『狭山事件を推理する』HP復刻版 第20章 評決

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目次

第1章 事件

第2章 Yの相関

第3章 最終目撃者

第4章 通学路

第5章 車出いく

第6章 情報過剰性

第7章 脅迫状

第8章 脅迫状訂正

第9章 訪問者

第10章 叫び声

第11章 犯行時間

第12章 ロープ

第13章 荒縄とスコップ

第14章 所持品

第15章 Vの悲劇

第16章 前の門

第17章 脅迫状の作成

第18章 殺害・死体遺棄

第19章 黙劇者 

第20章 評決

 

 
新推理・狭山事件

 はじめに

1 殺害現場はどこか?

2 脅迫状の詩的表現技法
3 誕生祝いの最終食事
4 強姦か合意の性交か
5 単独犯か複数犯か
6 線状擦過傷の謎
7 虫害が示す犯行現場
8 背後からの腕締め
9 後頭部の傷は生前か死後か?
10 「合理的捜査」か「差別捜査」か?
11 「引っ掻き傷」の男
12 「佐野屋から30分」
13 「強姦・殺害」か「和姦・殺害」か?

  14 真犯人像への方法論  

 

 

 

 

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 hyousimidasi.jpg 第20章 評決

 

 机上での推理は以上で終わる。

 私の推理には、山川一雄を犯人とする裁判官達の推理にみられるような矛盾はない。

 ただし、矛盾のない推理とはいえ、これを事実とすることはできない。あくまで、1つの仮説、有力な仮説に止どまる。

 それに、私の手元にある資料のなかには犯人につながる名前は出てきていない。犯人は依然としてXのままである。

 ただし、手掛かりは残されている。それは、脅迫状に見られる特徴のある字である。慎重・細心な犯人だけに筆跡を偽っている可能性も大きいが、同一文字にあまり乱れが見られないことからみて、犯人の筆跡の特徴は残されている可能性が大きい。

 とくに、注目すべき字は、「様」と「時」の特徴のある崩し字である。とくに、「様」は手紙には必ず含まれる。年賀状の古いものが保存してあれば、発見出来る可能性がある。

 また、サンケイ新聞と東京新聞の記者がニュースソースとして取材していた刑事は、山川一雄犯人説ではなかった可能性がある。ことによると、その取材ノートには、Xの名前が出ているかもしれない。

  

 

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 無論、警察の全資料のなかにはXの名前が出ている可能性があり、上田家の家族も知っている可能性が大きい。

残された痕跡は少ないが、まだ生きているとすればXにとって安泰ということはないであろう。

 もっとも、Xの殺人の時効はすでに過ぎている。

私がこの事件を「Vの悲劇」と名付けるにいたったV人の犠牲者(善枝、登美恵、清志、西富源治、畑中登)は、真犯人Xが突き止められることを望んでいるとも思えない。

 むしろ、第6の犠牲者、山川一雄の菟罪が晴らされ、捜査・裁判の誤りが正され、この悲劇に幕が降ろされるべきであろう。V人の犠牲者のうち、2人は警察の誤った捜査の直接の犠牲者というべきであり、山川一雄はそれに連なるからである。

 そして、この「Vの悲劇」は、被差別部落に対する真犯人・警察の犯罪として、長く記憶に止どめられることになるであろう。

 

 

 

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