寝顔にkiss you

 

「しかし、すみませんねぇ園崎さん」

「いいえ、これもマネージャーの務めですから」

今日は雛見沢ファイターズの練習日。
何気なく予定が空いてたから来て見たものの、グッドタイミングなのかバットタイミングなのか・・・。
マネージャーとして冷やかしに来た私と、それに気付いてこちらに駆け寄ってきた悟史君。
丁度運悪く監督が打った失敗ノックが飛んできて・・・

「しかしまぁ、膝枕とは我ながらベタですねぇ」

悟史君の後頭部に直撃して、現在に至る。
木陰で膝枕、というのも王道通り越してベヤすぎだ。きっとお姉が見たら大爆笑した後にうらやましがるに違いない。

「それにしても悟史君ってば・・・睫毛も長いし、髪もふわふわですね・・・」

黙って寝てれば女の子に見えないこともない。
中性的というよりは確実に女顔と断言できる。

「ほっぺたもむにむにですし・・・絶対女装したら似合いますね」

きっとそういう罰ゲームを引いても「むぅ・・・」と唸るんだろうな、と思うと、自然に笑みがこぼれる。
微笑ましい、というのが一番適切な気がする感情だ。

「むぅ・・・詩、音・・・」

「は、ふぁい!?・・・って寝言ですか・・・」

一瞬、今の緩んだ顔を見られたかと本気でドキッとした。

「それにしても・・・夢に私が出てるんですか〜?えいえい」

むにむにと頬を突っつくと、「むぅ・・・」と反応する。
面白くてまた、むにむにと繰り返す。

「・・・詩音・・・」

突っついていた手が不意に握られる。

「あ、流石に起きちゃいました?」

焦っているのを気取られないように、軽くおどけて誤魔化してみる。

「詩音・・・・・・むぅ・・・」

「・・・・・・えっと、まだ寝てるんですか」

完全に夢の中。熟睡。
そのくせ手だけはしっかり握ってるんだから驚きだ。

「・・・一瞬ドキッとしましたよ、このこの」

またほっぺたをむにむにと突っついてやる。
本当にドキッとしたんだから、このくらい可愛い復讐だ。

「全く・・・夢の中で私の手でも握ってるんですか、悟史君ってば」

苦笑いしたものの、本当にぎゅっと握られて離れない手を見て、ちょっとだけ嬉しくなる。
私の膝上の、安心しきった寝顔が愛おしい。

「脅かされた分のお返しはしましたから・・・そうですね、これは初めて手を握ってくれたお礼になりますね。」

言い訳じみたことを誰に聞かせるでもなく呟いて、そのまま顔を悟史君に近づける。
ふわふわした前髪を少しのけて、その額に軽く唇で触れる。

「・・・くす。きっと気付きませんよね・・・悟史君は」

 

その日は色気を出して色付きのリップを塗っていたとか

悟史君がチームメイトからそれを見つけられて密会疑惑が出たとか


そんなことはまた違うお話で