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H21.2.21
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ハゲ野郎は、道楽フォトダービーとやらに出場する為、僕と友達のシニカケ君を購入した
その日以来、ハゲ野郎はストロングスタイルだか何だか知らないが、いつもシニカケ君と仲良くラインに結ばれている
ハゲ野郎の釣りは静寂と喧騒、そして、繊細かつ大胆・・・感情の起伏が激しい
いつも奥の奥まで入れたがるキャストのせいで、木に当たりながらも更に奥へ
草木をくぐりながらも更に奥へ
岩肌、岩盤おかまいなし ドン際に落としてナンボと思っている
ブッシュジャングリラの僅かな隙間や、懐の深いオーバーハングに狙いを定めた時は祈るしかない
ハゲ野郎は、自分のミスキャストを僕のせいにする・・・
キャストが決まらない時が連発しようもんなら、おもいっきり・・・水面に叩きつけられたりする・・・
僕には兄さんがいたんだ・・・
去年8月に、少量で発売されたんだ
兄さんは、ある意味幸せだったと思う
お魚さんに切られて、ハゲ野郎から解放されたのだから・・・
さぁ ルアー虐待物語の始まりだ!
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今日は風が強い
浮き輪なので、ボートに比べればポジションも近いので、多少の安心感はあるのだが・・・
ハゲ野郎は、メインの風の当たりの強い場所を避け、風裏のワンド内に侵入した
ポチャーン・・・届いてない?・・・きっと僕の20センチ後ろの石の窪みに入れたかったのだろう・・・
ポチャーン・・・?・・・後10センチでドン際なんだけど?・・・納得してないのか?
ポチャーン・・・岸から15センチ離れてる?・・・エッ!?・・・アクションしないの?・・アッ!?・・・息もできない程の回収
親「オメェ、コラッ・・・大概にさらしとけよ・・・」
僕が悪いのかい? そんなの絶対おかしいよぉ・・・
ヒユュュュ〜
ガツッ!・・・痛っ・・・始まった・・・ハゲ野郎は僕を岩肌にぶつけ出した・・・
ガチャガチャ ガチャガチャ・・・岩の切れ目に挟まって動けないよ・・・頼む!何とか取れてくれ(汗)
ガチャガチャガチャ ガツッ!!・・・完全に挟まった・・・何故だろう・・・汗が止まらないよ(大汗)
ハゲ野郎は、おもいっきり竿を動かし引っ張り倒す
足ヒレを漕いで、近寄って来る事はしない
いわゆる・・・奴が言う・・・ゴリゴリのゴンゴンてやつだ
竿を一直線に、リールをひたすら巻きながら超引っ張り力で浮き輪ごと近寄って来る
そう・・・鬼の形相で・・・
親「ええ加減にさらしとけよコラァ」
キャストすると思いきや、おもいっきり水面に叩きつけられ 一瞬脳しんとう・・・
すぐさま間髪入れずのド・ライナーキャストで岩肌にブチ当たり・・・そして跳ね返り、石に頭を強打した僕は意識を失った
どれ位、意識不明だったのかは憶えていない
少しずつ戻りかけた意識の中で・・・?
強烈な異臭が、僕の意識を完全に取り戻した!?
臭過ぎる・・・一瞬で悟った・・・この臭い・・・ハゲ野郎のヨダレ
頻繁にラインチェックするハゲ野郎は、傷付いた部分を切り、結び直す
そして締め込む際に・・・潤滑油?・・ヨダレが?・・急速酸化の凄まじい臭い・・・
ややラリリ気味ではあるが、完全に意識は戻った
何だ!? ハゲ野郎の猛烈な殺気を感じる!!
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何?
何で投げないの?
見てるだけ?
ヒュュュ〜 バサッ!!
ハングに捕まったよ・・・息を飲む
カサカサカサ
何だ!?このソフトな扱い?
カサカサ ポチャン スーーーー
一級ポイントと思い込んでるんだね?
静か過ぎるよ
親「お前殺すぞ!ちゃんと入れ!」
だから、何で小声なん?
見てる見てる 見てるよ・・・
無駄打ちはしないつもりなんだね?
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ヒユュュ〜 ポチャカチンッ!
痛っ・・・ちょっとお尻をぶつけたけど・・・
うっ!?
いるよ・・・お魚さんが、こっち見てるよ(汗)
じっと見てるよ
まだ、動かさないのか?
モゾッ モゾッ ヒラヒラ(水中)
ハンドル1/6回転の45度角・・・モジモジの首振り・・・見てるよ〜見てるよ〜
モゾッ ヒラヒラ
来る!?僕は目をつぶった
モワァ!!
つっついただけだ・・・心臓がバクバクしてるよ(大汗)
親「・・・もうたのぅ」
まだ見てるよ!!急速ハンドル1回転だよ!!早く!!
ジュボカチン!
グボッ!!
お魚さんと一緒に、水の中だ
大きいお魚さんだよ
兄さん?・・・どうやったらハゲ野郎から逃げる事が出来るんだい・・・
息が苦しいよ・・・でも・・・僕は、ずっと前から覚悟はできてるよ
水の中へお魚さんに連れて行ってもらって・・・これこそが・・・安楽死じゃないのかな・・・
ウッ!?
ハゲ野郎の手が伸びてきた!!
親「アホんだらぁ〜 見たか!握力MAXランディング〜」
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親「あるかなぁ〜・・微妙やのぅ」
水の中で・・・色々考えてはみたものの・・・
やはり・・・なかなかお魚さんに連れて行ってもらえるなんて事は、滅多に無く・・・
ブツブツ ブツブツ 独り言を言いながら、何回も計っているハゲ野郎が目の前にいる
これが・・・現実です
親「・・・あるわ・・・あるある・・・待てよ・・・もっぺん計るか・・・ある・・・あるわ」
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ラインを切る?
僕はBOXに戻された
はぁぁぁぁ〜 大きなため息が出た
同居人のみんなが、痛々しそうに僕を見る
キーボー君、次は僕の番だ
シニカケ君は、力強い眼差しで僕を見つめ・・・ハゲ野郎に連れて行かれた
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BOXの中から耳を澄ますと?・・・何やら一人言を言ってるようだ・・・
親「お〜さむっ・・・何じゃこりゃホンマにぃぃ・・・穴空いとるやんけ・・・」
バカ長靴に穴が空いてるみたいだ!
親「お〜さむ〜・・・うぅぅぅぅ〜・・・」
ざまあみろ!だ
BOXのみんなもクスクス笑ってる
淀川君だけ?・・・笑ってないぞ!?
淀川君?どうしたんだい?
川にハマっても、そのままズブ濡れで釣りを続ける奴が・・・たかだか右足だけの水の侵入で・・このまま帰るとは思えない
BOXの中から笑い声は消えた・・・
季節は夏だったのかい?
いつだったかの・・11月の終わりだったよ・・
親「こらぁホンマにぃぃ・・・アホんだらがぁ・・・」
シニカケ君が、戻って来た
BOX内のみんなの、高鳴る鼓動が響いていた
おかしい?
誰も連れていかれない?
漕ぐスピードが速くなっている・・・
やめるのか?・・・
シニカケ君も、1バイト取ったらしいが、水中には引きずり込まれなかったようだ・・・
そして・・・リアペラを折られ・・・BOXに返って来たみたいだ・・・
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親「あかん・・・やめや・・・帰ろ・・・」
みんなは顔を見合わせた!
珍しい!
だけども、僕等にとっては喜び極まりない!
僕の名前は KEY-BOW
イカれたハゲ野郎のタックルボックスに住んでいる
お魚さんを連れて来ても・・・いつも小さいだのブツブツ言われ
お魚さんが外れた時は、罵声を浴びせられ、水面に叩きつけられ
ハゲ野郎の所へ来てから1ヵ月でフロントヒートンは折られ
リップとラインの干渉防止で、変な針金を付けられ
ブレードのスイベルのリングがフックにやたら入りこむとか何とかで
お尻にドリルを突き刺され、体をエグられ、カップリグを詰め込まれ
今日まで僕が連れて来たお魚は24匹
ハゲ野郎の傍で働く位なら、ラインブレイクされ、お魚さんに持っていかれたい
そして、自然の中で朽ち果てていくのも悪くないかも・・・
ふぅ・・
恐ろしい道楽フォトダービーが終わる迄は、引退はさせてもらえないようだ・・・
また・・・鉄板のサビたベットで・・・出番を待つとしよう
誰か・・・僕がナチュレになってしまう前に・・・助けて下さい・・・
つづく・・・ のか?
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