lost“you

 

悟史君が居ない。
心が壊れて、散らばったかけらを集めることも出来ない。
何もかもが空虚で、目に映る全てが空っぽ。
そんな毎日が苦しくて、痛くて、辛くて。
いっそ誰かを責める事が出来たならいいのに。
怒ることさえ出来ない。
憎むことも出来ない。

出来るのはこうやって、思い出しては泣く事だけ。

そして自分の無力さが辛くて、また泣く。

それだけを繰り返して、繰り返して、繰り返して。
涙が流れなくなったときに、私は歌を聞いた。

荘厳、とも言うべき旋律に乗せて歌詞がこちらに届いてくる。


“貴方は今、どこで何をしていますか?”

“この空の続く場所に居ますか?”

 

かれたと思っていた涙が、また溢れてきた。

悟史君・・・どこで何をしてるんですか・・・
沙都子と私をおいて、どこに行ってしまったんですか・・・
同じ空の下に居るんですか?教えてください・・・

こんなに貴方が心の中で大きくなってしまったのに、気付いたときには居ないなんて・・・
失ってから気付きたくなんてなかったです・・・
こんなにも、貴方が笑顔をくれていたなんて。

どんなに必死に足掻いても、もう戻ってこない時間、人、気持ち。
手が届かない絶望と、大切な人を失った孤独が胸を締め付けてくる。
痛くて耐えられないよ、悟史君・・・

思い出の中の貴方の笑顔が、今は私の支え。
それだけが、私を生かす全て。


“いつものように笑顔で居てくれますか?”

“今はただ、それを願い続ける”


ずっと、永遠に貴方を待ち続けることは出来ないかもしれない。
寂しくて、悲しくて、辛くて」、潰れてしまうかもしれない。
・・・でも、今は。
擦り切れそうだった貴方が、いつもの笑顔を取り戻してくれることを祈ってる。
あの優しい笑顔で、私に笑いかけてくれる日を信じて。
願い、祈り、待ち続ける。


もう沙都子を苛めるおばさんは居ない。
今度は悟史君が思いつめないように、私だって必死に頑張ってみせる。
沙都子だって、悟史君のために頑張れる。

今度はきっと大丈夫だから。
悟史君が隣で笑っていてられるように、頑張るから。
もう一度あの頃のように、戻りたい。
あの笑顔をもう一度、見ていたい。

今はただ、それを願い続ける・・・