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詩音は悟史が居なくなってから、よく沙都子の面倒を見ていると思う。
「はい沙都子、こっちの煮付けも自信作なんですよ〜」 目の前のバカ姉を詩音だと認めたくなかった、いろいろな意味で。 「流石に沙都子もいい年なんだからさ、ご飯ぐらい自分で食べられると思うんだけどねぇ・・・」 「何言ってるんですかお姉、沙都子が出来ないからやってるんじゃなくて、私がやりたいからやってるんです。」 さっき口に入れられたかぼちゃの煮つけを何とかして飲み込んで、目を白黒させている沙都子の頭をなでてるし。 「はい、次はコッチのをいってみましょうね〜」 沙都子はもう諦めたのか、されるがままの雛鳥状態だ。 「おい待て魅音!?お前も手伝いやがれ!」 「圭ちゃん、任せた」 背後で「はぅ〜!」だの「うぎゃぁー!?」だの聞こえるけど気にしないことにする。 「ちょい詩音、騒がしいから廊下でて。」 詩音は露骨に嫌な顔をした後で、沙都子に弁当を残さないように言って廊下にやってきた。 「いったいなんですかお姉。もうちょっとでかぼちゃ新記録だったのに」 割と不機嫌な声で応対される。予想外だ。 「いや、詩音さ・・・マジでやってる?沙都子への嫌がらせじゃなくて?」 「からかうことはあっても嫌がらせる理由がないです。お姉こそ嫌がらせとの区別、つかなくなっちゃいました?」 ・・・どうやら全開でマジのようだった。 「・・・お姉、後一回なんです。」 ふざけた様子も、さっきまでの不機嫌も。 「沙都子を頼むって、悟史くんが戻ってこれなかったら、それが最後のお願いになっちゃうんです。」 沙都子の世話を焼いていたのは、そんな約束があったからだなんて・・・私は知らなかった。 「・・・それに、沙都子と二人で待ってれば・・・帰ってくるような気もしますからね」 くすりと詩音は微笑い、「沙都子、お弁当残そうとしちゃダメです」と笑いながらまた教室に戻っていった。 詩音は詩音なりに、悟史との約束を果たそうと必死で。 ・・・そう思うと、沙都子の「かぼちゃはもう勘弁ですわ〜!?」という悲鳴も、いつもの部活のバカ騒ぎみたいに聞こえてくる。
「はぅ〜!?お・・・おおおおおお、おっもちかえりぃ☆」 ・・・コッチは止めておかなきゃいけないけど・・・
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