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ゆっくりと気配と足音を殺しながらの背後に忍び寄る影。 影がそろりとにむかって手を伸ばす。 しかし、後少しという所で後ろを振り向く。そして…… 「何やってるんですか沖田さん」 冷たい目線に、それに負けず劣らずの冷たい声。 沖田はに向けて伸ばした腕のやり場を考える事となった。 悲鳴をあなたへ 「ハァ・・・・」 縁側に座り、頬杖をつきながら溜め息を吐く見た目爽やかそうな青年。 ・・・・と、そんな青年を河童でも見たような顔で見つめる瞳孔開きぎみの青年。 ここ、真選組屯所では、こんな状態が軽く二時間は続いていた。 先程溜め息を吐いた見た目爽やかそうな青年は沖田総悟。 河童でも見たような顔になってる瞳孔の開いた兄ちゃんは土方十四朗。 「おう総悟、お前がため息たぁ珍しいじゃねぇーか?」 何とか平静を取り戻す土方。だが、まだ口元がひきつっているあたり、完璧には立ち直ってはいないらしい。 「俺だって思い悩むことぐれぇありまさぁ」 先程と同じく遠くを見ながら溜め息交じりに言う。 「・・・・・何やってんですかィ土方さん」 「イヤ・・・熱はねぇみたぇだな・・・」 「・・・・・自分の尺度で物を言っちゃいけやせんぜ。土方さんと違って俺ァデリケートにできてるんですぜィ」 「何だその俺が何も悩まずに鈍感に生きてるみてぇな言い方は」 「大丈夫でさァ。土方さんはそれに単純馬鹿もつきますぜ」 沈黙が流れる。 「喧嘩売ってんのかテメェ」 「馬鹿言っちゃいけねェーや。俺ァ喧嘩なんかより闇討ち派でさァ」 「・・・・ってなお悪ィじゃねぇかァァアアアアッ!!!」 一人叫ぶ土方。 沖田はそんな土方を無視して目の前を横切ろうとした茶色の物体を捕まえ、口元にニヤリとした笑みを浮かべた。 ところ変わって・・・・。 真選組専属の女中をやっている。今は洗濯物を女中仲間のと干していた。 「ねぇねぇ?」 「なぁーに」 「その後、どうなのよ?」 「どうってぇ?何が?」 がニヤニヤとした笑みを浮かべながらを問いただす。 問いただされているといえば、何食わぬ顔で平然としながら洗濯物を干していた。 何の面白みもない反応を返されたはといえば、何故か笑みを深くした。 「何って・・・。勿論沖田隊長とのことだよ!・・・もう告白したの?」 瞬間。さおに綺麗に干されていた洗濯物達は地面へと舞い落ちた。 突然がさおに頭をぶつけたせいだ。 「あーぁ・・・全部やり直しじゃない・・・・。がやってよ〜?」 「な・・な・・ななな・・何で私が沖田さんにこ・・・告白するのよ!?」 「・・・・・・・。顔真っ赤だよ?」 ぐっ・・・・と言葉につまる。の言ったとおり顔はユデダコ状態だった。 恥ずかしさをまぎらわすために落ちた洗濯物を一つ一つ拾い出す。 「大体ねぇ〜アンタはすぐ顔に出るんだから。もう女中仲間は皆の気持ち分かってるわよ〜?きっと」 「・・・・・・洗濯しなおすから。はそろそろ台所の手伝い行ったら?」 「・・・・・・・・」 黙々と落ちた洗濯物を拾うを見て、は軽く溜め息を吐いた。 まったく・・・この娘はどうしてこう妙なところで意地っ張りなんだろう・・・・。 どうやらスッカリ機嫌を損ねてしまった様子の。これ以上は話しかけてでも反応は期待できなそうだ。 「・・・・じゃ・・・・台所の手伝い行きますかぁ・・・・・」 そう言うとは台所の方へと歩いて行った。 が角を曲がり見えなくなったころ、は洗濯物を拾う手を止め、その場に洗濯物を抱き抱えるようにしてしゃがみこんだ。 「(そんなに私の気持ちってすぐ顔に出てるの・・・?)」 かなり深刻そうな面持ちで考え込む。 実際これはすると大問題だった。よく自分にチョッカイをかけてくる沖田。 あの鋭い沖田のこと、まさかに本人にまで気取られては・・・・。 そこまで考えてからは慌ててその考えを追い払うように頭を振った。それは絶対にありえない。 沖田の前で自分は変に緊張してしまい、いつも冷たい態度ばかりとっている。 それもまぁ・・・少し哀しくなることなのだが、自分の気持ちがバレるよりははるかにマシだ。 何度もチョッカイをかけてくるあたり、嫌われているというわけでもないようだし・・・・。 「よし!大丈夫だ!!」 そう言っては立ち上がり、そのままクルリと後ろを向いた。 「キャア!!?」 目の前には蛇のような顔をした茶色の物体。 思わず漏らしてしまった悲鳴。 しかし、その悲鳴は目の前に突き出されたトカゲに対するものではなく、トカゲをに突き出してきた張本人。 先程まで自分の思考をしめていた沖田に対する悲鳴だった。 「お・・・沖田・・・・さん・・・・?」 呆然とする。そのまま二人でお互いを凝視しあう。 ・・・・・沖田が手にトカゲを持ち、それをに突きつけているあたり、誰が見ても変に勘違いされることはまずなさそうだ。 「やっと聞けやした」 「・・・はい?」 突然何を言い出すのか。沖田はニヤリとした笑みを浮かべ、突き出していたトカゲを引っ込めた。 はといえば、沖田の言っていることがイマイチどころか全く理解できず、今だ呆然としたままだった。 「イヤァ・・・ずっと聞きてぇと思ってたんでさァ。の悲鳴」 「・・・・・・・は?」 思わず口をついて出たのはなんともマヌケな声だった。 「さんはいっくらイタズラしても冷たい反応しか返ってこねぇわ、悲鳴はねぇわで・・・。今日やっと聞けてすっきりしやした」 そう言って今度は晴れ晴れとした満足気な笑顔を見せる。 としてはどう反応すべきか・・・・。 「サド・・・・・?」 とりあえず思ったことを口にしておく。 としては、このままずっと呆然と反応を返せないのは何か沖田に負けたような気がして嫌だと思ったのだ。 トカゲを逃がしてやるためにしゃがんでいた沖田はの呟きにはた・・・と動きをとめた。 そして、ゆっくりと立ち上がったかと思うとの耳元へ自分の口をよせ、何事かをそっと囁いた。 沖田の行動に顔を真っ赤にしてその場にへたりこんでしまいそうになる。 だがそこはなんとかこらえ、かわりに沖田の頭をグーで殴った。 「い゛っ・・・!!何もグーで殴るこたァ・・・・」 「私をからかうのもいい加減にして下さい!!」 沖田に向かってそう叫ぶと、を洗濯物を抱えて洗い場へと走って行ってしまった。 頭にたんこぶをこさえた沖田だけを残して。 「別にさっきのァからかったわけじゃねぇーんですけどねィ?」 少し苦笑まじりに笑いながら沖田は呟いた。 ・・・・・頭のたんこぶのお陰でいま一つ格好がつかなかったのは・・・・伏せておこう・・・・・。 『あんまりの悲鳴が気になって・・・頭からのことが離れなくなっちまいやした』 初々しいある日の出来事でした。 End +あとがき+ あ、甘い・・・かな?; 沖田さんが囁いた言葉はドラッグすれば見れます(´∀`;) にしても・・・久々に小説書いたもんだから文章がオカシイオカシイ。 土方さんとの会話なんかも全くかけません;; ここまで読んで頂き、有難う御座いました^^ 紅牡丹 |