選挙制度改革 誠司の提案
  衆議院議員、知事・市町村長選挙について


【はじめに】

 選挙制度改革については、国会などでも議論しているようである。
しかし、新聞などで聞こえて来る改革は、現状の1有権者が立候補
者の中から1人を選ぶ方式から離れていないようである。
  (実際は議論しているようだが)
 一方、専門家が提案する、選挙制度は「ゲームの理論」よる数学
的なもので、非常にわかり難い。私は、現在すでに汎用的になった
技術を使い、かつ、判りやすい制度を提案したい。



【目次】

 電子投票は無駄である
 ITという言葉が普及する前からすばらしい技術がある
 知事や市町村長の選挙は決戦投票方式が良いが
 提 案 
 私の提案方式のメリット
    


【電子投票は無駄である】


 電子投票を「ワンタッチ投票」とネーミングした国会議員が
いました。ネーミングとしては、非常に良いと思います。しか
し、電子投票こそがIT技術を活用した選挙改革の目玉と思って
いるか、または、電子投票を使うことを前提にしているような
感じである。つまり、電子投票を採用する理由が判らない。

 確かに、投票から結果確認までの時間は短縮されるが現在で
も数時間で結果が判明しており、これを短縮しても多少人件費
が安くなるだけで、システム導入の費用対効果が怪しい。

 また、選挙日の夜は各テレビ放送局は報道特集を組んでおり、
国民が政治に接する重要な機会である。これが瞬時に結果が判
明すると、政治関心度が下がる可能性もある。

 さらに、だれも目に見る事ができない仕組みでは投票に不信
感がつのるだけで良い点などない。

 電子投票推進派の方は、電子投票でしか出来ない方法を採用
するために、先に普及を図っているのかもしなれい。そうであ
れば、まず、その案を国民に提示するべきである。そうすれば、
本当に電子投票でなければならないか、他の方法はないかが議
論できる。




【ITという言葉が普及する前からすばらしい技術がある】


 郵便番号は、それが採用された時からコンピュータによる
自動認識を採用しており、さらに、郵便物の自動振分けを行
っている。これを利用することで、電子投票でなくても選挙
制度改革は可能である。



【知事や市町村長の選挙は決戦投票方式が良いが】


 現在の知事選などは、複数の政党が選挙協力として特定の
1人を共同で推薦している。これが政治を判りにくくしてい
る。しかし、もし、複数の人が立候補すると考えの近い候補
者同士が票を分合って共倒れとなり、得票の低い人が当選す
る可能性が高い。
 これを防ぐために、オリンピック候補地の選出方法に用い
られている方法(多段階・単記一決選投票方式)もある。これ
は、5人の立候補者があったとしたら、有権者は一人の立候
補者に投票して集計し、一番少なかった立候補者を落選とす
る。同じ方法を残った4人の立候補者で行う。これを複数会
繰り返し最終的に2人で選挙し1人に決定する方法である。

 しかし、この方式の問題点は、専門的に指摘されている。
ここでは、私が直感的に感じた問題点を記す。

 ・複数回選挙が必要なため、お金と時間が掛かる
 ・前の結果を見て投票先を変える人がいるため予想外の
  結果となる。
  (これは、オリンピック開催国選出でしばしば起る)
 ・判官贔屓(はんがんびいき)の投票を誘発する危険がある。



【提案】


ここまで読んで気が付いた方もいると思いますが、私の提案は
「ヘア方式」に近い。また、すでに実行している国もあるかも
しれない。しかし、「ヘア方式」ではネーミングが悪いので我
流で「投票一回・最下位抜け・再選挙方式」 略して
「一回・最下位・再選方式」とでも呼ぶことにする※2。
それは、次のように行う。

(1)投票用紙に立候補者全ての名前を予め印刷する。

(2)投票は、投票者は好ましい人から3名の順番をつけ
 それぞれの氏名の指定欄に順番1,2,3を記入する。
 なぜ、3番までかというと、立候補者数が多い場合
 全員に番号をつけるのは困難であるためである。

(3)この票を郵便番号認識技術を使って振分しカウントする。

(4)最上位に位置付けた投票者の数が法定得票数に
  達していない立候補者を落選とし、さらに、
  これらの候補者の供託金は没収する。
  理由1)売名行為などを目的とした候補者の乱立を防ぐ
  理由2)最上位に位置付けた投票者の数があまりに少な
   いのに当選するのは不自然と考えるから。
   法定得票数は 有効投票数÷(立候補者数×2)
   つまり5人が立候補した場合で10%
   4人が立候補した場合で12.5%位が妥当だと思う。

(5)落選となった候補者に投票した票について
  投票者が2番目に選好する候補者に分配する。
  もし、2番目に選好する候補者も落選となった場合は
  3番目に選好する候補者に分配する。
  選好順位1,2,3すべての候補者が落選した場合は、
  たれにも配分しない。

(6)一番得票数の少なかった候補者を落選として
  再び(5)から開票作業をする。


少し判りにくいので次の例で説明する。

候補者がA,B,C,Dの4名
投票者がP,Q,R,S,T.U,V,W,X,Y,Zの11人いたとする。
それぞれの投票結果は下記のとおり。

 P氏の選好順序 ABC
 Q氏の選好順序 ACB
 R氏の選好順序 ADC
 S氏の選好順序 AAC
 T氏の選好順序 BCD
 U氏の選好順序 BAC
 V氏の選好順序 CAB
 W氏の選好順序 CAB
 X氏の選好順序 CBA
 Y氏の選好順序 CBD
 Z氏の選好順序 DBA


最上位に位置付けた投票者の数は

 A立候補者 4票
 B立候補者 2票
 C立候補者 4票
 D立候補者 1票

法定得票数は 11÷(4×2)=1.375
したがって、D立候補者は落選とし供託金を没収する。

この結果D立候補者を最上位に位置付けたのZ氏の投票は
B立候補者に分配されるので

 A立候補者 4票
 B立候補者 3票
 C立候補者 4票


この結果B立候補者は落選とする。
(B立候補者の供託金は B立候補者に返還する)

B立候補者に配分された票の内

 T氏の投票はC立候補者に
 U氏の投票はA立候補者に
 Z氏の投票はA立候補者に

配分されるので

 A立候補者 6票
 C立候補者 5票


となり、A氏の当選となる。

つまり、投票一回で、最下位の候補者が抜けたとして
再選挙を模擬的に繰り返すことで当選者を1人に決める
方式なので
「投票一回・最下位抜け・再選挙方式」 と勝手に命名した※2。



【私の提案方式のメリット】


・各政党は共倒れを気にせずに候補者を立てれ政党独自色を出せる
・多くの候補者がいる、つまり選択肢があるので、有権者が政治に関心を持つ
・比較的判りやすく、結果に対し有権者の納得を得られやすい
・投票者の選好順傾向から民意を分析できる
・確認など時間が掛かる※1。そのため、結果判明まで報道特集が組め
 その結果、有権者の政治関心が高まる。


--------------------------------------------------------------------
※1 確認など時間が掛かる理由(2006/1/29追記)
 電子投票と違い現在と同じ紙による投票であり、振分けに機械を使用する
 だけである。そのため、2か3かの判断など実際の確認は、人手に頼るこ
 とになるので時間が掛かると考える。

--------------------------------------------------------------------
※2 (2006/2/11追記)
 この方式は「優先順位付連記投票制」と呼ばれオーストラリア下院選挙で
採用されているらしい。

 この方式の欠点の1つに、落選覚悟で立候補したA候補者が
  「自分の次にB候補者を書くように」
選挙運動を行い、B候補者を当選に導くことが上げられている。だが、
これも選挙協力の一つだと考えればこの方式だけの欠点とは言えないと
思う。しかし、暗示に掛かったようにA候補者の次にB候補者を記入する
有権者がいないとも限らない。そこで、有権者自身で順位付けできるで
あろう 1,2,3番までとすることである程度防げると思う。

 さらに、このような危険をはらむことを有権者に周知し、策略に乗ら
ないようにすることが重要である。

--------------------------------------------------------------------

※3 (2009/5/1追記 2009/7/18修正 2009/7/25正しい用語「並立制」に訂正)
 政権選択の性格が強い衆議院選挙は、
 小選挙区委譲式が良いとの結論になった。
 つまり、1人区にすれば、ここで述べた方式がそのまま使える。
 しかし、1政党だけが突出した 選挙結果となる可能性が高いので
 大選挙区単記委譲式との並立制が好ましいと思う。


--------------------------------------------------------------------

※4 (2009/9/5追記)
 衆議院選挙の大選挙区は定員が5名から10名程度である
理由)
  ・定員が多すぎると個人を選べない
  ・しかし、定員10名でも個人を選択し難くなるので
   投票用紙には、各政党毎に政党が付与した優先順に氏名を印刷する工夫を行う
  ・少数意見の反映は、議席ではなく、
   意見広告/論文/取材/陳情などの方法で行うのが良い

 衆議院選挙の議席数について、小選挙区と大選挙区で半々にする

 衆議院選挙で小選挙区を残す理由
 ・軸となる大議席を獲得した政党がないと政局が安定しない。
  政局が安定しないと良い政策が実行できない。
  つまり、「船頭多くして、船、山に登る」事態になりかねない。
 ・小選挙区は選挙に必要な金が少なくてすむ。
  これは、政党の公認が得られない候補者が当選できる可能性を増やす。
 ・参議院と事なり政党色を明確にする。


--------------------------------------------------------------------


今回の提案には、下記のURLを参考にさせて頂きました。
ありがとうございました。

世界の片隅から・・・。社会選択のハナシ
コメントも頂きました。


一橋大学社会学部学士論文
http://members.jcom.home.ne.jp/tekato/05nakazawa.htm



ご意見はゲストブックへお願いします ゲストブックは非公開です。

誠司のホームページへ戻る