03.7.3

もしもウルトラマンの必殺技である
スペシウム光線を
自分だけが発射できることに
ある日突然、気が付いたとしたら、どうしよう。

ある者は、スペシウム光線を
発射できることを隠すかもしれないし、
ある者は、常に発射して
周囲を驚かせるかもしれない。

僕の場合、普段は隠していて、
ここぞというところで発射することになると思います。
そういうことで、ひとつお願いしたい。
満員電車で、足を伸ばして座っている
オッサンの前に立つことになったりしたら、
そのオッサンが電車を降りて、
改札を出て、人通りの少ない路地に行くまで、
そっと後をつけるでありましょう。

そして、オッサンから10メートルくらい
離れた位置で立ち止まったら、
おもむろに左手を地面に水平に、右手を垂直に立てて、
左足を前に出して軽く曲げ、重心を低くして、
スペシウム光線を発射するであろう。

「スペシウム光線!」

などとは、決して叫ばず、
力強い視線をオッサンに向けたまま、
口は一文字に結んでいるのです。
そのときの僕の顔は、スペシウム光線の光で
薄気味悪く浮かび上がり、
オッサンは、背後がシビビビビとなって、
しばらく何がなんだかわかんなくなるのでしょうか。
そのとき、もしかすると、僕は

「これが、ほんまのスペシウム光線や!」

と、つぶやくかもしれない。
意味は分からない。
 

非常に後味の悪いものを感じる
スペシウム光線なのです。
 

03.7.7
 

会社の人のライブを観て、
僕も何か活動をしたくなってくるような
気持ちが湧き上がってきたのです。

なので、もうしばらくしたら
近所の区民会館を借りて、
1時間くらいのライブをやりたい。
ライブといっても僕は楽器ができないので、
15分は超魔術をお見せすることになる。
その後の15分では誰かと対談をして、
残りの30分で演劇をすることになるであろう
(「あろう」って、あんた)。

僕はどうにも、感動を与えられるような
作品は作れそうにないので、
演劇では、「桃太郎」を
何のアレンジもなく、そのまま笑いなし感動なしの
へもい舞台にしておきたい。

そのあまりのへもさから、お客さんに
「なんで自分はこんな所に来てしまったのだろう」
「そもそも、この空間って、なんなんだろう」
「ここに座っている自分ってなんだろう」
というところまで、演劇を忘れて考えてもらえるような
舞台にできたら、へもいっ子ライブは
成功であると言える。

劇団「へもいっ子クラブ」
 

03.7.13
 

もしも、五百円玉だけが
直径30センチだったら、どうすればよいのでしょうか。
日本はどうなるのでしょうか。

もちろん大きすぎるので、
財布には入らないのでして、
きっと、人々は五百円玉だけを重ねて紐で結んで
手で持ち歩くことになるのでしょう。
または、五百円玉を持ち歩かなくなるのです。
 

では、十円玉も百円玉も
小銭がすべてマンホールの大きさで、
お札が、敷布団のサイズだったらどうする。
 

どうしようもない。
 

どうしようもないのです。
さらに、現金の代わりにカードを持ち歩こうとしても、
今度は、カード類が薬局の前に置いてある
ぞうのサトちゃん人形になったら
我々は、一体どうすればいいのか。
 

どうすることもできない。
 

そうなってきますと、
朝の満員電車は、マンホール大の小銭と
丸めて立ててある敷布団状の紙幣と、ぞうのサトちゃん人形で、
さらにごった返すことになるのでして、
そう考えるだけで心配になるのですが、
こんなことを心配している自分の頭の方が
心配になったりもするのです。
 

03.7.16
 

折りたたみ傘のあれはなんだ。
折りたたみ傘をさして歩いていますと、
必ずといってよいほど、
折りたたみのパイプとパイプの間に
 

頭の毛が挟まる
 

これは、どなたでも
経験のあることだと思うのです。
なので、僕は声を大にして高らかに宣言したい。
 

「折りたたみ傘をさして、
髪の毛が挟まらなかった人間はいない」
 

宣言をしたところで、
どうかなることもないのです。

それにしましても、挟まる毛はたいてい1本だけなのでして、
「痛っ」と言って、抜けて終わる場合と、
「あたたた」と、いつまでも引っ張られる場合の
どちらかに分類されるのです。

より悲しいのは、圧倒的に後者の方でして、
こうなると、完全に人間は折りたたみ傘の支配下におかれ、
折りたたみ傘のパイプの接合部分に
常に頭を近づけながら歩かされるという
屈辱的な体勢を強いられるのです。
この体勢のとき、怒りと悲しみと痛みに
人々の顔は歪み、傘の陰で、きっとこうつぶやくのです
 

「折りたたみじゃなければ」
 

傘に主導権を握られた人間の悲しさ。
抜けた毛が健康的な太い毛だと、
さらにへもい。
 
 

だからなんなのでしょう。
 

03.7.22
 

ヨーロッパに古くから伝わる金言に、
 

「なにか電子機器を操作していて、
行き詰ったときは、「長押し」をしてごらんなさい」
 

というものが、あるはずがない。

あるはずはないが、
「長押し」の力は、あなどれないのです。

リモコンのすべてのボタンを押してみて、
さらに、いくつかのパターンの同時押しを行っても、
目的としている動作をしないとき。
もうダメだ、という絶望的な気持ちになり、
頭をかきむしった後、マットレスの上を転がり、
マットレスと壁の間の涼しいことろに挟まって、
そのまま1分間動かないでいたりすると、
ふいに思い出すのです。
 

まだ「長押し」が残ってた
 

そして、最後の望みをかけて
あるボタンを長押しをすることで、
モニターの電源がピッと入ったり、時計の設定ができたりと、
次のステップに進むことができるのです。

そう、振り返ると僕はこれまでに
何度も「長押し」によって、目の前に立ちはだかる難題を
切り開いてきた。
 

苦悩の末に必ず「長押し」があった。

打開のきっかけは、いつも「長押し」だった。
 

なので、今後は、なににおいても
まず「長押し」をしてみたいと思う。

なんでも「長押し」をすることで、
現状を打開できそうな気がする。
 
 

03.7.27
 

なんだか、もう
へもくてしょうがないのでして、
はやく梅雨が明けてほしいのですが、
明けましたのでしょうか、
へもいのです。

明けましておめでとうございます。
という言葉は、梅雨が明けにこそふさわしいと、
力説したいのです。
どうでもよいことを力説したいのです。
と思いましたが、
やっぱり、どうでもよいことは
力説したくありません。
なぜならば、僕はもう24才なのでした。
なんなンだッ、この24才は、ああ、へもすぎる24才。

人間の行動のひとつひとつに
意味があると思っては大間違いなのでして、
僕の行動の90%は意味のない行動なのでして、
たとえば、

駐車場にある、タイヤ止めのブロックの上に立つ

これには、何の意味もないのです。
また、

コンクリートの壁にある、なんか丸い部分を指で押す

これにも何の意味もないのです。
しかし、そう考えますと、逆に
意味のある行動とは何なのかと思うのでして、
もしかすると、自分で勝手に意味を付けているだけで
世の中に意味のあるものなんて
最初から何にもないのかしらという、
しーなねこのページとは思えない
結論に至るのでして、へもくなってしまったのです。
 

こんな風に考えてしまうのは
イメージバカダスのせいかもしれないのです。
お、おそるべし。

03.7.29
 

暑いのと寒いのどっちが嫌い?

と、聞かれましたら迷わずこう答えるのです。

どっちも嫌いです

どっちもいやなのです。しかし
よく、次のように言う人がいるのです、

「寒いのは服を何枚も着れば大丈夫だけど、
暑いのは、裸になっても暑いから、暑い方がいや」

なんだか、よくわからないが、

なんだそりゃ!

と言いたい。
裸になっても暑いのならば、
裸で冷たい水に浸かるというのはどうだろう。
または、氷のフンドシをしめてはどうだろう。

どうだろう、と言われても、どうしようもない。
しかし、氷のフンドシをしめることで
暑さを凌げるのならば、
先ほどのセリフは次のように変わっていく。

「寒いのは服を何枚も着れば大丈夫だけど、
やっぱり夏は、氷のフンドシがあるから、暑い方がいい」

……。

そもそも氷のフンドシって何?防具?
 

それにしましても暑いのでして、
会社でも体から熱気が上がってくるのです。
おまけに週に3日は昼下がりに鼻血が出るのです。
やけに体が熱いので、
「やけに体が熱い」
とインターネットで検索をしましたら、
いくつか「やけに体が熱い」人のページが見つかり、
その人たちの多くは、「やけに体が熱い」ため
体温を測っており、だいたい38度くらいあって
驚いている様子だったのです。

なので、僕も熱を測ろうかと思いましたのですが、
体温計もなく、風邪などの暑さとは違うので、
よく考えてみたら、この熱さは
眠くなるときの熱さであったのです。

眠くなると体がやけに熱くなるのですね。
原因が分かって安心。

じゃあ、鼻血はなんだ。
 

03.7.31
 

これまでに何度か会社の
ミーティングなどの議事録を書いたのですが、
読んで面白い議事録があったらいいのになあ
と思ったのです。

たとえば、



山田:「この部屋、暑くないですか?」 

田中:「いや、ぜんぜん暑くない。」 

山田:「やっぱり、暑いですよ。」 

田中:「全然。涼しいくらいだ。」 

山田と田中:(しばらく沈黙) 

田中:「あつー。」 

山田:「いま、暑いって言いませんでした?」 

田中:「違う、このお茶が熱かったんだ、あまく見ないでもらいたい」 
 

このような意味のないやり取りが
含まれていたら、議事録が
楽しめるのではないか。
 

また、発言の後に(笑)を付けてみたい。



 
 
 
 
 
 


山田:「そのことは検討する必要がある(笑)」 

田中:「あるね(笑)」 

山田:「では資料をお送りします(笑)」 

田中:「(爆笑)」 
 

これだけで、とても楽しそうな雰囲気になるのです。
 

さらに、空想のト書きを少し書き加えるだけで、
会議室が会議室でなくなり、
世界がガラッと変わる。



  深い森の奥にあるログハウス。 
  外は雷と豪雨で電話も繋がらない。 
  窓を叩く雨音だけが響く暗い小屋の中に山田と田中。 

山田:「そのことは検討する必要がある」 

  山田、おもむろにハンドバッグから 
  マヨネーズを取り出し、チューチューと吸う。 
 

もう意味が分からない。


 
 






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