05.7.1
 

居酒屋「よし」の40周年記念飲み会へ行きました。
居酒屋「よし」とは、会社近くにあるくたびれた感じの大衆酒場でして、
店には店主のおやじと、おばさん。
そこへ会社の人が大勢詰め掛けて、店をほぼ占領し、
なんだかすごいことになっていました。40人はいたのではないでしょうか。
それで、僕は朝まで「よし」にいました。

終電が終わって数時間経過した頃、
眠気に襲われて、お腹に座布団を乗せて座敷で眠っていました。
起こされたらもう始発が出る時間になっていました。

店主のおじさんが、マイクでした挨拶がよかったです。
開店当初「よし」は<1週間持てばいい>くらいの感じでスタートし、
それが40年も持ったということでした。
「よし」が開店して続いているので、
「おまえができるのならおれにもできるだろう」といった具合に、
周囲に続々と店ができていったそうです。

<1週間持てばいい>が出発点だったのは、
とても分かる気がしました。
「おまえができるのならおれにもできるだろう」も
実に分かる気がしました。
これはなにかを映しています
(いや何も映してないだろう)。

そんでやはり最終的に思ったのは、
 

それにしても本当によく40年も持ったものだな!!
 

ということでして、この年数の重さだけ、
僕に正体不明のプラスとマイナス、赤と青の不気味な混合玉が
何かこうぐぐっと迫ってくるのですね。

05.7.4
 

完璧な七三分けをしたいものです。
いやもっと!一本の乱れもない八二分けを実現したい。
その方法を考えてみたところ、ポマードで固めるしかなさそうで、
僕は頭髪に何かを塗りたくるのは苦手なので、
完璧な八二分けはできそうにありません。

白と黒のシャツだけを交互に着るようになって5ヶ月が経ちました。
今後はもっと絞って、よりシンプルにしていきたいものです。

−−−

先日、会社に来る弁当屋さんのお弁当が売切れてしまったので、
近くのコンビニエンスストアに買い物に行きました。
お弁当は内容が決まっていますが、コンビニへ行けば
好きなものが買えるからいいよね、と思ってローソンに入りましたら、
混雑していて、頭が混乱してきて、気が付いたら
豆乳とざる蕎麦とオニオンサラダを持ってレジに並んでいました。
僕が店に入る前に買おうと考えていたものは、
ビタミンCの飲み物と、ツナコーンサラダと、ざる蕎麦だったのでして、
オニオンサラダも豆乳も苦手なので、まずいよお、となりました。

こういうことを言いますと、
「ツナコーンがオニオンになるなんて。ふはっ、バカな」
と言われますが、そういうものじゃありませんか。
そうですか、そういうものじゃないですか。
とにかく、3割くらいしか自分の思い通りになりません。
3割どころじゃないかもしれません。
様々な因果と、あちこちにあるアフォーダンスで、
アフォーなダンスを踊っているのです。
結局、あれですよ、思考しているつもりで実はしてなく、
プログラム通り水が高いところから低い方へ流れるように、
必然的に動いているに過ぎないのです、オブジェクトです僕は。

ま、まあ、それでいいんですけども。
脳の中の化学物質の問題ですね。
(と、ぶっ散らかしてそのまま終わる本日の日記)
 

05.7.5
 

今週はずっと天気が悪くて、どうも眠くてしょうがないです。
毎日7時間眠っているのに、どういうわけでしょうか、
下唇がひくひくなりますし、全身は重たい感じです。
風邪をひいたのでしょうか。

心当たりがあるとしたら、1日おきに
30分間縄跳びをしているのでして、これが帰宅後でもうくたくたになります。
「有酸素運動は30分続けないと意味がない」
「週に3日はやらないと意味がない」
と、どこかのページに書いてあったからやっているのですが、
もう、くたくたですよ。これのせいで全身が重たくて、
眠くなっているのでしょうか。

さっぱり分かりません。
 

05.7.6
 

作家の中村航さん(へもいっ子クラブ会員:191番)の
7月4日のブログにクイズがありまして、
このクイズの答えの意味が分かりませんでしたという内容のメールを
お送りしましたところ、そのメッセージが載ったのです。
うれしいです。

7月7日に『I LOVE YOU』という
中村航さんと、伊坂幸太郎さん、石田衣良さん、市川拓司さん、
中田永一さん、本多孝好さん、男性作家6人の短編集が
発売されるそうでして、とても興味があるのですが、
ラブ・ストーリー集というのと、作家の方々から感じられる
ラブ師匠的ムードにやられ気味でして、
ラブ経験ゼロの僕が、この本をレジまで持って行けるかが心配です。

運よく購入できたとしても、ページをめくって火傷をしないか、
ラブの世界と現実の世界との隔絶を目の当たりにして、
失意のズンドコ節を舞った後、白黒になってしまわないかと思ったのですが、
中村航先生の作品は『突き抜けろ!』なので少し安心です。
 

05.7.8
 

アリナミンを3錠飲むと、しばらくしてから胃の奥の方から
アリナミンの風というのでしょうか、むわぁーっとした独特の熱気が立ち上ってきて、
フーンッ!フーンッ!と意気が揚がってくるわけですが、
このアリナミン気炎の出ている状況になって、
僕はハッと気が付いたのです。この熱気、この風、この力、雰囲気。
それはまさに冠二郎以外の何ものでもないということ。
そうだったのです、アリナミンとは冠二郎のことだったのです。

アリナミン=冠二郎
(alinamin = Jiro Kanmuri)

アリナミンがキてる時は、完全に冠ゾーンに入っているのでして、
人類の半分は冠ゾーンに入っている者と、入っていない者に分けられるのですが、
言うなれば「セイヤァー!!」でして、もちろん取り澄ました冠ではなく、
全開の大股開き、スラックスの尻の部分が
裂けんばかりの「おひけえなすって」のポーズの、
悪鬼の形相の冠二郎(要するにアニキ)なのですね。

皆さん、これが一体どういうことか分かりますか。
僕には分かりません。とにかく、アリナミンを3錠飲むと、
こういう冠二郎が僕の前に現れて、何も手に付かなくなるわけなのです。
 

05.7.9
 

午前中に図書館に行って本を借りてから、
ヨドバシカメラへ行って、それから本屋へ行って『I LOVE YOU』を買いました。
中村航さんの『突き抜けろ』を最初に読みました。
『突き抜けろ』はすごかったです。笑えますし、考えてしまいます。

それから2時に会社のソフトボールの会へ行きました。
ソフトボールは、あまり動かなかったのですが、
なんだか足腰が決定的にへとへとになりました。
試合後、4時間くらいビールと焼酎を飲んで、帰りました。
飲み過ぎましたので、おやすみなさい。

05.7.11
 

耳がとても痒くなるので、朝、品川駅の中の
薬局で綿棒を百本買って会社に行きました。
この耳の痒さはなんだ、左ばかりが痒くなる。

それにしてもこの「痒」という漢字は、いかにも夏に痒そうです。
やまいだれに羊、この暑さに羊。毛むくじゃらで病が垂れ下がって、
想像するだけで恐ろしい。だいたい「やまいだれ」は恐すぎる。
垂れて、病垂れて、恐ろしい。本当に恐ろしい。
ああ、皆さんが健康でありますように!誰も病が垂れませんように!
 

と一息ついたところで、『I LOVE YOU』を読んでいるのですが、
本当になんて素敵な本なのか。これが恋愛小説というものなのか。
と目に涙を浮かべ、本を閉じ揺れる横須賀線の車窓から、
夜の多摩川と川越しに見える電灯を眺めました。
これまで僕は「LOVEは敵だ」、「LOVEがりません勝つまでは」、
「増える酒量に減る寿命」をスローガンとして掲げ、
手にハンマー、LOVEは無くとも心に錦で戦って参りましたが、
しいな26才、厄年も終わり、「もういいんじゃないか」という気になってきました。
今後はLOVEの肯定派になります。
 
 
 

05.7.12
 

漫画でも小説でもLOVE的要素を含む個所を見つけたら、
直ちに墨で該当個所を塗り潰し、塗り潰しの個所が多い場合、
その書物の表紙に「不許可」の判を押して、燃え盛る炎の中に投げ込み、
深夜の中央公園に5メートルの火柱を立てていたのですが、
昨日より僕はLOVE肯定派になったので、
もうそんなことはしないことにしました。

しかし、LOVE全般について許可するようになったわけではなく、
許せないものがあるのでして、それは「合コン」だ。
ふざけやがってこのやろう、何が合コンだってんだよ。
と高校生の頃の偏屈の結晶のような僕が蘇ってくるのでして、
高校で僕はひとりの友もおらず、卒業旅行か何かで
ディズニーランドへ行ったのだが、当然ひとりで、
朝から夕方の集合時間になるまでシンデレラ城の前の広場のベンチで寝たり、
『竜馬が行く』を読んでいたたわけですが、そんなことはどうでもよく、
「合コン」というこの忌まわしき、あれだ、
おえーっ、考えるだけで気持ちが悪くなり、ノイローゼを再発しそうなので、
これ以上は続けられない。

とにかく、たまに居酒屋へ行くとものすごいハイテンションの男女のグループが、
大きな掛け声で意味不明な事を叫んで、「ハイ!ハイ!ハイ!」とか
よく分からんがゲームのようなことをやっているではないか。
あれが「合コン」であろう、予想でしかないが
(合コンへ行ったことがないから予想しかできんのだ)。
くそう、僕はこの合コンというものを見る時まさに、
そうその合コンの男女のテーブルに、
地軸を引き裂くほどの爆弾が落ちることを切に願うのだ!
しかしいくら待てども爆弾は落ちないから、苦々しくやけ酒をあおるのだ。
忘れるしかない!忘れるしかない!奴らに哲学はあるのか!
嗚呼、合コンとは恐ろしい!おのれ、キャーキャー喚く豚どもめ、
二の腕に噛み付いてくれようぞ!
 
 
 

すみません、取り乱しました。
誘われたら行きます。
 

05.7.13
 

昨日の日記で、一度も経験したことのない
「合コン」というものについて激怒し、
合コンとは悪魔であるぞ!そのことがいずれ貴様らにも分かるだろう!
と吠えて、立ちくらみがしてそのまま床に就いたのですが、
翌朝になってもまだ怒りは収まらず、今晩は「合コンがこの世からなくなりますように」と、
御百度参りをしなくてはと、家で白装束に着替えて、
金属の輪の付いたシャンシャンいう杖を傍らに置いて、
出立前にメールチェックをしましたら、ある方からメールが着ていました。
以前、オフ会でお会いしたネギシさんからでした。
 

なんか、椎名さん熱いですね。
地味な合コンというものもありますので安心してください?(#^O^#)
デビューの日も近そうですね。
 
地味な合コン。そうなのですか、地味な合コンもあるのですか。
いや僕はてっきり、合コンというものは、
中高生を対象にしたフジテレビとかでやっていそうな
馬鹿げたお決まりのゲームをして騒ぎ、隙あらば異性からの好意を受けようとする、
卑しく俗物的で我慢ならぬものとばかり思っていたのですが、
地味なのもあるのですか。と、正気を取り戻し安心しました。

LOVEに関することになると、つい気性が激しくなってしまいます。
気をつけます。

それにしましても、この前の話なのですが、
飲み過ぎていつもの電車がなくなったので、京浜東北線で帰っていたときの話だ!
同じ車両に若い男女が向かい合って立ち、お互いに背中に手を回しやがって、
女が下を向いて、その女の頭の上から覆うように男が下を向いて目を閉じ、
完全に2人の世界に没入していやがる場面に遭遇したのだ。
かなりの混雑の電車の中で、である。
ち、ちょいとお前さん一体どうなっているのかい、と僕は
いつでも吐ける様に手にしたビニール袋をガサガサいわせながら、
人間など血の詰まった肉の袋にすぎないというのに!
と強く思って社会の不条理に絶望したのですが、
今はもうLOVE肯定派です。命短し恋せよ乙女なので、
 

許可します!!
 
 
 

05.7.15
 

LOVEを肯定すると言いながらも、
LOVEに関することを書き始めると、ついつい怒りが込み上げてきて、
肯定と真逆の糾弾になってしまうのはどうしたものか。
前回、前々回とLOVEについて書こうとしたからか、
熱が出てしまい、喉も痛いのでどうやら風邪を引いたようです。

ここはひとつ、LOVEについて冷静になって考えようと、
サイトを巡回しておりましたら、「恋愛成績表」というページを
見つけたのでやってみました。

結果から言うと、
 恋愛レベルは「18段階中17位」で恋愛タイプは「あきらめ型」でした。
18段階中で17位って、出そうと思って出せるものではないと思う。
質問に対する僕の回答から、この結果が出たわけですけど、
恐ろしいのは、どの回答がまずかったのか
まったく分からないことです。

ひとつ思い当たることといえば、ちょっと格好つけて
自分を偽って回答してしまったかもしれないということ。
もしかすると、この「恋愛成績表」というサイトは、
回答者の嘘を見抜く高度なプログラムが働いていて、
僕の偽りを見抜いて、こういう過酷な評価を下したのではないか。
そういうことなのだな、きっと。

というわけで、2回目に挑戦。2回目は完全に本音で回答。
LOVEに駆け引きはいらないのだ。
結果、「18段階中18位」。

悪化した。
 

以下、恋愛成績表のコメントより抜粋。


全体としては、最悪の成績でした。完全に赤点です。しいなさんは、女性がどうこうという前に、まず真っ当に生きることから考える必要があるかもしれません。恋愛はその次の段階と言えるでしょう。 
(中略)
女性との接触もあまり得意ではないので経験からの成長も期待しづらく、苦しい恋愛人生となりそうです。
 

・どことなくどよーんと湿ったオーラがしいなさんから漂っています
・しいなさんは、彼女ができても早いうちに飽きるタイプです
・26歳のわりにはとても子供っぽい考え方をしています
・とっくに結婚適齢期を過ぎています。少しは焦りましょう 


 

恋愛成績表なのに、恋愛どうのこうのを通り越して、
人生についての説教になっているではないか。

マネジメントの父、ピーター・ドラッガー博士はこう言います。

「不得手なことに時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。」

撤退!撤退!私はLOVE部門から完全に撤退します。
肯定も否定もしない、ただただ体育座りをして、
1日中ひざの皿でも舐めてるよ!
あばよ!
 
 

05.7.16
 

こういうのはどうだろうか。
もはや、しーなねこのページをご覧の方の中では、
居酒屋「よし」はかなりの認知度になってきましたので、
目黒にある居酒屋「よし」で、どなたか僕と対談をしませんか。

そして、対談の様子を記録して、文章に起こして、
5人くらいと対談して、対談集を50冊作って自費出版して、
全部売り切らないと赤字になるようにする。
というのはどうだろうか。

対談の内容は、まったくただの飲み屋話で、何の足しにもならぬ内容で、
「ちょっとトイレに行ってきます」
「あっ、トイレは入り口を出て左に歩いていった突き当りです」
みたいなことまで拾って書いて、対談のテーマは
「人生」「家」「落武者」「テクノカット」「お笑い」など、
適当に決めて、定点カメラで内容を録画して、
MP3で全世界に今週の飲み屋話ダイジェストを発信して、
本には付録で居酒屋「よし」の見取り図、メニュー一覧、
最後に解説を付けて、こんなもん本にすんなよ!というような本を作りたい。
体裁としては教科書みたいな感じで、真剣に対談をしたい。
そして売れ残りを前にして、途方に暮れたい。
 
 
 

05.7.18
 

金曜日の夕方に、鼻と喉のつながったところの粘膜に
風邪の菌が付いたのでして、翌日は予想通りに、
その部分が腫れて痛くなり、熱が出たのです。
対談は風邪が治ってから、始めさせていただきます。
 

1日に水を2リットル飲む、ということを数ヶ月前から続けていまして、
毎日会社へ、ポカリスエットの粉を水で溶かしたものを入れた
ペットボトルを2本、常温のぬるいものをカバンに入れて持って行くのです。
いつもいつもポカリスエットを飲むもので、
ポカリスエットの粉の入っている箱についている応募券が貯まり、
応募すると何がもらえるのか知らんのですが、
家人が僕に代わって応募してくれました結果、
先週末、小さなダンボール箱が僕の住む宮殿に届いたのです。

箱を開けますと、「当選おめでとうございます!」という手紙と、
「POCARI SWEAT」と大書された青いタオルが1枚、
同じく「POCARI SWEAT」と大書された青いツヤツヤの水筒、
こちらは1000mlも入るバカ的にデカイもの。
それとカルト的なものを感じるビデオテープが1本入っていました。

水筒については、いつも持って行くペットボトル2本が、
この1本で収まるのはうれしいと思いましたが、
この巨大な水筒は、僕の中では日本代表のものなので、
これはサッカー場やバレーのコートにあるべきなのでして、
僕がオフィスで、こいつをチュウチュウやるというのは、
相当な者に見られてしまうのですが、僕は日本代表なので
持って行くことに決めました。
タオルはバスタオルに丁度よいのです。

そして、問題はこれだ。

「子どもたちのスポーツ活動中の水分補給」
(財)日本体育協会製作のビデオなのですが、
短いもののようなので、0回は見たいものです。
 
 
 

05.7.19
 

なぜリュックサックじゃないのかと思い始めたら、
常用している肩掛けカバンがひどく滑稽なものに見えてきまして、

リュックをしょいたい!リュックをしょいたい!

と僕の中の駄々っ子が、人通りのある夜のロータリーで仰向けになって、
ひっきりなしに手足をバシバシとアスファルトに叩きつけるので、
まあまあ、と僕の中の大人が、今週末まで待ちなさい、
そうしたら近所の百貨店でリュックを買ってあげるからと、
言い聞かせたのですが、このバカがいっこうに収まらず、
今欲しい!今欲しい!と言うのですね。

今ったってもう夜の11時で、店なんかどこもやってないよと言っているのに、
まったく聞く耳持たず、さらに難題を吹っかけてきたのです。
今の肩掛けカバンの形のリュックが欲しい!と。
なんでも、今の肩掛けカバンは、新聞と文庫本がスッポリ入るし、
電話や扇子も入るポケットが付いているというのだな。

だからもう、ここまでわがままなことを言ってくると
呆れるのを通り越して、逆に感心してくるのでして、
しかし感心が過ぎてしばらくすると、なんか怒りが込み上げてくるもので、
静まらない駄々っ子の駄々に、怒りの極致に達した僕はダダイスムを爆発させ

「だったら今の肩掛けカバンをリュックにするしかないだろうが!
ありとあらゆるものをぶっ壊したろか!」

と、深夜の中央公園に雄たけびを轟かせ、
怒りのアフガンで肩掛けカバンの紐を真っ二つに切り、
カリオストロの城のオープニングのルパンのように、裁縫箱を小脇に抱えて猛然と走り出し、
仕事中は絶対に戸を開けてはならぬぞ!と宣言して、
シャー、ダン!と引き戸をぶっ閉めて、黙々と針仕事を始めたのです。

そして、15分後――。
 
 
 
 
 


 

肩掛けカバンが、リュックになっていた。
 
 


05.7.20
 

ここ1週間のわたしの日記をご覧頂ければ
察しがつくと思うが、わたしの好物は「刺身」である。

もし仮にわたしが人生という旅の道中において、
刺身食べ放題の道と、地獄の業火に焼き尽くされる道の
いずれかを歩むことを強要する岐路に差し掛かったとしよう。
どうするか。わたしは迷うことなく歓んで
「刺身食べ放題」の道を突き進むことだろう。

来月、庄屋という名の黄金宮が、
刺身食べ放題というイベントをやるという。
彼らの「喜んで!」という歓喜の叫びは本物だったのだ!
この事実が何を意味するか。この事実から溢れ出しているものは何か。

ひとつの巨大な希望である。

世俗の者はこの刺身食べ放題のみで狂喜乱舞し我を忘れることであろうが、
利発であるわたしはもうひとつの事実をも見通している
――それに気付くにはデリケートな嗅覚を持ち合わせている必要があるのだが――
「酒飲み放題」である。
そして、もっとも瞠目に値するのは、これで1500円ちょっとだということである!
勝利である!自由な精神を持つ者たちの勝利と解放である!!

しかし、刺身と酒、この爆発的な破壊力を持つ組合せは、
真に刺身と酒を愛する者にとってのみ至福のものとなるが、
少しでも偽りある者等が、刺身を口にすれば
彼らは口に火傷をし、火を食った思いをするであろう。
 

それはともかくとして、これほどまでに賢明な
わたしにもひとつの不安がある。
――賢者の千里眼があればこそ不安に思えてくるのだが――
「カツオのたたき」が刺身食べ放題に含まれているかどうかである。

カツオのたたきが、刺身食べ放題に含まれていないとしたら!
想像するだけでも恐ろしい、一個のデーモンが笑っているのだ!
まさかそんなことはないとは思うが、もし!もしである、
刺身の船盛りにカツオのたたきが乗ってなかった場合……、
わたしは日の丸飛行隊となって、船盛りに神風となって激突し、
次から次へと敵艦を轟沈しなくてはならい。

不安はそれだけでない、刺身食べ放題の日に、
仕事にトラブルが発生したら……、
わたしは目黒川を氾濫させ会社を屋上まで水没させてでも
庄屋という名の黄金宮へ出向かわなければならないのだ。
 
 

カツオのたたきには、マヨネーズが合うよね!
 
 

05.7.22
 

閉店間際のイトーヨーカドーで50%OFFになった
戦艦のプラモデルのような塊のカツオのたたきを230円で購入し、
3人前をスライスして馬鹿みたいにひとりで平らげてから、
先日改造して縫ったリュックの肩紐がもう切れたので、
縫い直しておりますと、
わたしが心底楽しみにしている8月の"庄や"の刺身食べ放題についての情報が
へもいっ子党員によって送られてきたのです。

なになにと目を通しますと、「先生!」と党員は血相を変えておるわけですね。
「先生!先日、先生がおっしゃっていた刺身食べ放題でございますが、
我が諜報部の調査によりますと、どうやら刺身食べ放題に
カツオのたたきはないようであります!」と言うのです。

まさかそんなことはあるまい、とは思ったものの、
どうやらそれは真実であるようで、じょじょにわたしの怒りは膨らみ、頂点に達し、
「なに!冗談じゃない!わたしを誰だと思っているのだ!」
と翌朝、早速わたしの主戦場である目黒に引き返しまして、
目黒駅前の庄や正面に街宣車を横付けし、
スピーカーの音量を最大にして、こう言ってやりました。

「こら!!」

「刺身食べ放題にカツオのたたきがないというのは何事だ!
わたしの背後にはへもいっ子党員230名が付いているのだぞ!
わたしには彼らに刺身を食べさせる義務があるのだ!どういうことだ!」
といきり立っておりますと、偶然ここを通りかかった
ひとりのへもいっ子党員がわたしの街宣車の所まで走ってやってきまして、

「先生!」というのですね。なになにと聞いてみますと、
「庄やは最初から"刺身食べ放題"ではなく"まぐろ・かんぱち食べ放題"と
謳っておりました。よって先生の攻撃は間違いでございます!
先生のお怒り、よくわかります。しかし、ここは何卒、何卒お怒りをお静めください!」
と泣いてしがみついて来るので、わたしが悪かったと素直に反省し、

「すまぬ。庄やよ!わたしの勘違いであった。
8月のまぐろ・かんぱちの日は世話になるぞ!」

と最後に言い放って、横浜方面に引き返して行ったわけなのです。
 
 
 
 

もう意味が分かりません。
 
 

05.7.24
 

本を作りたいと思いまして、
自費出版のページを調べて、
ちょうどよい価格にするには、200ページの本を
100冊作って1000円で売る。という結論が僕の中で出ました。

問題は200ページも書くことがないということです。
だからといって30ページにすると単価が上がってしまいますし、
それに100冊も作るなんて何かに憑かれたのではないか
と思われるかもしれませんが、
50冊にすると1冊2000円とかになるので、どうしても
200ページの本を100冊作らなくてはならない。

そして問題は200ページも書くことがないということです。
対談をひとり5ページとしてやったら、40人と対談することになりますし、
だからといって5人と決めたら、ひとりあたり40ページになるし、どうしよう。
こわいねえ。
 
 

05.7.25
 

笑いや涙とか喜怒哀楽はもういいのではないだろうか。
求めているのは、作品の炸裂によって衣類が吹き飛ばされ、
葉っぱ一枚となり、荒野に茫然と立ちすくむことではないか。

しかし、ただ茫然と途方に暮れているのではない。
眼だけは全く新しい希望で輝いているのである。
意に介してはいけない。
最後の葉っぱが虚空に舞い上がろうとも!
 

05.7.27
 

とても暑くて寝苦しいです。朝起きると、
シャツが寝る前に着ていたものと別のものになっていました。
どうやらあまりに暑いので、眠りながら着替えたようです。
それにズボンも半分ずり落ちていました。
そして、耳がとてもかゆいです。
 

「へもいっ子クラブ」の会報誌を作ろうと思います。

へもいっ子クラブ会報誌について
 
 

05.7.29
 

会社の帰りに渋谷へ行き、7人で卓球をしました。
僕が唯一人並みにできるスポーツ、それが卓球なのでして、
僕の卓球経験は大学受験に失敗した年の夏の約1ヶ月間でした。

浪人中なのに、まるで勉強をする気が起きませんで、
もうどうでもいい、あと2年くらい浪人したいと思い、
近所に住む、今で言うところのニート気味の友人と、
ほぼ毎日、区民体育館へ体育館履きとラケットを持って行き、
現実から逃避するために、卓球に打ち込んでいたわけなのです。

毎日通ううちに、卓球クラブのようなおばさんたちと、
顔見知りのようになり、何度か打ち合いをしたりするうちに、
僕の卓球の腕前は上達し、「あなた、中国の方?」と
聞かれるくらいになったのです。

なので、会社帰りの卓球に、僕は少しばかりの自信を持っていたのですが、
やはり中学・高校と卓球をやってきた人は、もうまるでレベルが違うのですね。
僕の浪人卓球は、正当な部活卓球の前に、完全に打ち砕かれたのです。
それでも、卓球は楽しいですね。

そして驚いたのは、卓球の後なのですが、
金曜の夜の渋谷は、もうどこの飲食店も込んでいて、
僕は「渋谷」とか「新宿」と聞くだけで、緊張で周囲が見えなくなり、
この日2回も数秒で迷子になったのですが、それはともかくとして、
十軒近く飲み屋を探してようやく席があった最後の店、
この居酒屋の料理、刺身が非常に美味かったのでして、
僕はビールはもうがぶ飲みできないのですが、
いやあ、はは、ビールがうまい、ビールがうまいと、
とカツオの刺身とかタコの料理、子魚の唐揚げ、冷奴で非常に満足でした。
 
 

05.7.30
 

狭い所や閉所が非常に苦手でして、
満員電車や飛行機に乗ることを想像するだけで気が重くなります。
飛行機は見方を変えたら、空飛ぶ檻ではないですか、
電車ならいざとなったら、窓を開けて「ほな!(なぜか関西弁)」と言って、
降車できますけれども、飛行機はそうはいかない。
飛行機って、窓開けちゃいけないんでしょ。
気圧で全部中の物が飛んで出ちゃうんでしょ。
僕、知ってるよ、映画で見たことあるもん。
と、言動が幼くなってしまうくらい苦手です。

だから僕はウルルン滞在記を見ると、緊張して熱っぽくなります。
あんなアマゾンの奥地まで飛行機やら揺れるジープに乗って、
しかも空気の薄い高地に行って、タロイモを作るなんて。
しかも、行ったら同じ工程で帰ってこないといけない。
おまけに言葉は通じないし、変な虫やヘビもいっぱいいる。

もっと恐いのは宇宙です。絞り込ませていただくと、
スペースシャトル「ディスカバリー」です。
NASAに入らなくて本当によかった。飛行機はまだ地球ですが、
ディスカバリーは宇宙だよ。しかも外に空気がないんだ、みんな。
ちょーこわいのは(「ちょー」とか言っちゃうよ)、船外活動です。
船外で「さて機体耐熱材の応急修理を……」と道具を手に取ったとき、
ふと、突然、イ・マ・ス・グ!急に地球に帰りたくなったら、
どんなに取り乱すことか。
宇宙服を脱ぎ捨て、地球の広々とした
どこでもいいその辺の公園の芝生に太陽を浴びて寝転び、
大きく深呼吸をしたくなっても、今、自分が宇宙に出てて、
しかも宇宙船外にロープで繋がっているという現実!
そうなったら精神の内側がジタバタして、気を失うかもしれんな。
できれば注射を打って出発から地球到着まで、眠らせておいて欲しいです。

それに宇宙船は何人かで乗るわけでしょ。僕だけ帰りたくなったらどうするのさ。
「あ、あの、僕、なんか急に降りたくなっちゃったんですけど」
とドキドキしながら切り出してみたら、
外国人でしょうな、チームメンバーのひとりが
「Oh!タカヒコ、何を言ってるんだい!こいつはタクシーじゃなんだぜ」
なんてアメリカンなことを言って、おどけて笑うのだろうな。
ナンシーも、なんとかビッチも笑うのだろうな。青ざめる僕。
降りたい、降りたい、降りたい。

何かの間違いで、NASAに入れられてスペースシャトルの乗組員に
抜擢されるんじゃないかと思うと、居ても立ってもいられません。
 
 
 

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