『狭山事件を推理する』と「新推理・狭山事件」で真犯人を解明
『狭山事件を推理する』を書いて以来、20数年の空白をへて、あらためて前著を見直してみると、追及不十分な点がいくつか目についきました。
この20数年の間に、多くの人達の文章に手を入れてきた経験から、脅迫状の作者の作文能力が見えてくるとともに、かつては避けてきた被害者の死体の鑑定書に向き合うことができるようになり、人生経験もいろいろと積みました。その結果、さらに真犯人に肉薄することができるようになったと思います。
前著『狭山事件を推理する』では想定した真犯人像(「19章 黙劇者」参照)を「登美恵、善枝と関係のあった、妻子もあり、社会的な地位もある中年男」としましたが、間違いでした。登美恵さんの名前をあげ、彼女の名誉を傷つけたことを反省しています。
登美恵さんの自殺は、犯人の「低いしわがれた声」とはほど遠い、高い声の石川さんの声を似ていると警察に供述したことと(それも、生の石川さんの声ではなく、テープにとった取調中の声を、スピードを変えると似ている、という消極的なものでしたが)、自白によって発見された両側に△形の突起のある特異な形状の腕時計(シチズンペット)を、妹・善枝のもの(シチズン・コニー:品触れで側番号とともに手配。両側はなだらかな膨らみ)と証言し、死刑判決に荷担したことからくる悩みからの可能性が高いと思います。
脅迫状分析と「死体の声」を聞いたことから、現在、私は真犯人は「善枝と関係のあった、詩作経験gがあり、社会的地位のある中年男」と考えています。『狭山事件を推理する』HP復刻版とあわせて、本ホームページの「新推理・狭山事件」を読み、総合的にご判断いただきたいと思います。
なお、この「中年男」とは、佐野屋に現れた犯人の音声から判断された「中年男」「30〜40歳くらい」(「10章 呼び声」参照)と考えており、一般的な中年(45〜64歳)とは異なることを、付け加えておきたいと思います。
2012年2月27日
甲斐仁志
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