ピンホールカメラ3
ピンホールの位置を変えられるカメラ1
針穴写真6で使用したカメラ
図面と製作の実際・
撮影例
初歩のカメラ−針穴写真6で使用したピンホールカメラの製作について説明する。6.5cm×9cmの印画紙を使用するもので、投影距離の異なる二種があるが、ここでは投影距離60mmのものを(短)、90mmの方を(長)と呼ぶことにする。

写真5−1 製作したピンホールカメラ 投影距離は(短)60mmと(長)90mmでフィルムサイズは6.5cm×9cm
基本構造はピンホールカメラ1で説明したカメラと同じで、本体、側板、裏蓋の三つの部品からなり(写真5−2)、フィルムをセットする際に背板を添えるのも同様である。
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| (短) |
(長) |
写真5−2 側板、裏蓋、背板をはずした様子
写真5−3のように本体にはフィルムホルダーと二つのフィルム室があるが。これらの使い方はピンホールカメラ1を参照願いたい。
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| (短) |
(長) |
写真5−3 フィルムホルダーと二つのフィルム室
本カメラの特徴は上下左右に移動可能なピンホールであって、これと投影距離以外はピンホールカメラ1で説明した広角カメラと同じである。
カメラ(短)の斜視図を以下に示す。(長)は奥行きが違うだけであとは同じである。

図5−1 ピンホールカメラ(短)
本カメラは本体と側板、裏蓋からなり、本体のピンホール部分にはシャッターが取り付けられる。以下本体、側板、裏蓋、シャッターに分けてそれぞれ説明する。背板は厚さ1mmのミューズボードを印画紙と同じ大きさに切ったものである。

図5−2 ピンホールカメラを本体、側板、裏蓋、シャッターに分けた様子
2−1.本体
本体は下図のようにA〜Fの部材と長方形の板一枚とからなる。材料は厚さ2.5mmと4mmのMDF(東急ハンズで購入)で、接着には木工用ボンドを使った。
図5−3 本体の分解図
本カメラの特徴である最も重要な部材Aの分解図を図5−4に示す。材料はすべて厚さ2.5mmのMDFで、図中の数字の単位はmmである。
A-3はA-2を保持するようにA-1に接着し、またA-5はA-4を保持するようにA-2に接着する。こうすることではA-2は左右に可動になり、A-4はA-2上で上下に可動になる。さらにピンホールをA-4に取り付れば、その位置を上下左右に動かすことができるわけである。
図5−4 部材Aの分解図
部材Aを構成する部材A-1の図面と、 A-2, A-4をパーツに分解したものを図5−5に示す。A-2, A-4は左のパーツの上に右のパーツを重ねるように貼り付ける。貼り付けには両面テープを使い、ピンホールが傷んだときにはここを剥がして取りはずせるようにした。A-1の斜線部にA-3を接着し、A-2の斜線部にはA-5を接着する。ここは剥がれては困るので木工用のボンドを使う。
ピンホールは15mm角にカットし、A-4の内側から16mm角の穴に入るように貼りつける。適正ピンホール径は(短)が0.28mm、(長)が0.35mmであるが、あまり精度にこだわる必要はない。
数値に付けられているアッパーラインとアンダーラインの意味や、組み立ての手順などはピンホールカメラ1を参照願いたい。
A-1

A-2

A-4

図5−5 部材Aを構成する各部品の図面
部材BとCはピンホールカメラ1のものと同じである。
| B |
C |
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図5−6 部材B(フィルムホルダー)の分解図と部材Cの図面
さらにD〜Fの図面を示す。ピンホールカメラ1のものとよく似ており、寸法が一部違うだけと考えて良い。(短)(長)のカメラで異なる部材はD〜Fと側板のみである。
| D |
F (Eは鏡面対称) |
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図5−7 部材D〜Fの図面
2−2.側板
側板の図面を以下に示す。ピンホールカメラ1のものの寸法違いである。材料は4mm厚のMDFで内側になる面は黒く塗っておく。

図5−8 側板の図面
2−3.裏蓋
裏蓋の図面を以下に示す。ピンホールカメラ1のものと全く同じである。

図5−9 裏蓋の図面、iは裏面に貼る
2−4.シャッター
シャッターはピンホールカメラ1のものを小さくしたものである。同じく厚さ1mmのミューズボードで作る。

図5−10 シャッターの図面
製作した(短)のカメラによる撮影例を下に示した。水平面(地面)にカメラを置いてピンホール位置を上いっぱい(10mm)にずらし、上向きの視線で撮影している。焼き込み(覆い焼き)による濃度調整をすれば下部(特に両端)をもう少し明るくすることもできるが、この程度まで写っていれば濃度調整はなしでも良いと判断した。

写真5−4 (短)で撮影 露出時間4分 焼き込み無し
概要・
図面と製作の実際