ

図面と製作の実際撮影例


1.概要

 前回に引き続き初歩のカメラ−針穴写真5で使用したピンホールカメラで、9cm×13cm(中)と13cm×18cm(大)の印画紙を使用したタイプの製作について説明する。これらは同じ構造で寸法のみが異なるため、ここでは(中)の写真を使って概要を説明する。



写真3−1 フィルムサイズ9cm×13cm(中)のピンホールカメラ。

 前回説明した(小)と基本的な構造は同じであるが、このカメラでは二種類のフィルムホルダーを交換可能とする欲張った仕様になっている(写真3−2)。すなわち(中)では9cm×13cmの他に8.2cm×12cm(半カビネ)用を、(大)では13cm×18cm(大カビネ)に加えて12cm×16.5cm(カビネ)用のフィルムホルダーを用意した。さらに使わないフィルムホルダーもカメラ内に収納する構造としたため、かえって使いにくくなってしまった。これから作って見ようと考えている人には、あまり機能を欲張らずにシンプルな構造とすることをお勧めする。



写真3−2 側板、裏蓋、フィルムホルダーをはずした様子

 (小)と同様、本体には二つのフィルム室があり、使用するフィルムホルダーはフィルム室の隣に、使用しないフィルムホルダーはピンホールに近い位置に収納されている(写真3−3)。フィルム室の使用法や側板と裏蓋のセットについては前回説明したので省略する。



写真3−3 二つのフィルムホルダーと二つのフィルム室

 フィルムホルダーと背板には矩形の穴が開いているため(写真3−4)、ピンホールに近い位置に収納しても光線を遮らないわけだが、実際使ってみると印画紙を挿入する際にこの穴に引っかかって手間取ることがある。カメラ内に収納することを諦めれば穴は不要になるので、その方が不具合がなく使いやすい。

9cm×13cm用フィルムホルダーと背板
(大)13cm×18cm用と同形
8.2cm×12cm用フィルムホルダーと背板
(大)12cm×16.5cm用と同形

写真3−4 二種類のフィルムホルダーと背板

 さらに二種類のフィルムサイズに対応する必要が無ければよりシンプルになるが、それなら(小)のカメラをそのままスケールアップすれば良い。この辺の判断は各人にまかせるとして、ここでは実際に製作したものについて説明しておく。

2.図面と製作の実際

 まずはカメラの斜視図を示しておく。

図3−1 製作するピンホールカメラ


 本体、フィルムホルダー、側板、裏蓋、シャッターの各パーツに分解したものを図3−2に示した。以下それぞれについて説明する。


図3−2 ピンホールカメラを本体、フィルムホルダー、側板、裏蓋、シャッターに分けた様子


2−1.本体

 本体は下図のようにA〜Eの部材と長方形の板二枚とからなる。材料は厚さ2.5mmと4mmのMDF(東急ハンズで購入)で、接着には木工用ボンドを使用する。

図3−3 本体の分解図

 まず部材A〜Cの図面を図3−4に示す。図中の数字の単位は全てmmであり、(中)(大)二種類の寸法を併記してある。それぞれについての説明は前回(小)と同様なので省略する。


A B


C


図3−4 部材A〜Cの図面


表3−1 部品a〜eの寸法

部材 部品 (中) (大)
A a 10×94×4t 10×142×4t
b 10×94×4t 10×142×4t
C c 8.5×94×4t 8.5×142×4t
d 17.5×94×4t 37.5×142×4t
e 10×94×4t 10×142×4t

 さらに部材Eの図面を示す。DはEの鏡面対称である。

E (Dは鏡面対称)

図3−5 部材D,Eの図面

表3−2 部品f〜mの寸法

部品 (中) (大)
f 8.5×132×4t 8.5×182×4t
g 7.5×132×4t 7.5×182×4t
h 7.5×132×4t 7.5×182×4t
i 17.5×132×4t 37.5×182×4t
j 10×132×4t 10×182×4t
k 10×24×4t 10×24×4t
l 10×17.5×4t 10×37.5×4t
m 10×10×4t 10×10×4t

 (小)と同様c, f, k, l, mは、組み立て後に側板や裏蓋がうまく取り付けられるよう最後に貼り付ければよい。また各部材は組み立てる前に内側になる部分を黒く塗っておく。
 以上の部材を図3−3のように組み立てた後、部材Aの内側からピンホールを貼る。ピンホールは針穴写真1に書いた方法で制作するが、投影距離は(中)40mm、(大)60mmであるので、適正ピンホール径はそれぞれ(中)0.23mm、(大)0.28mmである。


2−2.フィルムホルダー

 (中)9cm×13cm用と(大)13cm×18cm(大カビネ)用のフィルムホルダーの図面を図3−6に、(中)8.2cm×12cm(半カビネ)用と(大)12cm×16.5cm(カビネ)用のフィルムホルダーの図面を図3−7に示した。
 全て厚さ2.5mmのMDFを使用して製作し、全体に黒く塗っておく。組み立て後では塗りにくい部分は、組み立てる前に塗っておけば良い。



図3−6 (中)9cm×13cm用と(大)13cm×18cm(大カビネ)用のフィルムホルダー



図3−7 (中)8.2cm×12cm(半カビネ)用と(大)12cm×16.5cm(カビネ)用のフィルムホルダー


2−3.側板

 側板の図面を以下に示す。部品nのサイズは表3−3を参照されたい。以下説明は(小)と同じなので省略する。



図3−8 側板の図面


2−4.裏蓋

 裏蓋の図面を以下に示す。厚さ2.5mmの板の両面に細長い板o, pを貼った物である。暗箱の内側になる面はないので黒く塗る必要はない。なお板oは取っ手なので寸法は適当でよい。



図3−9 裏蓋の図面、oは裏面に貼る

表3−3 部品n, o, pの寸法

部品 (中) (大)
n 10×94×4t 10×142×4t
o 10×94×4t 10×142×4t
p 10×94×4t 10×142×4t



2−5.シャッター

 シャッターは(小)と全く同じである。



図2−8 シャッターの図面(再掲載)


2−6.背板

 厚さ1mmのミューズボードで作成した。(中)9cm×13cm用と(大)13cm×18cm(大カビネ)用(図3−10左)は長方形の板に長方形の穴を開け、(中)8.2cm×12cm(半カビネ)用と(大)12cm×16.5cm(カビネ)用(図3−10右)はさらに細く切ったミューズボードを端に貼り付けて作成する。

(中)9cm×13cm用

(大)13cm×18cm(大カビネ)用
(中)8.2cm×12cm(半カビネ)用

(大)12cm×16.5cm(カビネ)用

図3−10 背板の図面


3.撮影例

 製作したカメラ(中)によって9cm×13cmの印画紙に撮影した例を写真3−5に、(大)で13cm×18cmの印画紙に撮影した例を写真3−6に示した。被写体はランドマークタワーと日本丸で、いずれも焼き込みによって濃度を調整している。
 さすがにフィルムサイズが大きいと画質も良い。



写真3−5 (中)露出時間3分、ゲッコーVR2(9cm×13cm)で焼き込みあり




写真3−6 (大)露出時間4分、ゲッコーVR2(13cm×18cm)で焼き込みあり



概要図面と製作の実際

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