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役に立つ!? 非常識 葬儀概論 創刊号
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創刊特別企画
「ようこそ、葬儀業界へ」
みなさんは葬儀業界についてどのようなイメージを持っていますか?
暗いとか、キツイとか、気持悪いとか、怖いとか。
死や霊に関わる仕事ですから、敬遠したくなる方も多いのではないでしょうか。
大昔は死人を運んだりするのは裏家業で、ヤクザっぽい業界だったようです。
時代劇などを見ていると、荷方の人たちは刺青をした人相の悪そうな人がキャスティングされてますよね。
現代の葬儀業界でも、古くからのいわゆる葬儀社ではない「葬儀屋」という人たちの中には、明らかに裏っぽい人たちもいます。
かと思えば、他業界から転身してきたビジネスマンっぽい人も増えていて、いわく「ごった煮」状態で激動の時代を迎えている、というのが現代葬儀業界です。
くらい、キツイ、汚い、気持悪い、怖い、厳しい、敬遠される、、、、
もう何Kになるのかわからないくらい「K」がたくさんつく商売ですが、実はここにこそこの業界の知られざるメカニズムがあるのです。
人々から忌み嫌われ、敬遠されるこの業界は、サービス業でありながらなかなか人々が関心を寄せない。だからいつまで経っても業界が標準化しないんですよね。
それぞれの葬儀社によって、価格もサービスもバラバラ。
「どのくらいサービスにどのくらいの価格を設定するのが標準的」という基準がほとんど認知されていないですから、実はものすごく高い価格で設定されているとしても、客はそれに気付かない。
それに加えて、人は必ず死にますから、枯れることのない油田があるのと同じです。
団塊の世代と呼ばれる人たちも高齢者の仲間入りをする年齢になってきました。これから葬儀業界はどんどん大きくなっていきます。
これから高齢化社会がますます深刻になっていきますが、高齢者が増えば増えるほど、葬儀業界は成長産業として注目されるべきなのです。
伸びる産業なのに人々が敬遠する。
サービス業なのに情報が流れない。
つまり、とてもオイシイ業界なのです。
サラリーマンとして葬儀業界に入ってきた人たちは、今、競うようにして独立しています。
小さな葬儀社がボコボコできています。
A葬儀社から独立したBさんが経営しているB葬儀社から、Cさんが独立してC葬儀社を立ち上げた、という話もあります。
実際にABC各葬儀社は、同じ町内に並んで事務所を構えているんですよ。
さて、いくらおいしくても、葬儀なんてつまんないと思う方もいらっしゃるでしょう。
人の生死にかかわる仕事ですから、面白くないはずないと思いませんか?
死んでからその人の一生が初めて定まるのです。そして葬儀は人生の最後を飾るものです。
大切な人の死は受け入れ難い悲痛であり、有史以来の伝統と宗教という精神世界が組み合わさった葬儀により、人々の気持が発露され、変容していきます。
溢れんばかりの愛と誠の関係性に鳥肌が立つ感動を味わい、死者そっちのけで繰り広げられる親族同士の骨肉の争いを横目で覗き見る。
渦巻く人間ドラマが、そこにあります。
そしてそのドラマを司るのが葬儀社なのです。
偉い人もそうでない人も、長生きした人も短命だった人も、社長さんも芸能人もプロ野球選手もお相撲さんも、お坊さんも葬儀屋さんもお医者さんも、お父さんもお母さんも、みんな一度は死ぬのです。中には自ら死んでいく人もいます。
様々な業界のお客と接し、またどのお客にとっても、葬儀はとても重要なのです。
そのために少々無茶な注文を受けることもありますが、そういう期待に応えたときの満足感は計り知れない。
しかも、大抵の人は大切な人の最後の儀式を失敗だなんて思いたくないから、納得しようとしてくれるので、余程でなければクレームがつくことはありません。
だからといって手を抜いたりするのは人間性を疑いますが、一生懸命やってれば必ず結果がついて来てくれる仕事と言えるでしょう。
給料に反映されるかは知りませんけど。。。
さてさて、やり甲斐があるからといっても、それでも葬儀なんて暗すぎるとお考えの方、いらっしゃいますか?
葬儀ほど爆笑ネタが転がっている仕事もなかなかありません。
背景が深刻であればあるほど、そこで起こるちょっとした面白い出来事が、爆発的なユーモアを醸し出すのはエンターテイメントの基本です。
普段ならクスッともしないことでも、それが葬儀の場であれば、腹を捩じらせて悶えるほどの起爆剤となったりします。
ある葬儀でのこと。
棺に花を入れて最後の対面を済ませた遺族。
お孫さんの「おばあちゃん、おばあちゃん」と呼びかける声が、多くの参列者の涙を誘った。
そしてお葬式のクライマックス、喪主の挨拶を向かえる。
喪主さんの目にも涙が光っていた。
涙を拭い、一礼をする。
「本日は、お忙しいところ・・・」
と言うつもりだったのだと思う。
しかし喪主さんは起爆スイッチを押してしまった。
「本日は、美味しいところ・・・」
笑っちゃいかん。笑っちゃいかん。
参列者が、みんな俯いて震えている。
「おいしいところ、おいしいところ、おいしいところ・・・」
脳内で起爆剤がリフレインする。
喉を詰め、舌を噛んで悶えるのです。
さて、かなり下世話な話をしてしまいましたが、次回からはお役立ち情報も取り混ぜて、知られざる葬儀業界の面白さをお伝えしていきたいと思います。
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次回は
「お寺からお布施の金額が低いとクレームを受けたら 前編」
をお送りします。
どうぞお楽しみに。
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