授業風景2 高学年・中学生
a文字に慣れる
b 知識は系統的に
c関連項目は、多くても一括して
扱っ
た方が合理的に記憶できる
d音読、暗誦と中学校での一斉音読
a文字に慣れる
個人差はもちろんあるが、平均的には、5年生中ごろから、いわゆる
文法感覚が身についてくる。このころからは、次のbで述べるように、知
識を系統的に整理していくことも重要になる。そのためには、どうしても
文字も覚えなければならない。
幼児や低学年から学んできた子には、3年生ぐらいから、アルファベット
を教える。5年生以上から始めたような子には、ほぼ学び始めと同時に
アルファベットも教えた方がよいようだ。どちらの場合も、(遅く始めた子
は特に)、文字に慣れることで、発音が日本語風にならないように気を
つけなければならない。例えば、ローマ字をよく書ける子には、batto と
bat, baggu と bag を比べるなどの方法で、英語には、子音で終わる単
語もあること、そのため子音が日本語よりも強く発音されたり、英語独
特のアクセントが生ずることなどを教える。
b 知識は系統的に
She helps her mother
every day. → She is helping her
mother now.
She helped her
mother yesterday. She was
helping her mother then.
She is going to help
her mother tomorrow.
これは、 私がよく作る練習用プリントの一部だ。下線部はそれぞれ、
動詞の現在形、現在進行形、過去形、過去進行形、未来形である。
現在の中学2年生の1学期中ごろには、動詞についてこれだけの形
を知っていなくてはならない。しかし、それだけでなく、1つ目の現在形
の文が言えたなら、残りの4つも即言えるようになって初めて動詞の
知識が身に付いたと言える。さらに5つの文の疑問文と否定文も自由
に言えることも当然のようにできなくてはならない。
しかし、最近の中高生の中には、自分の既知の知識と、新たに学ん
だ知識とを関連付けて、
系統的に整理する力の弱いものが多い。学
ぶ喜びや、能動的に知識を求める姿勢はこのような力なしには高まらない。
そこで、中学生の授業では、よくこのような練習をする。その際、タイマ
ーで所要時間を計るなどして、自分の習熟度を知るなどの目的意識をも
たせると練習への意欲も高まる。また、When did she help her mother?
や、What are you going to do tomorrow? さらに、Who is Mr. Koizumi
going to meet next Friday?なども交えながら、機械的にだけならないよう
にし、表現意欲も刺激するようにしている。
c
関連項目は、多くても一括して扱った方
が合理的に記憶できる
これも個人差はあるが、数字、曜日・月などは、書く場合でも
まとめて覚えるようにしている。同様に、dayやweekが出てきたら、year
からsecondまで覚える。There are seven days in a week. を学習したら、
A week has seven days. How many days are there in a
week? How
many days does a week have? などにも触れる。 hungry が出てきたら
thirsty, sleepy, tired なども覚える。
子どもの好奇心は本来旺盛なはずだが、飽食の時代の子どもたちは
現在の日本の飼い犬のように、知識に対しても与えられるものだけを食
べているような気がする。だから、私が当然の関連項目と思うものを自分
から尋ねてくることが少なくなってきているような気がする。また、積極的な
好奇心を示しても、その内容は、ゲームなどの影響か、妙に「おたく」的に
偏向しているように感じてしまうのだが....
d
音読、暗誦と中学校での一斉音読
中学校の英語教科書は必ず暗誦させている。この効果は絶大である。
正しい発音、イントネーションで暗誦されたものは、確実な英語のストック
として記憶される。将来英語を使っていこうとするものには、絶対確実な
データベースとなる。
もちろん、通常のテストでも役立つ。中1の2学期に入塾したとき12点
の成績だった子が3ヶ月目で85点を取った。学校の英語の先生が「感動
した。」と他クラスでも話していたと言う。この子は、その後も90点前後の
成績をキープし、他の教科にも自信を持つようになった。この子の場合も
早く自信を持たせるため、まずは暗誦を最優先した。
外国語を学習している限りは、よい作品、よい文章、生きのよい文章を
暗誦することはいつまでも続けるべきものだと思う。私も毎日の「儀式」の
ように、暗誦を続けている。
かなり耳のよい子、音のセンスのよい子でも、中学校へ入ると、日本語
風の発音になったり、声全体のピッチが下がってくることが多い。30人以
上の一斉音読を経験すると必ず出てくる現象だ。私は特に、ピッチが下が
ることには耐えられない。音声のピッチと学習意欲や積極性には絶対的
相関性があるからだ。10人以上のクラスで、外国語の発音まで含めた学
習は効果を期待できないと思う。