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「セーラー服と機関銃」

お馴染み赤川次郎原作。薬師丸ひろ子の映画版、原田知世のテレビ版に続く長澤まさみテレビ版だ。小市さんの役柄、刑事・黒木は主人公・星泉の父の事故死の捜査で登場する。泉に親身にしてくれるようでいて、実は悪徳刑事。黒幕の通称「太っちょ」と実行班の浜口組の連絡役を務め、実際の麻薬の取引にもしっかり関与しているのだが、長澤版は悪役が少なくなっている分黒木の悪役度があがっているようだ。
登場すぐから覆面パトのドアを柵にぶつけて「あっ」と言ってドアをさすっていたり、泉の住む部屋番号「8940」を「ヤクシマル」と読み、「泉星」と名前を逆さまに呼びつつも笑顔連発で、ボケキャラか?と思わせながら、黒木のカットエンドがスローモーションや妙な効果音や意味深なアングルで、もう最初から悪役バレバレな感じ。映画版の柄本明などの様な飄々とした感じをもう少し出してもよかったと思うのだけれど。ストーリー的にもう有名作品なので意外性は求められていないという事か。
それにしても黒木の悪っぷりは、あまりにブレがなくて潔いほどで惚れ惚れする。泉に協力させる為なら土下座もするし、そういうところは主人に忠実でなりふりかまわない。口調は基本的に丁寧語。「すいません」というのが口癖で、全編中10回近く言っていたと思う。特に笑顔で言う「すいません」のイントネーションがホントに申し訳なさそうな感じでとっても気に入ってる。まぁ、そのTPOには合ってない口調なんだけれどね。しかし銃の撃ち方は問答無用で情け容赦はない。ケンジを殺しそこね、浜口に「逃げられましたねぇ」と言う時も薄笑い。まるで挑発しているような気もするくらい。
その黒木を慌てさせることが出来るのが唯一部下の稲葉クン。正直者の天然系。実はそのおかげで結果的に泉は事件に巻き込まれてしまったのだが。その稲葉クンも黒木の裏の顔を知ってしまい射殺されてしまう。
黒幕の事務所に乗り込んだ目高組の面々の前に、浜口組の子分をずらりと従えて現れて銃を構える黒木。
黒木「お久しぶりです」
泉 「ずっと私たちを騙してたんですね」
黒木「すいません、仕事ですから」
これを言う間、ああ、もうずっと満面の笑みなのよ。(写真参照)だが、刑事よりヤクザの方が仕事なのか?
最終回。マシンガンを構える泉に向かって黒木が言う。
「あなた方が正義で私たちが悪だと仰りたいんでしょうが、それは違いますよ。無防備な人間に、そんな物騒な物を向けているあなただって悪でしょう?正義というのは悪があってこそ成り立つ物で、区別出来るものじゃない。警察の私が言うんですから間違いありません」
妙な論理なんだけれど、いい声してるからちょっと聞いちゃう。
だが「太っちょ」は武器は持ってなかったんだろうけれど、黒木、あんたは拳銃持ってるだろうに。でも、ここの黒木は少々腰が引けてるような立ち方なんだが、一番撃ち慣れているんだろうし、反撃をしようと考えながら、口で丸め込もうとする嫌な奴だ。画面的には逆光気味で薄笑いを浮かべているのが、すごく恰好いいと思うのだが、如何に。
泉たちを撃とうとして「太っちょ」に止められて、結局突入してきた警官隊に逮捕されそうになり、警察手帳を見せて逃れる。そのとたん、目の前の浜口を早く確保しろと命じて離れながらにんまりしているという、最後まで徹底的な悪役だった。だが、浜口を裏切った為に側近の蘭丸に刺されて落命する。刺される寸前は、ほっとしたのか全編中一番気楽そうな顔してたのになぁ。
最後に落とした警察手帳を誰かが踏んでいくカットで黒木は退場するわけだが、ちらりと見える手帳の証明写真が当然制服姿。いつも同じグレーのスーツばっかりだったんで、あの制服姿をもっとはっきり見たかったぞ。
とりあえず、この黒木が印象が強くて、「ハゲタカ」を見た時に「あっ黒木だ」と思ったのでありやんした。
で、かの有名な「本音で来たよ」の所の妙にウレシそうな顔が又黒木と被って、お気に入りキャラになったのよね。
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