ピンホールカメラ4
ピンホールの位置を変えられるカメラ2
針穴写真7で使用したカメラ
図面と製作の実際・
撮影例
初歩のカメラ−針穴写真7で使用した二台のピンホールカメラの製作について説明する。まず実物の写真を下に示す。

写真7−1 製作したピンホールカメラ、フィルムサイズ(小)8.2cm×12cm(左)と(大)9cm×13cm(右)
これらのカメラは例によって本体、側板、裏蓋の三つの部品からなり(写真7−2)、フィルムホルダーに印画紙をセットする際には背板を合わせて入れ安定させている。

写真7−2 (大)の側板、裏蓋、背板をはずした様子
本体にフィルムホルダーと二つのフィルム室がある構造(写真7−3)や、側板・裏蓋の使い方はこれまで紹介したものと同様である。

写真7−3 フィルムホルダーと二つのフィルム室
まずは異なる二方向から見たカメラの斜視図を示しておく。
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| 右前方より見た図 |
左前方より見た図 |
図7−1 製作するピンホールカメラ
ピンホール部分にシャッターが取り付けられる様子(図7−2)、及び本体と側板、裏蓋からなる構成(図7−3)を以下に示す。以下本体、側板、裏蓋、シャッターに分けてそれぞれ説明する。なお印画紙に添える背板は厚さ1mmのミューズボード(ミューズハイバックボード、ハイブラック/ハイグレー/1mm)を印画紙と同じ大きさに切ったものである。

図7−2 シャッターをはずした様子
図7−3 ピンホールカメラを本体、側板、裏蓋、シャッターに分けた様子
2−1.本体
本体は下図のようにA〜Gの部材と長方形の板一枚とからなる。例によって使用する材料は厚さ2.5mmと4mmのMDF(東急ハンズで購入)で、接着には木工用ボンドを使う。
図7−4 本体の分解図
まず二つのピンホールを有する部材Aの分解図を図7−5に示す。A-1は4mm厚、それ以外はすべて厚さ2.5mmのMDFを使用する。図中の数字の単位はmmである。
A-3はA-2を保持するようにA-1に接着する。二つのピンホールはA-2に取り付けられるが、これによってA-2とともに左右に動かすことができるようになる。
図7−5 部材Aの分解図
部材Aを構成する部品A-1の図面と、A-2をパーツに分解した図面を図7−6に示す。A-2は左のパーツの上に右のパーツを重ねるように貼り付ける。貼り付けには両面テープを使い、ピンホールが傷んだときにはここを剥がして取りはずせるようにした。A-1の斜線部にA-3を接着し、A-2の斜線部には後で説明するシャッターを接着する。A-3の接着には木工用のボンドを使い、シャッターの接着にはG17を使った。
ピンホールは15mm角にカットし、A-2の内側から18mm角の穴に入るように貼りつける。ピンホールは全て径が0.30mmのものを使用した。
数値に付けられているアッパーラインとアンダーラインの意味はピンホールカメラ1を参照願いたい。
A-1

A-2

図7−6 部材Aを構成する各部品の図面
次にもう一つのピンホールを有する部材Bの分解図を図7−7に示す。B-1は4mm厚、それ以外はすべて厚さ2.5mmのMDFを使用する。
B-3はB-2を保持するようにB-1に接着する。ピンホールはB-2に取り付けられ、B-2とともに上下に動かすことができるようする。
図7−7 部材Aの分解図
部材Bを構成する部品B-1の図面と、 B-2をパーツに分解したものを図7−8に示す。B-2は左のパーツの上に右のパーツを重ねるように貼り付ける。Aと同様に貼り付けには両面テープを使い、ピンホールが傷んだときにはここを剥がして取りはずせるようにする。B-1の斜線部にB-3を接着し、B-2の斜線部に後で説明するシャッターを接着する。使用する接着剤は先程と同様である。
さらにAと同じピンホールを15mm角にカットし、B-2の内側から16mm角の穴に入るように貼りつける。
B-1
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B-2 |
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図7−8 部材Bを構成する各部品の図面
A-1, B-1と部材Eは、図7−9左のごとく隙間無く組み立てられるように、合わせる辺を削って傾斜をつける。またピンホールの開口部も図7−9のように内側が広くなるように傾斜をつける。これが不十分だと開口部のエッジでケラレを生じてしまう。
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| A-1, B-1, Eの水平断面 |
A-1の垂直断面 |
図7−9 A-1, B-1, Eの傾斜を付けて削る部分
部材Cはフィルムホルダーであり、下図左のように4枚の板を重ねて接着する。また部材Dは厚さ2.5mmのMDFを下図右の形状にカットして作る。
| C |
D |
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図7−10 部材C、Dの図面
さらにE〜Gの図面を示す。いずれも厚さ4mmの板に数枚の細長い板(表7−1参照)を接着したもので、FはEの鏡面対称である。貼り付ける板は部材A〜Dの位置決めをするもので、特にEとFはがたつきが無く位置決めが出来るように溝を作る必要がある。一方Gは多少の隙間を生じてもかまわない。
| E(Fは鏡面対称) |
G |
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図7−11 部材E〜Gの図面
表7−1 部品a〜gの寸法
| 部材 |
部品 |
(小) |
(大) |
E & F |
a |
8.5×122×4t |
10×132×4t |
| b |
7.5×122×4t |
10×132×4t |
| c |
7.5×122×4t |
10×132×4t |
| d |
図面参照 |
図面参照 |
| e |
10×94.5×4t |
10×110.5×4t |
| G |
f |
8.5×86×4t |
10×94×4t |
| g |
10×86×4t |
10×94×4t |
なおa,e,fは、組み立て後に側板や裏蓋がうまく取り付けられるよう最後に貼り付ければよい。また各部材は組み立てる前に内側になる部分を黒く塗っておく。
以上の部材を図7−4のように組み立てれば本体の完成である。
2−2.側板
側板の図面を以下に示す。厚さ4mmの板に細長い板h(寸法は表7−2)を貼るだけの簡単な物である。hは取っ手の役割を果たす物なので、寸法は別に図面通りでなくとも良い。あくまで参考にしていただきたい。反対側の面は内側になるので黒く塗っておく。

図7−12 側板の図面
2−3.裏蓋
裏蓋の図面を以下に示す。厚さ2.5mmの板の両面に細長い板i, j(寸法は表7−2)を貼った物である。暗箱の内側になる面はないので黒く塗る必要はない。なお板iは取っ手なので寸法は適当でよい。

図7−13 裏蓋の図面、iは裏面に貼る
表7−2 部品h, i, jの寸法
| 部品 |
(小) |
(大) |
| h |
10×86×4t |
10×94×4t |
| i |
10×86×4t |
10×94×4t |
| j |
10×86×4t |
10×94×4t |
2−4.シャッター
二種類のシャッターの図面を以下に示す。いずれも厚さ1mmのミューズボードで作る。ミューズボード同士の接着はデンプン糊を使い、本体への接着は両面テープかG17のようなゴム糊を使用する。
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| 図7−14 部材Aに付けるシャッター |
図7−15 部材Bに付けるシャッター |
本カメラには三つのピンホールがあるが、中でも最も個性的な写真を撮れるのが部材Bのピンホール(ピンホールA)である。(大)のカメラでピンホールAを使って撮影した例を下に示した。

写真7−4 ピンホールA(部材Bのピンホール)で撮影(カメラ(大), ゲッコーVR2, 露出時間3分)
概要・
図面と製作の実際