
第6回 「新しきバイアウト」 Part 1
*ついに最終回。初回からの謎である、鷲津が誰に何故撃たれたのかが判っての結末編だ。予告を見たら鷲津は再起しているようなので一安心。初回には最後に死んじゃうのかなんて思っていたのが懐かしい。
*報道陣が集まって混乱中の病院に身内だと言って入り込む由香。すごすぎるが、まぁ、どう考えても本当の身内がいなさそうな鷲津だし、由香的には身内感覚なのかもね。緊急入院とか手術とかの場合ってどういう手続きになるのか判らないけれど、家族がいないで大丈夫なんだろうか。サインが必要な書類とかあるよね。一応報道陣が集まるくらいの著名人だから処置を断るような事はないだろうけれど。
*治の自殺を止めようとして誤って撃たれた鷲津は意識不明の重体。その騒ぎの中、ホライズンが暴落した大空電機の株を買い集めて経営権を握る事になる。ホライズン側から送り込まれた大賀が社長に就任。芝野はフェニックス計画推進部の本部長兼任役員として残る事になったが、実際は大量リストラの実行役でしかなかった。
*芝野が鷲津の事件を知って塚本の元へ行くが、塚本はもう大空の行方が暗澹たるものになってしまった事の方に気を取られている。
*警察で取り調べを受けている治は呆然としている。誰がどう通報したのかよく判らない。リポーターは殺人未遂の騒ぎと言っているが、鷲津と治に遺恨があるらしい事はテレビを通じて公になってしまっているし、鷲津の意識が戻るまではそういう扱いだったのだろう。
*ようやく鷲津が昏睡状態から醒めるところでメインタイトルが出るところがにくいと思う。
「ROAD TO REBIRTH」だもんね。
*意識が戻った鷲津を見舞う由香。鷲津は由香に「仕事はいいのか」と言うのだが、今までのですます調ではない。鷲津は由香が中延から事情を聞いているとは知らないから、本来ならいつもの他人行儀なというか慇懃無礼に近い言い方でもいいのだけれど、「信じています」と言われた事で由香は少しは気を許せる相手になったという事だろう。でもやっぱり目をそらしてるけどね。部屋に入ってくるところからずっと追って見ているのに、近くで目が合うとそらしてる。これは格好良くない所を見られている照れもあるかな。それにいきなり仕事のことを聞くというのも鷲津らしいといえばらしいか。仕事優先というかプライベートもない鷲津だし、由香もそういうタイプだと判っているから、個人的な見舞いなどで仕事を後回しにさせている方が罪悪感があるのかな。由香も察していて、取材の一環という言い方で安心させようとしている風だ。
*夢を見たと言いながら最後に「足の感覚がないんだ・・・」と、ぼそっとつぶやく鷲津。しかし、暗いところをとぼとぼ歩く鷲津を想像すると切ない。最初に目が覚めて足が動かないのを知った時のあわてふためき方からすると、本当に心細かったと思う。この時にはきっと医師から説明を受けたりしているだろうから落ち着いていたように見えるが、あのつぶやきは精一杯の不安のはけ口だったのではと思う。やっぱり他に身内はいないみたいだな。
*多分このあとに治への伝言が語られたのだろう。どういう成り行きでそうなったのかは判らないが、珍しくこのシーンは由香が質問しないので、鷲津も素直にしゃべったのかも。
*芝野はホライズンがフェニックス計画などを実行する気はなく、大幅なリストラと分社化を狙っている事で大賀やアランと意見を戦わせるが、結局意に沿う行動を取る。売却される端末事業部の牛島が「信義の問題だ」と訴えるが、芝野は「何が信義ですか」と声を荒げる。残すと言ったのは前経営陣だというのだ。ここはよく判らないよ。確かにホライズンが経営権を握り、そのホライズンから雇われている身になった芝野だが、そういう言い方をしていいものだろうか。元々は塚本に請われて大空に来たのだから、全く知らない振りはできないだろう。ちょっと芝野らしくないなぁと思ったシーンだ。
*2億という保釈金を払って釈放された治。由香と会って鷲津からの伝言を聞く。「俺とお前は同じだ。何もかもなくした」と。何もかもとはいえ、ここでは金銭的な物は考慮されていない。エンディングテーマの歌詞の如く富など問題にならないのだ。それぞれ健一の死、昭吾の死をきっかけに重荷を背負って生きる事になったふたり。選んだものが違ったが、敗北した治と身体の自由を奪われた鷲津はすべて失って同じ地点に立ったのだ。ただ、鷲津はまだ諦めない。治にも同じように諦めて欲しくないというメッセージだったのだと思う。それは放送でカットされた鷲津と治のシーンに鷲津が「私と君は違う」と言った事を訂正する意味もある。
*昭吾が集めようとした2億と治の保釈金の2億は違うという由香。具体的な説明は難しい気もするので説明に詰まって自分で考えろと言ったのか?いやいや、自分で考えて答えを出すというのが大事なんだと思う。実業と虚業、手に汗して積み重ねる金とそうでない金。もちろん正当に得たものなら違いはないはずだし、治はそう思っている。ただ、昭吾にとっての金がどちらだったかが判らなければ鷲津の気持ちを理解することは出来ない。
*鷲津を正式に解雇する為、アランがやってくる。とっくに辞めていると思っていたが、まだだったんだね。分厚い書類を渡していたから、その内容を制作するのに時間がかかっているうちに事故が起きてしまったのでこのタイミングになったということか。
*「君が事務的なのがせめてもの救いだよ」という鷲津だが、これも複雑だ。アランはデューデリも交渉もコンビで長年やっていたから残念には違いない。また逆に鷲津の暴走でTOB価格を釣り上げて無用な資金を使っているから恨み言も言いたいかもしれないし。鷲津としたら同情も含めて個人的な感情を向けられても、受け止められるような気持ちにはなれないという事か。
*リハビリする鷲津のもとに訪れる由香。やはり由香が落ち着いているシーンは座っていたり由香が見下ろす構図になる。鷲津の回復ぶりに感心する由香に「まだまだだ」という感じも、前の病室と同じようなトーン。その台詞には足の事以外も含まれている気がする。まだ自分の将来への不安が大きいのでは。
*芝野の窮状を訴える由香。そのあたりの鷲津の視線の向け方が微妙。芝野の名前が出たとたんに由香の方を見て、目が合うとそらすのだが、由香が自分の方を見ていないと少し顔を向けてじっと聞いている。その距離感が、由香の座り位置からしても判るような。三島製作所を救う道がまだ見つからないからだ。
*鷲津としたら何とか再起を図りたいという想いがある。「いろんな人がいる」という由香の言葉に周りを見渡せば、そこには大勢の人が再起しようとしているのだ。自分だけではないという気持ちが、再起への自信にも繋がっていくと思う。
*リハビリシーンは南朋さんの自然さに驚く。実際に訓練を受けているのを撮っているらしくて、演技ではないとまどいや真剣さが現れているように思う。他のリハビリを受けている人が俳優のようなのだが、比べると演技っぽく不自然に見えてしまう。
*それにしても鷲津のTシャツ姿が新鮮。

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