地平線の彼方に 第1回 Part1

NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」ファンサイト
OVER THE HORIZON 〜ROAD TO REBIRTH〜

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更新日 2013-09-17 | 作成日 2008-09-30

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第1回 「日本を買い叩け!」 Part 1

*物語は蝉の鳴く真夏から始まる。
プールに浮かぶ1万円札を掬っておもちゃを買いあさる子ども達。そのプールに血を流して浮かび、救急搬送されていく男の姿にモノローグが被る。

「誰かが言った。人生の悲劇はふたつしかない。
 ひとつは金のない悲劇。そしてもうひとつは金のある悲劇。
 世の中は金だ。金が悲劇を生む」

*冒頭の子どものくだりはちょっと過剰かな。人が浮いているのに札掬いかよって。おもちゃ屋も普通に売るなって。と、リアリティには欠けるシーンだが、何がこれから起ころうとするのか興味を引く為にはインパクトがある。これは「金の話だよ」と言っているわけだ。まぁ、このあたりは朦朧とした鷲津の抱いた、バブルで金銭感覚がおかしくなった日本人の心象風景も混じっていると思っておこう。
*プールに浮いている顔が水中からのショットで写るのだが、万札が巧い具合に重なって顔がはっきりとは見えない。搬入されていく時に救急隊員らしき声で「鷲津政彦さん、36才、外資系企業の社長」と被り、次のシーンで鷲津はアメリカホライズンの代表クラリスに名を呼ばれているので、この男があんなになっちゃうの?という興味がわく。

*物語は9年前1998年に遡る。結局ドラマの最後は2005年で終わるので、ナレーションの9年前というのはおかしい気もするのだが、2007年という視聴者の時制に沿っているという事になる。そして、この時本当は鷲津の年齢は35才のはずなんだがね。

*アメリカの投資ファンド、ホライズン・インベストメント・ワークスに在籍している鷲津政彦は日本での活動を命じられ、ホライズン日本法人代表として5年ぶりに帰国する事となる。
*鷲津がヘリに乗って東京の街を見下ろすシーンがあるが、多分NYから成田に到着した後の都内への移動だろう。ちょっと派手な演出とも取れるがバブルの頃は当たり前の情景だった。横浜・成田・羽田あたりを結ぶヘリコプターの定期航路もあった。それくらい時間を買う人種がいたのだろう。横浜〜羽田が5〜6千円、羽田〜成田が1万5千円くらいだったか・・・。 一度乗ったことあるよ。いや、単にヘリフェチで乗りたいと乗りたいと叫んでいたら、上京した時に当時の連れがセッティングしてくれた。はは・・莫迦だね。10人乗りくらいだったと思うが(メカ系ヲタではないので機種とかは判らない)適当に席は埋まっていたと思う。実際はヘリって天候によって制限が強く欠航が多くて採算が取れず、バブルがはじけた頃には運行会社自体が消滅してしまっている。その後はそういう需要はあまりないのだろうが、もちろんホライズンは「Time is money」だから当然ヘリな訳だ。
*鷲津とアランをヘリポートで出迎えるのは中延とリン。スーツケースがひとつしかない荷物の感じからすると、アメリカからは鷲津ひとりで来て、先に来ていたアランが成田で出迎えたのかと思う。

*バブルの後遺症とも言える膨大な不良債権は銀行の経営を圧迫しており、その中で三葉銀行は不良債権のまとめ売り(バルクセール)を計画、その売り先に選ばれたのがホライズンだった。
*ホライズンのキックオフミーティングにて。
「目標はただひとつ。安く買って高く売る事。そして腐ったこの国を買い叩く!」
それまで台詞の少なかった鷲津の見せ場第一弾。ちょっとやり過ぎの感もあるけれど、考えてみればこの時若干29才だからねぇ。舐められたくないっていう、オーバーアクトかも。そのうえこの部分は演出上「買い叩く」が3回もリプレイされている。
*バルクセールの説明あたりの流れは本当に好きだ。由香が野中にバルクセールが実行される事を伝えるシーンから芝野の説明に繋がり、迫田の「どこが買ってくれるんだ?」に由香の「外資ファンドです」に切り替わる。そして「ハゲタカです」に繋がってホライズンのミーティングへ。この編集の見事さがこのドラマの醍醐味でもある。

*三葉本社屋を見上げる鷲津は緊張感いっぱい。やはりかつては勤めていた銀行。まだ5年しか経っていないから、当時雲の上の人だった役員連中も当然まだ残っている可能性が高い。そういう中に乗り込んでいくのだ。
*日本に到着した鷲津はすぐにバルクセールの担当者として芝野の調査報告を聞き、写真を見せられている。(本編にはないが、予告編ではこのシーンですでに芝野の名前が出ている)それに対し、三葉側は当日ホライズンのメンバーが商談に現れるまで、代表が日本人の鷲津である事さえ知らない。その詰めの甘さが、銀行のある意味呑気なお大尽商売というか、無責任経営がまだまだ抜けないのを象徴する。このあたり、アランが手土産持参だったりして外資のくせに日本的な礼儀を見せたかと思えば、資料開示にコピー機を搬入してまで2時間で済ませてしまう機動力を見せつけるホライズンとの対比が鮮やかだ。
*でも結局担当の芝野ではなく広報の沼田が世話をしてるのは何故だ?あのあっけにとられる芝居は佐戸井けん太がやらないともちろん駄目だろうけど。芝野は鷲津の資料をあわてて取りに行ったから代わりにやっていたんだろうと考えておく。
*「コテコテの日本人です」この表現、受け狙いとはいえ微妙だよ鷲津。なんとなく原作の大阪出身というプロフィールはドラマの鷲津には当てはまらないような気もするのだが、こういう台詞が平気で出てくるのはやはり大阪人?

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