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  賄賂で攻めるも 苦戦する中国企業
   2016年5月27日 日本に期待する地元経済界のトップリーダーたち  (グノシー)

  バングラデシュへも進出を図っている中国

 「一帯一路」構想を進める中国が、陸に囲まれた中国南西部からベンガル湾やインド洋への出口を確保すべく、南方への進出を図っている。“インドの裏庭”と言われるバングラデシュでも、近年は、中国がインドを差し置いて触手を伸ばし、影響力が拡大するようになった。
 中国の「真珠の首飾り戦略」(String of Pearls)は、香港から戦略的チョークポイントであるバブ・エル・マンデブ海峡、マラッカ海峡、ホルムズ海峡、ロンボク海峡などを通って、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、モルディブ、ソマリア、スーダンのポートスーダンまで延びる海上交通路戦略だ。今、中国は、この「真珠の首飾り戦略」でインド包囲網を構築しており、バングラデシュのチッタゴン港の他にも、パキスタンのグワダル港、スリランカのハンバントータ港、ミャンマーのダーウェイ港の整備に力を貸している。

 バングラデシュでは、2006年に、最大の輸入相手国がインドから中国に替わった。中国商務部によれば、その後、中国とバングラデシュの貿易額は2ケタ成長の伸びを示し、2014年の両国間の輸出入総額は125億4600万ドルに達した。同年の日本との輸出入総額は20億3700万ドルだから、その規模はざっと6倍だ。

 また、インフラ建設など中国からの直接投資も、日本をしのぐ。2014年、日本からバングラデシュへの投資は4140万ドルと前年よりも半減したが、中国からの直接投資は1億6000万ドルにまで伸びた。

  贈収賄 バングラデシュ人と中国人の共通点

 二国間の経済の結びつきを支えるのが、中国の民間企業のバングラデシュへの進出だ。特に、縫製企業の進出が目立つ。バングラデシュの中国系縫製業の中には、7000人の労働者を抱える大きな工場もある。縫製業以外にも、窯業、内装業、医療、養殖業、印刷業などの分野に中国資本が続々と入り込んでいる。
 近年の中国系企業の進出は、現地の日系企業にも影響を及ぼしている。三十数年前にバングラデシュに進出した日系工場の経営者は、「契約済みの土地を中国系企業に持っていかれた」と明かす。

 バングラデシュには、現在、8つの輸出加工区があるが、バングラデシュ国内で製品を販売する場合は、これらの加工区は使えず、それ以外の土地に工場を建設する必要がある。だが、バングラデシュの土地は洪水が起きやすく、安定して利用できる土地が少ない。そのため、条件のいい土地はすぐに争奪戦になってしまう。

中国とバングラデシュの首脳

 また、バングラデシュでは、ビジネス関連の法令が十分に整備されているとは言えず、行政の事務処理のスピードも遅い。そこで横行するのが「賄賂」である。バングラデシュでは、贈収賄という商習慣が深く根を下ろしている。
 そうなると、むしろ、縦横無尽に立ち回れるのが中国人である。「相手を贈賄漬けにする中国流の役人への対応は、日本人には逆立ちしてもできない」(上述経営者)。習近平政権が腐敗撲滅運動に力を入れていることから明らかなように、中国が筋金入りの“汚職国家”であることは言うまでもない。中国とバングラデシュは、ある意味、互いに組みやすい相手なのだ。

  中国語の教育にも熱心

 中国がバングラデシュに及ぼす影響は、経済分野だけにとどまらない。中国企業は、すでに1980年代からバングラデシュで事業展開している。「中国企業の進出が、当時のバングラデシュで女性の社会進出をもたらし、それまで外出すらできなかった女性を解放した」(上述の日系工場の経営者)という。

 また、2006年にダッカ市内のノースサウス大学内に開設された「孔子学院」が、目下、中国語人材の育成に力を入れている。孔子学院とは、主に中国語の学習機会を提供する中国政府系の教育機関だ。南アジアでは、初めてバングラデシュに設立された。
 バングラデシュの孔子学院は、これまでに1万人を超えるバングラデシュ人に中国語学習の機会を提供してきた。語学学習以外にも、頻繁に文化行事に参加させたり、中国に招いて交流に参加させるなど、積極的な活動を行っている。

 中国商務部は、進出企業に対し、「進出の際は、中国の文化を広めることを念頭に入れよ」と呼びかける。人的交流のみならずビジネス交流の場でも「中国の伝統文化を発揚せよ」とし、中華思想の普及に熱心だ。

  それでも 日本企業への期待は大きい

 だが、中国企業のビジネスがすべてうまくいっているとは限らない。5月初め、「新華日報」が、バングラデシュに進出した中国の衣料メーカーの奮闘記を掲載した。経営者は、2012年にバングラデシュへの進出を決意し、縫製工場を建設した。しかし、その後の4年間は赤字の垂れ流しだったという。
 記事は、その間の苦労を伝える。「営業許可書をもらうのに2年かかった。中国なら、たった2ヵ月で済む」「せっかく押さえた工場用地は、半年後に退去を求められた」――。

 当初、中国人経営者は、バングラデシュに住む華僑を工場長として採用した。だが、これが失敗だった。工場長は、ことあるごとに本社と対立し、最後は「華僑といえども、現地の者には任せられない」として工場長の座を外された。経営者は、中国から人材を派遣して、どうにかこうにか操業を維持したという顛末である。
 中国商務部が編纂するバングラデシュの投資指南書からも、バングラデシュにおけるビジネスの厳しさが伝わってくる。ページをめくると、「進出は慎重に」「十分な事前調査を」との呼びかけがある。中国商務部もバングラデシュへの進出や投資の難しさを認識しているのだ。

 「中国企業が、利益が見込めなくなった時点で契約を反故にし、途中で事業を投げ出してしまうという話もしょっちゅうある」(日本人経営者)という。中国企業が土木工事を破格で落札したものの、結局資金ショートで行き詰まり、工期が大幅に遅れてしまうことも少なくない。

 中国以上に「生き馬の目を抜く」バングラデシュでのビジネスだが、日本への期待は極めて大きい。日本企業が出遅れていることを歯がゆく思う地元経済界のトップリーダーたちは決して少なくことを、ぜひ知っておいていただきたい。

 この記事は、2016年5月27日、無料のニュースアプリ「グノシー」(Gunosy)に掲載された姫田小夏氏の「賄賂で攻めるも 苦戦する中国企業 日本に期待する地元経済界のトップリーダーたち」から転載しました。

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   バングラ北東部ショラキアで爆弾テロ
   2016年7月7日 朝日新聞  3人死亡 ラマダン明け

 バングラデシュ北東部のショラキアで、2016年7月7日朝、イスラム教のラマダン(断食月)明けの大規模な集団礼拝が行われていた会場付近で、武装した男らが爆弾を警官隊に投げつけ、銃撃戦となった。地元警察によると、警官2人と市民1人が死亡し、10人以上がけがをした。イスラム過激派によるテロとみられるが、犯行声明は確認されていない。

 同国では2016年7月1日、首都ダッカのレストランでイスラム過激派による襲撃テロが起き、日本人7人を含む人質20人が犠牲になったばかり。
 ショラキアでは例年、ラマダン明けの日にバングラデシュ最大規模の集団礼拝が行われる。この日も20万人以上が集まっていたといい、治安当局は警備態勢を強化。会場の周囲を封鎖して、入り口で参加者の身体検査をしていた。攻撃は封鎖線の外側で起き、7人ほどの男たちが襲撃してきたという。襲撃犯のうち1人が死亡、1人は警察に拘束されたという。

 地元紙デイリースターによると、現場で死亡した襲撃犯は、銃と刀を身につけていたという。ダッカで起きたレストランの襲撃テロでも、実行犯らは銃と刀で武装していた。

この記事のソース


襲撃テロが起きた現場付近

集団礼拝が行われていた会場


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