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映画『宇宙少女ミュウ』とそのシナリオについて

 このサイトをこんなページまで見てくれているユーザーは、結構ディープな人たちだと思って書いていく。この『宇宙少女ミュウ』は、愛知県は名古屋市の自主制作グループが作った8ミリ映画である。8ミリ、と言ってもビデオではない。フィルムである。シングルエイトという8ミリカメラを駆使して撮影された。
 甲藤プロダクションは、『続・海底軍艦』『大魔神復活』といった特撮物を自主制作でリメークした集団で、この作品『ミュウ』もそんな中の一本だ。ではなぜ、その『ミュウ』という作品とそのビデオ販売について、ここで貴重なサイトの容量を使ってページを作っているかと言うと、かっての「趣味のSF」の編集者のひとり、"舟橋立泰"がシナリオライターだったからだ。舟橋は本の編集の傍ら、シナリオも何本か書いていた。その一本『血こそ命なれば』が、「月刊シナリオ」の1979年のTVシナリオコンクールの第一次予選を通過した事もある。そしてもちろん、その作品群の発表の場の中心は「趣味のSF」だった。
 そんな舟橋にシナリオを依頼したのが、甲藤プロの広瀬勝彦氏。実は『ミュウ』は広瀬+舟橋コンビの二作目で、もう一本『怪奇大作戦』がある。もちろんあの円谷プロのTVシリーズの自主制作化である。この作品も『ミュウ』のビデオのカップリングで入っている。
 1995年作品の『宇宙少女ミュウ』は、宇宙警察の警察官少女が逃げた悪の女王(?)を追って地球へ来て、逮捕の為に戦うという特撮、アニパロ一杯のコメディである。この企画を始めた頃『地球防衛少女イコちゃん』などの同種の特撮物が結構流行っていて、まあ時流に乗るはずだったのが、完成が遅れてちょっとはずしてしまったという作品である。
しかし、自主制作の特撮としてはなかなかのもので、結構大がかりなシーンもあるし、甲藤プロがその財産を活かしたミニチュアワークも楽しい。また、主役のミュウちゃんのパンチラショットなんてのも楽しめちゃう。
今回このサイトで掲載しているシナリオは舟橋の初稿である。当初タイトルは『宇宙警察(コスモポリス)すーぱーミュウ』。読んでいただいて、これは"お気に入り!"と思った方は是非、ビデオを買っていただきたい。『怪奇大作戦』も付いて2000円は絶対オトクな筈なのである。

【舟橋立泰・執筆シナリオ群(?)】
『宇宙警察(コスモポリス)すーぱーミュウ』『怪奇大作戦・悪魔が騒ぐ日』『血こそ命なれば』『森の中』『宇宙を翔ける少女』『ビデオドローム2』ほか多数

 
      コスモ ポリス
『 宇 宙 警 察 " す ー ぱ ー ミ ュ ウ " 』
                               脚本・舟橋立泰


[主要キャスト]
すーぱーミュウ……銀河警察捜査官
ダークサイドのシオン……ミュウが逃がした宇宙の犯罪者
天本博士……ミュウと同じおんぼろ荘に住むマッドドクター。実は……
銀河警察署長……ミュウの上司
社長……『ビッグトレンド』社長。シオンに操られる
サラリーマン親衛隊……シオンの親衛隊
郵便局作業場のボス……ミュウのバイト先のボス
響子さん……おんぼろ荘の管理人さん
受付嬢……『ビッグトレンド』の受付嬢
理力隊……"理力"である
マイケル・フォックス……ナリハラの子猫
怪物……ダーク魔界の怪物
無表情な男……ミュウを面接会場に案内する男
書店の店員

1 惑星イオス シティ 夜
  暗闇の中、警告音とコンピュータ合成による声が鳴り響く。
声「事件発生、事件発生。クラスA犯罪者ダークサイドのシオンがシティ・エリアD33
  に潜入。要注意、要注意。潜入エリア第1級非常体制、第1級非常体制」
  赤い点滅光の中、手に大型ビームガンを持った銀河警察捜査官ミュウが走って来て立
  ち止まる。
  ミュウ、銃を構えて、
ミュウ「ダークサイドのシオン!」
  シオン、逆光の中、シルエットで立っている。
  ミュウ、逮捕状をシオンに突き付けて、
ミュウ「宇宙刑法第二○○一条第二○一○項の適用により逮捕します!」
  シオン、高らかに笑い、手から青いビームを出してミュウに攻撃をかけてくる。
ミュウ「キャア!」
  驚いたミュウ、銃を乱射する。派手に壊れる町並み。
  シオン、青い光の玉に変身し、高らかに笑いながら逃げてしまう。
  ミュウ、気づいて慌てて、
ミュウ「あっ、待て!」
銀河警察署長の声「ミュウ!」
  ミュウ、ハッとした顔。

2 銀河警察署
  外観。

3 同 署長室
  署長とミュウがいる。
  署長は逆光を背にしてシルエット(ウルトラセブン風)で。
  3Dモニターにミュウとシオンの対決(?)が映っている。ミュウの銃で破壊される
  町並み。逃げるシオン。
署長「(籠もったような声で)市街地で最大出力でビームガンを乱射した上、ダークサイ
 ドのシオンを逃すとは」ミュウ、シュンとしている。
署長「三級調査官ミュウ・レイカ・セブ、市民からの苦情で今日の署内はてんてこまいだ
 ……」
ミュウ「申し訳ございません。でも……」
署長「言い訳はよろしい!頼むよまったく」
ミュウ「クビ……ですか?」

4 シティ
  ミュウが乗る円盤が赤い光の玉となって飛んでいく。
署長の声「もう一度だけお前にチャンスを与えてやることにした。ダークサイドのシオン
 を逮捕して来い。ただし、逮捕できるまで帰還は許さん」

5 惑星イオス
  赤い玉がイオスから飛び立つ。

6 辞令
  タイプで打ち出されるようにモニター表示で文字がカシャカシャと出る。
「辞令。三級調査官ミュウ・レイカ・セブ。クラスA犯罪者ダークサイドのシオン追跡班
主任に命ず。なお、捜査班総員1名。
追伸。シオンの逮捕まで無期限で減給60%……」

7 メインタイトル『宇宙警察(コスモポリス)すーぱーミュウ』
8 宇宙
  地球のすぐそば。彼方からふたつの光が飛んで来る。赤い色の光と青い光のふたつ。
  互いにぶつかり合いながら、激しい火花を散らしている。青い光が勢いよく赤い光に
  ぶつかる。赤い光、軌道を失いクルクル回転しだす。その間に青い光は、地球を目指
  して降りてゆく。女の高い笑い声が響く。
  赤い光、クルクル回転したまま。可愛い声が「しまったー」。

9 街の風景
  街の情景。

10 街角
  女の子が郵便局の赤い自転車を凄いスピードで走らせ、人や車をぬってびゅんびゅん
  と。

11 郵便局 作業場
  たくさんの自転車や単車が停めてある。そこへ戻ってくる先程の女の子。
  ひときわ可愛いが、ひときわ小さくドジそう。実は彼女こそ宇宙警察の少女『すーぱ
  ーミュウ』なのだ。
  事務所に飛び込んで行く。

12 同 事務所内
  7〜8人のアルバイトに指示を飛ばしているボス。入ってきたミュウに、
ボス「遅い!何してたんだ」
ミュウ「(泣きそうな声で)すみませーん。行きに10丁目の交差点でおでん屋さんの屋台
 にぶつかって、帰りに7丁目の角でひっくり返って三輪車に轢かれそうになって……」
ボス「わかった、わかった!お前にゃ補助輪がいるよ」
ミュウ「(にっこりして)ハイ、そうします」
ボス「(うんざりして)もういいよ。ほら今日の日当だ」
  と、ミュウに給料袋を渡す。ミュウ、それを手にとって、
ミュウ「あのー、今日まだ時間じゃないんですけどー」
ボス「いいんだよ。あんたは今日でおしまい。バイバイよ」
ミュウ「バイバイ……?」
ボス「クビだよ。悪いこと言わん。あんたみたいなドジにゃこの仕事無理なんだよ」
  ミュウ、ショックで口も聞けない。ボス、ミュウを無視して他の連中に指示を出す。

13 ミュウの下宿"おんぼろ荘"
  ミュウの下宿しているおんぼろ荘(イメージは一刻館か大下宿館)。肩を落として
  帰って来たミュウちゃん。
  玄関で掃除をしていた"ピヨピヨ"エプロンの"響子さん"が声をかける。
響子さん「おかえりなさい、ミュウちゃん」
  ミュウちゃん、小さく微笑んで力無く頭を下げる。
  響子さん、その後ろ姿に、
響子さん「がんばってくださいね」
  ミュウちゃんこける。

14 同 廊下
  子猫がある部屋の戸をガリガリ引っ掻いている。
  そこへミュウちゃんが来て、猫を抱きあげる。
ミュウ「(子猫に)どうしたの?マイケル。そう、締めだされちゃったのね」
  ミュウ、子猫が引っ掻いていた部屋の戸を叩く。
ミュウ「天本博士、天本さん!」
  戸がガラッと開いて出て来る天本。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の"ドクタ
  ーブラウン"風。一目で異常と分かる。部屋の中から『パワー・オブ・ラブ』が大音
  響で聞こえる。天本、頭に真空管など付けたヘルメットを被っている。
  ミュウ、目をパチクリして、
ミュウ「あのー」
天本「(突然、制止して)まて、言うな」
  と、同じようなヘルメットを出してミュウの頭に被せる。両方をコンセントでつなぐ
  とピコピコ音がして光が走る。ミュウ、目をしろくろ。
ミュウ「あの、ね……」
天本「言うな、君の考えが分かる!」
  天本、目を閉じて考えこんでいる。
天本「(パッと目を開けて)分かった。相談ごとがあるんだ。待て待て言うな。うーん。
そうか、失恋したな。がっかりする事はない。わしなんかは、5歳の時を始めとして今
まで三百回を越える。ついこの間もこの下宿の管理人さんに……」
  ミュウ、早口でまくしたてる天本を制するように、
ミュウ「違うんです。その……」
天本「違う?おかしいな。よし、待て。うーん。分かった。しかし金なら無いぞ。借金だ
ったらこっちがしたいくらいだ。ん?そうじゃないのか?」
  ミュウ、首をふる。天本、がっかりしてヘルメットをはずす。
天本「今度こそ成功すると思ったが……。どこが悪いんだろう」
  ミュウ、子猫を差し出す。
天本「(やっと気がついて)マイケル・フォックス!どこに行ってたんだ」
  天本、マイケルを受け取り、愛しげにほおずりする。そのまま部屋の中に戻ろうとし
  て、またミュウの方を振り向く。
天本「(ほうけた感じで)ありがと、ミュウちゃん……」
  ミュウ、ペコッとおじぎをして去る。マイケルを撫ぜながらその後ろ姿を見ているナ
  リハラ。ミュウが隣の部屋に入っていくと自分も中へ。

15 同 天本の部屋
  数々のガラクタまがいの発明品。何処かで見たようなものも。モゲラやキングジョー
  そっくりのロボット、電送装置、アルコール漬の"フェイスハガー"まで等々。
  天本、その中に座り込み、抱いていたマイケルを降ろす。
  珍発明の数々の一角にたくさんのオーディオ機器。特に高級機種ではないが、古いの
  やら、新しいのやら。テープデッキ、カセットテレコ等も数台ある。
  天本、『パワー・オブ・ラブ』のかかっているカセットを出し、別のをかける。流れ
  る『ウルトラマン』のテーマ。続いて2本、3本と違うテレコでかけてゆく。
  『ウルトラセブン』『スペクトルマン』等々のヒーロー物テーマ曲が重なって響く。
  その真ん中で満足そうな顔をしながら発明品をいじりだす天本。

16 同 ミュウの部屋
  ミュウ、部屋のすみで膝を抱えていじけている。遠くから聞こえてくるハカセの音楽。
  開いた窓の外が徐々に夕焼けになり、暗くなってきれいな星空が見えてくる。
  ミュウ、さっきと同じ恰好で星空を見ている。
ミュウ「帰りたいな……。捜査経費無くなっちゃったし」
  挿入歌(またはBGM)でミュウのイメージフィルムぽいもの。

17 元のミュウの部屋
  ぼーとした表情のミュウ。やがてふっきるように立ち上がって、
ミュウ「しょうがないか。よし!」
  ミュウ、窓の所へ行って、ブラウスの前を少しはだける。両胸の間に埋め込んである
  赤いルビーのような石。ピカーと光り、一筋の光線を夜空めがけて発射。

18 おんぼろ荘 上空
  赤い眩しい光が突然現れる。その光が薄れるとUFOである。

19 おんぼろ荘 ミュウの部屋
  ミュウ、赤い光線に包まれてフワッと浮き上がる。

20 おんぼろ荘 上空
  スーとUFOに吸い込まれてゆくミュウ。

21 UFOの中
  ミュウ、スペーススーツに変身。計器を操作。ホログラフィモニターで街の様子を見
  るミュウ。胸のルビーが、モニターと連動しているかのように明滅する。
  夜の街を探るモニター。
ミュウ「(唇を噛んで)何処にいるのよ……」

22 総合商社『ビッグトレンド』ビル外観
  バーンと登場、いかにも巨大企業というビルの外観。

23 同 廊下
  カッカッと響く靴音と共にアップになる女性の足元。
  抜群のスタイルで廊下を闊歩するOL"シオン"。夏樹陽子のような感じ。バリバリ
  の社長秘書。すれちがう社員、ほとんど立礼という感じで挨拶をする。それを軽くい
  なして歩くシオン。実は、彼女こそ『すーぱーミュウ』が冒頭、地球のそばで逃がし
  て捜し続けている宇宙の犯罪者"ダークサイドのシオン"であった。

24 同 社長室前
  社長室の表示のあるドア。

25 同 社長室内
  頭のハゲ上がった堂々たる体格の社長がデスクに座っている。ボーと前方を見て、放
  心状態。
  そこへ入室して来るシオン。そのままボーと前方を見たままの社長の後ろに回り、し
  なだれかかるような形でハゲを撫ぜる。
シオン「ここへ来て2ヶ月、あのチビもう諦めたかしらね……。なにかあったら力を貸し
 てね」
社長「(放心した声で)承知しました」
  シオン、さっとデスクの正面に身を移し、社長に向かって投げキス。
  と、社長、放心状態からぬける。
社長「おっ、シオン君、いつ戻ったのかね」
  シオン、軽く無視してノートを見る。
シオン「今日のスケジュールです。まず、社員の臨時採用についての役員会議が11時か
 ら……」

26 街中
  ミュウちゃんが街を歩く(ここでミュウちゃんの挿入歌を一曲?)。
  なんか気楽にウィンドショップをしているようだが、実は職探し。
  歌に載せてその様子を点描。あっちこっちで断られるミュウ。面接で、あるいはちょ
  っとした仕事のテストで。ことごとく失敗して×!

27 書店
  ミュウ、就職情報誌を一心に見ている。
ミュウ「(つぶやきながら)捜査経費、捜査経費」
  店員がやってきて、いやがらせ。本を積み直したり、掃除をしたり。
  ミュウ、全然気付かない。
  店員、散々意地悪するが、ミュウ動じない。店員、しまいには諦めて泣く泣く去る。

28 『ビッグトレンド』 オフィス
  シオン、10人程の男性社員を並ばせて正面に立っている。他には誰もいない。
  シオン、社員の前をセクシーに閲兵(?!)。男性社員、いずれもシオンの魅力に撃た
  れたようにボーとしている。
シオン「(甘い声で)可愛い坊やたち……」
  シオン、さっと服を脱ぐとSM女王様風のスペーススーツ。ミュウとよく似た胸のル
  ビーが青く輝く。
  社員達、突然シャキッとなる。全員が徐々に変身。と言ってもスーツ姿は変わらず、
  ただ全員が同じ青のピカピカつや光りするスーツになり、同じサングラスをかけ、同
  じアタッシュケースを持つ。
  そして、シオンに忠誠を誓うように胸に手を当て、直立不動。
  シオン、その前で仁王立ちになり、高らかに笑う。
シオン「ほほほほほほ!」
29 同ビル 前の路上
  ミュウがちょうど通りかかる。急にギクッとして立ち止まる。
  服を透して光る赤い石。
  キッと『ビッグトレンド』のビルを見上げるミュウ。
  数階上の窓のひとつが青く輝いている。

30 同 オフィス
高らかに笑うシオンのアップ。

31 同ビル 前の路上
ミュウ「見つけた!」
  大声を出してビルの窓を指してポーズを決める。不信げに避けて通り過ぎる通行人。

32 宇宙
  オープニングのシーン。青い光(実はシオン)が、赤い光(ミュウ)をはじき飛ばす。
  地球へ降りてゆく青い光。
ミュウの声「しまったー。逃げられちゃった!」

33 『ビッグトレンド』 正面ロビー
  おそるおそる入って来るミュウ。
  立派なロビーである。
  受付嬢がミュウをめざとく見つけ、ブースの中から声をかける。
受付嬢「いらっしゃいませ」
ミュウ、びっくりして受付ブースの方へ近寄る。
ミュウ「こ、こんにちわ」
受付嬢「(勝手に勘違いして)あっ、採用試験のことでしょうか?」
  ミュウ、はっ?と思って受付嬢の後ろを見ると社員臨時採用のお知らせの張り紙。
ミュウ「(意気込んで)はい、そうです!」
  受付嬢、書類をミュウに渡して、
受付嬢「それでは、この書類に詳細を書き込んで、明日おいで下さい」
  ミュウ、ペコリとおじきして、玄関の方に向かう。
ミュウ「(指をパチンと鳴らして)ラッキー、一石二鳥!」

34 おんぼろ荘 ミュウの部屋
  ルンルン気分で帰ってきたミュウ。
ミュウ「(急に真顔になって)さて、どう作戦を立てるか……」
  と、急に大きな爆発音が響く。
ミュウ「な、なによ」
  窓から覗くと別の部屋の窓から煙。
ミュウ「(びっくりして)あ、天本博士」

35 同 天本博士の部屋
  ミュウが戸を開ける。もうもうとした煙が立ち込めている。
ミュウ「(むせながら)博士ー。大丈夫ですか」
  やっと煙が晴れてくると、天本博士が座って落ち着いてお茶を飲んでいる。
天本「やあ、ミュウちゃん。お茶飲むかい?」
ミュウ「ど、どうしたんですか?」
天本「うん、新発明のたんぽぽの葉っぱからウーロン茶を入れる機械なんだけど……。ち
 ょっと分量間違えたらしくて。(ひと口飲んで)でも、おいしいよ」

36 青い空
  青い空に白い雲。平和である。
  キーンという音がして、2本の飛行機雲が走る。よく見ると前の1本は、ラドンらし
  い。

37 おんぼろ荘 天本の部屋
  焼けただれて荒れた部屋。
  ミュウと天本、座ってお茶を飲んでいる。
  横で子猫のマイケル・フォックスが、逃げ出したフェイス・ハガーと鬼ごっこをして
  いる。
  天本、ビッグトレンドの採用試験申込書類を見ている。
天本「よさそうな所じゃない。よかったね。ミュウちゃん」
ミュウ「まだ、採用されたわけじゃないんですけどオ」
天本「いやー、ミュウちゃんなら大丈夫、多分……。はー、高卒優遇になってるね。ミュ
 ウちゃん幾つだったっけ」
ミュウ「はい、250歳です!」
  天本、びっくり。ミュウ、慌てて、
ミュウ「いえ、25歳です……」
天本「そう、でもまだ高校生でも通るよね。ちょっと待って」
  天本、押し入れをごそごそやって、なんと"せえらあ服"を出して来る。
天本「(ニコニコして)これを着て行きなさい」
  天本、ミュウにセーラー服を渡す。
イオ「(ミュウ、気味悪そうに)あのー、どうしてこんなもの持ってるんですか」
天本「いいから、いいから遠慮しないで。着てみてよ」
イオ「でもー」
  場面転換。
  ミュウ、セーラー服を軽やかに着こなして、くるりと回る。
天本「(なぜか涙で目を潤まして)うんうん、よく似合う。可愛いよミュウちゃん」
ミュウ「(顔を赤らめて)ありがとう、天本博士……」
天本「これなら絶対受かるよ、うん」
  天本、また机の中をごそごそして、なにか出してくる。
天本「これ、就職前祝い」
  やたら大きい変な目盛り付の万年筆。ミュウ、受け取って、
ミュウ「えー、でもこんな物までもらって……」
天本「いいから、いいからとっときなさい」
ミュウ「(ちょっと思い詰めた感じで)天本博士、あたし本当はね……」
天本「(ミュウを制して)わかってる」
ミュウ「えっ?」
天本「いいから、わかっているから」
  ミュウ、じっと天本を見つめる。
天本「(ミュウの目を覗き込んで)でも、この万年筆は明日絶対持っていくんだよ」
  ミュウ、天本の迫力に押されて頷く。
  天本、ニコッと笑って、
天本「お茶もう一杯いかが?」

38 夜空
  降る様な星空。
ミュウの声「お星様、お星様、あたしを守って……」

39 おんぼろ荘 玄関
  翌朝、飛び出して行くセーラー服姿のミュウ。変装のつもりか、黒い縁のメガネを掛
  けている。
ミュウ「やーん、遅刻しちゃう!」
  その姿を部屋から見守るナリハラ。

40 『ビッグトレンド』 正面
  威圧感を持ってミュウにのしかかるようなそのビル。
  ミュウ、ブルッと武者ぶるいをして入っていく。

41 同 面接控え室
  ミュウを始め、数十人の就職希望者が緊張のおももちで面接の順番を待っている。
  順番に呼ばれて出ていく人達。
  やがてミュウひとりになってしまう。ミュウ、落ち着かない。
  いつまで経っても呼びに来ない。ミュウ、立ってウロウロ歩き出す。
  後ろに気配を感じて振り向くと、背の高い無表情な男が立っている。
男「お待たせしました。どうぞ御案内いたします」
ミュウ「(頓狂な声で)は、はい!」

42 同 廊下
  誰もいない廊下にミュウと男の靴の音だけカツーンカツーンと響く。
  ミュウが通り過ぎた後の廊下の電気が次々と消えてゆくが、気付かないミュウ。

43 同 部屋
  暗い部屋。椅子がひとつあり、そこにだけスポットライトが当たっている。
  ミュウが一人で椅子の所に来る。
男の声「どうぞ、座ってお待ち下さい」
  ミュウ、座る。
  しばらく経つと、正面にデスクを前にした男の姿がスポットの中に浮かびあがる。社
  長である。
社長「(穏やかな調子で)美由(みゆ)くん、ナリハラ美由くんだね」
ミュウ「(ちょっとホッとして)はい、よろしくお願いします」
社長「この会社の何処が気に入ったのかね?」
ミュウ「(しどろもどろで)えっとぉ、あのー大きくてー、有名なのでー……」
社長「ふんふん、なるほど。で、どんな部署を希望しているのかな?」
ミュウ「えーと、そのー……。いえ、配置された所でしたら何処でも一所懸命やります」
  と、突然響くシオンの声。
シオンの声「ぶりっこすんじゃないよ!」
  ミュウ、椅子を倒して立ち上がる。
ミュウ「シオン、ダークサイドのシオン!」
  社長、がっくりとデスクにつっぷして倒れる。と、部屋が真っ赤な光に満たされると、
  シオンと親衛隊の社員達が立っている。
シオン「ほんとにしつこい娘だね」
  ミュウ、逮捕状を出して突き付ける。
ミュウ「宇宙刑法第二○○一条第二○一○項の適用により、あなたを逮捕します。なお、
 あなたの自白は法廷で証拠として提出され……」
シオン「えーいうるさい。ダーク魔界!」
  突然、ミュウの足元が崩れ、落ちてゆく。

44 おんぼろ荘 天本の部屋
  天本の目のアップ。閉じていたのが、くわっと開く。
  ナリハラ、ゆらりと立ち上がる。

45 ダーク魔界
  ミュウ、落ちてくる。メガネがはずれて割れる。
  そこは暗闇の中に怪物の蠢くダーク魔界。
  わけのわからん怪物が襲ってくる。ミュウ、きゃーきゃー言って逃げまわる。
  すけべそうな怪物がミュウのスカートをめくったりして……、戦ってるのか、じゃれ
  あってるのか。
  怪物、ついにミュウを捕まえ、身体をくすぐりまくる。
ミュウ「きゃーあ、ははは、やめてー」
  と、悲鳴(?)をあげるミュウ。

46 おんぼろ荘 玄関
  突如、『海底軍艦』のテーマがかかり、玄関の扉が開く。
  中には、なんだかいろんなものをくっつけた自転車に乗った天本。
天本「いくぞ、轟天号!」
  後ろから花火のようなジェット噴射を出し、猛スピードで飛び出す天本。
  玄関口にいた響子さん、真っ黒になってむせながら、
響子さん「がんばってくださいね」

47 ダーク魔界
  ミュウ、相変わらず怪物に"犯され"続けている。
  怪物、舌を出してミュウを舐める。ミュウ、泣き出す。
  と、ミュウの耳に天本の声。
天本の声「ミュウ、ミュウちゃん。"フラッシュ万年筆"だ!」
イオ「天本博士!」
天本の声「聞こえるか"フラッシュ万年筆"を使うんだ」
ミュウ「えっ、なにー?」

48 街中
  自転車で疾走する天本。
天本「そうだ。わしが昨日渡した……」

49 ダーク魔界
  ミュウ、ようやく気付いて怪物の腕の中でもがきながら必死になって"フラッシュ万
  年筆"を出す。
天本の声「メモリを0に合わせるんだ」
  ミュウ、"フラッシュ万年筆"のメモリを0にして高く掲げる。
  と、"フラッシュ万年筆"が光り出して、その光の中、ミュウが変身する。
  基本デザインは、せえらあ服だが、身体にフィットしたミニ。しかもピンクのラメ入
  りでギンギンというシロモノ。
  万年筆はライトサーベルになっている。ミュウ、怪物をそれでポカポカ。
怪物「お、俺が悪かった。痛い痛い」
  ミュウ、怪物を追っかけていると、とつぜんあたりの景色が変わる。

50 『ビッグトレンド』 部屋
  ミュウ、いつの間にか先ほどの部屋にいる。
  シオンと親衛隊達もいる。
シオン「(悔しげに)なかなかやるわね!お嬢ちゃん」
  突然、壁を破って現れた天本。手に大きなハンマーを持っている。
天本「ミュウちゃん!」
  天本、ミュウになにかを放る。
  ミュウ、手に取って見ると"印ろう"。
  ミュウ、"印ろう"の葵の御紋(銀河警察のシンボル)を向けて、
ミュウ「ええい、ひかえい!この御紋が見えねえか」
シオン「(高く笑って)ふん、コメディアン!」
  と罵ってジャンプし、消える。親衛隊もほとんど同時に消える。
  ミュウと天本がウロウロしていると、ビルが震動しだす。
  それに合わせたかのように社長が立ち上がり、目を赤く光らせる。
ミュウ「博士、逃げましょう」
天本「うむ、敵にうしろを見せるのはイヤだがしかたなかろう」

51 同 正面
  ふたり、ビルから出て来る。
  『ビッグトレンド』ビルの震動がさらにひどくなり、やがてふたりの目の前でなんと
  足を出して立ち上がり、手も出す。さらに顔まで出す。メカニカルだが、なんとなく
  『ビッグトレンド』社長の顔に似ている。

52 同 社長室
  社長、完全にプッツンした様子でデスクに座り、ビルを操縦!?している。
社長「わは、わは、うひひひひ!」

53 街中
  ミュウと天本、自転車に相乗りして、追ってくるビルから逃げ回る。

54 石切り場
  お馴染みの石切り場!
  何故かミュウと天本、ビルに追われてここまで来てしまう。
  ビルォ。ュジャイアント・トレンドォ。ュが山の向こうに現れる。
  シオンと親衛隊も崖の上に。
シオン「"ジャイアント・トレンド"!あの二人を踏みつぶしてしまえ!」
ジャイアント・トレンド「(ジャイアント・ロボ風に)ま゛!」
  天本、胸からカプセルを出す。
天本「行け!メーサー殺獣光線車」
  投げたカプセルがなんとメーサー殺獣光線車になって、ジャイアント・トレンドを攻
  撃。ジャイアント・トレンド、モゲラもビックリするほどあっけなく倒れる。
シオン「(怒り狂って)おのれ!行け、サラリーマン親衛隊ども」
  10人ほどのサラリーマン親衛隊、ミュウを襲いにかかる。
  親衛隊、スーツのポケットから名刺入れを出し、名刺を手裏剣のようにミュウに向か
  って飛ばす。ミュウの頬を名刺がかすめると血がたらり。
天本「ミュウ、これを使え!」
天本、ミュウに大きめのトランプカードを渡す。
ミュウ「ブラッディカード!」
  ミュウ、カードをピッピッと投げる。親衛隊の名刺がはじき飛ばされ、親衛隊も何人
  かがやられる。
  親衛隊、続いてアタッシュケースをぱかっと開けてくる。
  ミュウ、次は何かと戦々恐々としていると、親衛隊がアタッシュケースを口のように
  してミュウと天本ふたりをパクパクと襲ってくる。バカバカしいわりに、なかなか効
  果的である。
  ついに囲まれてしまう。ふたりの運命やいかに。
  と、急に親衛隊がはじき飛ばされ、真ん中に体操服のミュウと天本。
  ボールを持って唐突に走り出すふたり。パスしながら走るふたりを追いかける親衛隊。
  ふたり、突然立ち止まる。天本、親衛隊に向かってボールを投げる。
  親衛隊、ボールを受け取って喜ぶ。が、天本が手元で何かスイッチをひねると大爆発!
  サラリーマン親衛隊、全滅してしまう。
  崖の上のシオン、怒り狂う。
シオン「うぬぬぬぬ、よくも。待っておれ!」
  シオン、崖から跳んでふたりの側へ。
  シオン、ライトサーベルを出す。ミュウもフラッシュ万年筆をライトサーベルにする。
  激しい戦いが続く(ダース・ベイダーとルーク風で)。
  しかも舞台がころころ変わる。宇宙だったり、学校だったり、公園だったり、アパー
  トの屋上だったり……。
  シオンが優勢になり、ミュウのライトサーベルをはね飛ばす。
  ミュウ、危うし!
天本の声「理力を信じろ……」
ミュウ「理力……」
  と、突然"理力"と書いたプラカードを掲げた数人の男が現れ、手に持ったピコピコ
  ハンマーでシオンをピコピコ叩いて攻撃!
シオン「("理力"に囲まれて手も足も出ない)ま、まいった!」
  ミュウ、にっこり。
  実にあっけないが、勝利!である。

55 おんぼろ荘 玄関
  ミュウ、荷物を持って響子さんにご挨拶。
ミュウ「長い間ありがとうございました」
響子さん「がんばってくださいね」
  ミュウ、荷物を持って外に出る。
  天本の部屋の窓を見上げて、
ミュウ「天本博士、どこへ行ってしまったの?」
  ミュウ、"時計坂"を下っていく。姿が見えなくなると、赤い光が青い小さな光(シ
  オン)を従えて飛び上がる。

56 宇宙
  去ってゆくミュウの光。
ミュウの声「ありがとう、天本さん。でも、あなたは誰?」

57 おんぼろ荘 屋根の上
  天本がスックと立っている。
  ひとしきりカッコをつけた後、胸からウルトラアイを出す。
  「ジョワ!」シルエットでウルトラセブンに変身!実は銀河警察署長。
  「うわははははは」のーてんきな笑い声を残して飛んで行ってしまう天本セブン
  であった。
                                             〔おわり〕