ドイツ フランクフルト

 

 

6月18日(土)フランクフルト Frankfurt ・ ダルムシュタット Darmstadt

出国(乗換便)CA935 上海 Shanhai 11:10 → フランクフルト Frankfurt 17:00 (現地時間)
フランクフルト → ダルムシュタット Darmstadt (バス)

 

 

上海から、地球を西廻りに13時間

AIR CHINA 935便は

太陽を追いかけ続け

私を、フランクフルト・アム・マインに連れてきてくれた。

 

飛行機から降りるやいなや、イミグレーションでもないのに

イカツい警備員からパスポートの提示を要求され

乗客の殆どが中国人であれこれと質問を受けるため、なかなか列が進まず立ち往生する。



ユーロ銭に換金すべく、空港内の銀行カウンターで

円建て旅行小切手を提示したところ受け付けてもらえない

換金はキャッシュオンリーとのこと。

やむをえず現金をチェンジしたのだが、

€1= ¥140という円レートの安さに驚く

日本の銀行でユーロ建てにすべきだったと後悔。



土・日・祝日のドイツは、市中の殆どの商店が休みとの情報を聞いていたので

空港キオスクで食料を購入するが、ミネラルウォーターのボトルがなんと€2

500ccで280円の高価な水を口に含み物価の高さに溜息をつきながら空港を後にする。

(ドイツでは空ボトルを販売店に返却すると、ボトル保証金25C程度が返金だったそうです。)



ドイツ初日は宿を決めておこうと準備し、日本からネットでフランクフルトのYH(ユースホステル)を調べたのだが、

空きベッドがなく20km程度郊外にある、ダルムシュタットYHに空きがあったので予約手続きをしていた。



空港からバスに乗り、

フランクフルト市内とは逆方向に高速道を走る。

BMWやらポルシェが、左側追い越し車線を

颯爽と次々に駆け抜けていく様子が

まさにアウトバーン!という感じでドイツに来たことを実感する。

 

土曜のダルムシュタットの街は、閑散として気味が悪いほど、ひと気がない。

 

YHの受付に到着し予約を入れてある旨を告げると

ネット上では請けているが、団体客がありオーバーブッキングとなったので

予約不可の返事をメールしてあるとの事。



確かにメールは届いていたが、ドイツ語表記なので全く意味がわからなかった

ネット手続の完了画面コピーを控えていたので一安心していたのだが、意表をつかれた。



安い宿がないか受付の兄ちゃんに訊ねたところ、更に20km先のYHを紹介される。

仕方なく駅へと歩きながらも、めぼしいホテルを数軒あたり

朝飯付き€45の部屋に泊まることにする。

 

ホテルはとても静かで、

アンティークな調度品やら工芸品が廊下や階段に飾ってあり落ち着いた雰囲気。


部屋の鍵の開閉がどうも不安定なので、受付のおばさんに文句を言う。

しかし、ヨーロッパの鍵は、回転が2段階になっており

鍵を2度回して開閉するのが、一般的であることを後日知った。

スマンおばちゃん!

 

朝飯はパンやシリアル(穀物食品)が数種山積みされており、

ハムやチーズやヨーグルトを自分で好きな分だけとって食べる方式。

ヨーロッパの宿というのに初めて泊まったのだが、

朝食の清々しいコンチネンタルな雰囲気に感激してしまった。

 

ダルムシュタットは、おばあさま&クララと一緒にハイジが訪れた

フランクフルト郊外の蝶々の公園のような、長閑で爽やかな風景のある学園都市であった。

 

ダルムシュタット泊 :HOTEL Prinz Heinrich (http://www.hotel-prinz-heinrich.de/darmstadt/)

 

 


 

  

6月19日(日)フランクフルト Frankfurt ・ コンフェデレーションズ杯 Confederations Cup 2005

フランクフルト市内散策 Frankfurt city
FIFAコンフェデレーションズカップ 日本VSギリシャ観戦 18:00キックオフ Waldstadion Confederations Cup

 

 

人影の少ないダルムシュタット市街をうろついてから

都市近郊列車(Sバーン)でフランクフルトへ移動する。



一面麦畑の中を延々と走り、辺鄙なローカル駅から地下へ線路がもぐると間もなく

電車は市街域の地下鉄路線に合流した。



コンスタブラーバッヘ駅

Konstablerwache で下車し

地上に出て、あちこちに掲示されている

コンフェデ杯日本サポーター広告の写真を横目に歩き

マイン川にかかる橋を渡る。



2泊目はフランクフルトYHに空きベットがあったので、

白昼荷物を預けチェックインをした。



ユースホステル前を流れるマイン川の対岸にそびえる、修復工事中の大聖堂を眺めながら付近を散策。

アニメーション、ハイジで観たフランクフルトの街並みからは

大きな屋敷や尖塔が建ち並ぶ通りをひっきりなしに馬車や人々が往き交い

その繁栄ぶりに圧倒される大都会といったイメージを抱いていた。

 

裕福でありながら寂しげな都会の少女クララ、

19世紀後半の優雅な、そして翳のあるフランクフルト・アム・マインの風情にも想いを馳せていたのだが・・・



日曜日ということもあり市内を走行している自動車の交通量はとても少ない。

殆どの店が閉まっている目抜き通りに人影は多くないものの、

コンフェデ杯の開催日なので、市庁舎周辺の観光スポットでは

ナショナルユニフォームのサッカー観戦サポーター達を多く見かける。

近代的なビルが林立している地区が目立つものの、

全体的に市街地はこぢんまりとしている。

 

中心部からさほど遠くない郊外には田園風景が広がっていたし、

思いの外フランクフルトは、ノンビリした地方都市といった第一印象。

 

頭の中で描いていたのとは

違う雰囲気に戸惑いながら

市街中心部の地下鉄、ハウプトバッヘ駅 Hauptwache まで歩いてきたところ

ハイジが山を見たいと頼んで、オルガン弾きの少年に案内された

あの教会の塔(カタリーナ教会)が目の前に建っていた!



教会内では、老人の集どいがひっそりと行われており

塔の上に登りたいと頼んでみたものの

 

「今日は老人会だけなので塔にはあがれない、来週日曜ならば教会の人がいる」

とのことだった。無理いって潜入できる感じではないので断念。

 

*          *          *

 

18時キックオフの日本VSギリシャ戦の行われるヴァルトシュタディオン競技場へと向かうため地下鉄に乗車する。

行先方向と終点駅名が一致する電車に乗ったところ、

経路が違ったらしく、しばらくするとローカルな田舎駅が続く郊外へと出た。

おかしいと思い中央駅まで引き返して来ると、

大勢のギリシャ人サポーターがホームに立っていたので乗り換えすることにする。

 

ドイツの地下鉄というのは、路線毎にホームがあるのではなく

バスの停留所と同じ様な感覚で、一箇所のホームに様々な路線が

入れ代わり立ち代わり入ってくる方式

しかし、それにしてもヴァルトシュタディオンへ往く電車がなかなか来ない。



先ほど間違えて乗ってしまった番号の列車が、またもやホームに入ってくると

何名かのギリシャ人が誤って乗車してしまい、

ホームで待っている大勢のサポーターがとまどっていた。

近くにいて動揺している日本人の女性に、

さっき誤って乗車した番号の路線なので、乗らないほうが良いと教えてあげた。

だが、かれこれ40分待っているのに電車が来ないとのこと。

 

本当に中央駅のこのホームから乗車できるのか不安だといい、

彼女は携帯でフランクフルト在住の友人と連絡をとり、間違えていないことを確認していた。

 

ドイツの各試合開催都市は、交通機関の利便性や警備上の問題など

ワールドカップの予行シミュレートとして力を入れ取り組んでおり

コンフェデ杯のチケットを持っていれば、都市公共交通は無料という特典までもあるのだが

競技場までの代替の効かない移動手段と、少ない列車本数による混乱ぶりについては

深刻にダメだし改善を計って頂きたいものだ。

 

ところでこの日本人女性なのだが、

アナウンサーの中井(古田)美穂さんに容姿&年恰好かなり似ている。

まさか半信半疑、いや一信九疑であるが、

単刀直入に尋ねるのは気が引けたので

サッカー観戦でお休みできるお仕事なのか?

連絡取った友人はマスコミ関係の人なのか?

旦那はスポーツ選手か?

などとヴァルトシュタディオン迄の道中、そことなく質問したところ

言葉を濁しながら、自分はフリーランスで日本で働いている

ヨーロッパには仕事関係の友人が、何人かいるとのことだった。

 

彼女は特等席なんで

ヴァルトシュタディオンの入場ゲートで別れたのだが

満を持して中井美穂さん?と伺ってみたところ、

「よく言われるんですけど、違いますよ。」とのこたえだった。

あの時期あんなところでウロチョロできる人なんて、条件限られているだろうし

ジャーナリストっぽい物腰だったし

けっこう可能性あるのではとドキドキしてしまったが、

中井さんといえばサッカーは専門外だろうし、もちろん別人であろう。

しかし、記念に写真とらせてと頼めばよかった・・・

 

サッカーの国際試合を観戦するのは初めての体験。

ギリシャと日本は座席が分けられているものだと思い込んでいたのだが、

完全に混在している。

ゴール裏の中段中央、GKの視野方向で

ピッチを見渡せるナイスな席なのに、周りをギリシャ人に囲まれてしまった。


FIFAの公式サイトでチケットを購入したのだが、

国別の席指定といった選択肢はなかったので、きっとそういったものなのだろう。

諦めて一人おとなしく観戦することにした。

 

多勢であるギリシャ人サポーター達は

試合前からヒートアップしていて、HELLAS!HELLAS!と気勢を上げている。

 

代表選手がピッチに入場し国歌斉唱してからは、

より一層の迫力でスタジアム全体が、ギリシャの応援で盛り上がり

分離点在している日本サポーターはアウェー孤立状態。

 

しかし、日本代表はよくぞ頑張ってくれた!

相手が欧州選手権覇者のギリシャとは思えないほど

ボールを支配し圧倒している試合だった。

1対0で日本勝利!!

 

ギリシャサポーターのブーイングの嵐ではあったが、

日本代表の中盤のパス回しが、流れるように繋がりお見事であった時は

彼らも頭を抱えつつ感心してくれた。

 

前半は川口のゴールキックやセーブを間近に見れたし

後半は中村のスルーパスに呼応し走りこんだ

大黒の決定点シュートを目の前で見たし、

本当にいい座席だった、いい試合だった。


試合終了後オーニッポンの合唱、大黒コールがこだまする中

周囲のギリシャサポーター達は静かにお帰りになった、してやったり!

 

ユースホステルに戻ると、6人部屋の5人が日本人サポーターで

全体の宿泊者も半数近くが日本人。

コンフェデ杯は3日おきに日本代表の試合があり

オランダでワールドユースも開催されているので、

大会期間中ドイツ&オランダ観光を兼ねて観戦している

学生やサッカーファンが多いようだ。

 

ユースホステルの裏手には日曜の深夜でも営業している

有名な飲み屋街 ザクセンハウゼン Sacsenhausen があり、

日本人サポーター同士で祝杯をあげる。

 

私はヨーロッパが初めてで

飲食店でのオーダーや支払いなどよくわからず躊躇していたのだが、

欧州サッカーマニアの兄ちゃんからイロイロとアドバイス頂いたお陰で

その後の旅行ではビビらずにB級グルメを堪能することができた、感謝。

ドイツもスイスもサービス業で、チップの慣習はないそうだ。

飲み屋でキリの悪い少額の釣銭を受け取らない地元民もいるが、キッチリ貰ってもいっこうに構わないとのこと。

 

フランクフルトYH(ユースホステル)泊 : Haus der Jugend Frankfurt (http://www.jugendherberge-frankfurt.de/)

 

 


 

 

6月20日(月)フランクフルト Frankfurt

フランクフルト市内散策 Frankfurt city
フランクフルト Frankfurt → ヴュルツブルク Würzburg (鉄道)

 

 

6月のフランクフルト

日中はかなり暑いが、朝は爽やかである。

 

陽の光を浴びながら、川面に映える高層ビル群

徐々に街全体が目覚めているようだ。

市電や車が往き来する石橋をくぐって

運搬船が、音をたてながら遡航していく。

 

クララとハイジが花嫁さんに遭遇した教会や、

兵隊の隊列が行進し、渡っていった橋はどれだろう?

なんてことを想い浮かべながら、河岸の遊歩道をのんびりと歩いていく。

 

通勤のサラリーマンや

開店準備をしている商店の人々で

少しずつ市街地はざわめきだっているようだ。

ユニフォームを着用したサポーターの姿は、もう見かけない。

 

平日のフランクフルト市街

建ち並ぶ屋敷の出窓を見上げ

青空を仰ぎながら一人路地を彷徨う。

 

ハイジが高い塔や

冷たい水の井戸を探すべく

屋敷を抜け出し、あちこち迷いながら徘徊していた街角

そんなフランクフルトの風景を、次々とシャッターにおさめていく。

 

路地裏で、オルガン弾きの少年やクララの主治医に、ばったり出くわしてしまいそうな気配がする。

アニメの挿入BGM、マンドリンの小刻みに震える弦の音色が聴覚神経に蘇ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ渡る天に突き刺さる尖塔、レトロな風貌の路面電車、

何気ない異国情緒に酔いしれながら散策し、

ブライダルショップの店頭に立ち止まった。

 

「わたし、本当の花嫁さんになれないの」

とハイジに呟くクララの寂しげな表情を思いだす。

 

クララは不自由な少女だ

それは、身体の具合というよりも、心の在処であり人としての生き方にである。

取り巻きの大人から同情され、保護され大切に扱われ

そのお節介な数々の価値観・道徳観に従い、自ら強く生きていく機会を制限されている。

 

お嬢様として扱われる振る舞いによって、表面的にわがままと映るかもしれないが

彼女は自分を押し殺し我慢を積み重ね、あらゆる力に心身を任せて、その言いなりになって生きてきたのだ。

クララにとって、ハイジは優しい素顔でいられる等身大の心の拠り所であり、

必要不可欠な手放せない存在なのだろう。

 

自分が納得できる価値観でない限り、人に従うことなど思いもつかないハイジ。

その真っ直ぐな心意気とクララの気持ちがシンクロするとき、

クララはあらゆる制限から解き放され自由な呼吸をすることができる。

クララは自分の置かれている問題点を無意識に理解していて、

本質的な自己確立を「花嫁」という言葉に置き換えているのかもしれない。

 

などと、クララの言動を深読みしつつ、ゼーゼマン家屋敷のモデルとなった、

文豪ゲーテの生家(通称ゲーテハウス)の前に来た。

Goethehaus (http://www.goethehaus-frankfurt.de/)

 

観光スポットなだけに、数多くの見学客が開門を待っていると思いきや、

なにやら様子が変、消防自動車が停まっており何だか物々しい、ぼや騒ぎのようだ。

絶好の日和で、フランクフルト・アム・マインの雰囲気に

陶酔していたのがぶち壊しである。

果たして見学できるんだろうか?かなり心配だ!

 

ともかく、入場できないようなので午後にまた出直すことにして、

高層ビルの林立するビジネス街へと行ってみる。

フランクフルトは人口65万人で、

数km郊外は麦畑と森が広がる農村が取り巻いている

規模としては静岡程度だと侮っていたが、

このエリアだけは別格、見事な国際金融都市だ。

 

高いところから街並みを眺めたかったのだが、

高層ビルのほとんどが金融機関のビルで、

入口ゲートの警備が厳しく一般客には開放されていない模様

とても、最上階に上がれる雰囲気ではない。

 

しかたないので、ビジネスマン御用達のカフェテリアで食事をとって過ごす。

ジャガイモを煮たのと、ソーセージとハンバーグのあいのこのような

単純に見える肉料理をセレクトしたが、値段は2品とドリンクで10ユーロほどした。

味は可も不可もなくといったところ。

 

スーツ姿のビジネスマンが真昼から平然とビールを飲んでいる、さすがはビールが麦茶代わり?のドイチュランド。

 

*          *          *

 

フランクフルト中央駅にやってきた。

昨日は、地下駅での

乗り換えだったので

地上で、そのレトロな駅舎の

外観に改めて眺め入る。

 

話には聞いていたが、ヨーロッパのターミナル駅は超巨大!

何故にこれほどまで大規模なキャパが必要なのだろう?

ドーム球場一杯に線路とホームがあるといったイメージ。

 

アルムの山から連れられてきたハイジは

デーテと手をつなぎながら、ボンヤリとしていて

ここに降り立っても、あまり動じてはいなかったようだが?

 

地図をみると、フランクフルト南駅の方向に

タワーがあるようなので行ってみることにする。

南駅周辺の山の手には、閑静な住宅街が広がっている。


市街地のゲーテハウスは、建家自体こじんまりとしている風だったが

こちらは見た目が大きく立派で

一軒一軒がとても綺麗に手入れされている。

どの家もそれなりに古くからの建築なので、

きっとお金持ちが、代々大切に居住されているのだろう。

 

白昼、アジア系の男がこのハイソな界隈をウロチョロしていると

不審者と疑われるのではと心配しつつ

お屋敷をじっくり眺めながらカメラを構えていると、

ファインダーの正面から、

真っ赤に日焼けしたオッサンが、自転車に乗って向かってきた。

そして、よく見てみると彼はパンツを着用せず平然とチャリをこいでおり

なんと全裸ではないか!

あまりに唐突だったので、たじろいでしまいシャッターを切るタイミングを逃してしまった。

意外と大胆なゲルマン民族、日本であれば警察に通報されるのがおちだろうが

ところ変われば、そういうなのもアリなのかも?

それにしても、場所が場所だけにとても住民だとは思えないし、奴は一体何者なんだ?

 

さて、目的のタワーは、Heninngerというビール工場の敷地内にそびえていた。

しかし、タワーのある建物の入口は廃れており

営業しているのかはよく分からない。

もう少し気軽に入場できるなら登ってみたかったのだが・・・

もしかすると時期時間によっては団体客などに開放しているのかもしれないが

工場の守衛と交渉するのも億劫なので断念することにする。

 

*          *          *

 

市街地のゲーテハウスへと戻ってきた。

どうやら、ぼや騒ぎは治まったようで、

消防士や野次馬の姿はもう見かけない。

 

隣接するゲーテミュージアムの受付で

手荷物を預け入場料を払い

中に入ることができた。

 

博物館の建物は、現代アートな雰囲気で

ゲーテにまつわる説明掲示、直筆手紙・原稿

ゆかりの品々が綺麗に陳列されており、

図書館や18世紀頃の絵画を集めた美術館も併設されている。

 

この小洒落た博物館を通り抜け、ゲーテ生家の裏庭へと出て

アニメハイジでクララが日光浴をしていたテラスみたいな空間を通り

裏口から屋敷の玄関ホールへと入ってきた。

 

ゲーテハウスは多くの観光客が訪れる、

フランクフルト屈指の見どころなのだが、華やかな建物ではない。

 

どちらかというと古く地味な邸宅であって

通りすがりの観光客にとって

入場料5ユーロ払ってまで面白いのかどうかは少々疑問である。

フランクフルト指折りの名家であったそうだが、

こぢんまりとしているので、豪邸という印象はあまりうけない。

 

しかし、建造物の作りや間取り、家具・調度品、窓や照明等々を見ていると

ゼーゼマン邸のそれらアイテムそのものであり、まさにハイジファン冥利に尽きる感激が一入である。

 

ここがクララの住むお屋敷の

モデルとなったという事実を知っていれば、

一般客でも更に興味を抱いて

見学できるのではなかろうか?

 

アニメでハイジが暮らした部屋は、

代表作「ファウスト」や「若きウェルテルの悩み」が執筆された

4F詩人の間がモデルと思われる。

 

今思い起こすと、クララの使っていたのに少し似た

ベッドがある部屋もあったような気がするが、

寝室はなんとなく質素な感あり

部屋の設定はいろいろと複合&増長されアレンジされているのだろう。

 

屋敷の前の通りを眺めたかったのだが、

窓を開けようとしたところ係員から本気で注意されてしまった。

セバスチャンのように、快く開けてくれようはずはなく、かなり怒っていた。

各階に私服の係員が潜んでおり、

フラッシュ焚いて撮影すると注意してくるので気をつけるべし。

(フラッシュ焚かなければ撮影OK)

 

秘密の部屋のモデルであろう絵画の間には、

田園風景の絵が幾らかあるのだが

「聖者と羊飼い」に類似した注目に値する作品は、残念ながら見あたらない。

 

屋根裏へと上がっていく階段や踊り場は、

アニメのイメージと極似。

じゃんけん遊びや猫のミーちゃんをかくまうシーンが頭をよぎる。

ハイジが冷たい水を汲んだ、水飲み場のモデルもあるので

当時ロケハンスタッフは、ここで物語の構想をシミュレートしつつ

綿密に取材していたのだろう。

 

写真で見るよりも

実際に訪問すると

どの部屋も案外狭く感じるのだが、

ゼーゼーマン邸イメージの基礎であることは

はげしく確信した。

 

 

ゲーテハウスの廊下や階段に、レッドカーペット敷いてグレードアップし

各部屋床面積を1.5倍くらい増幅させると、その雰囲気とほぼ同じになるように思う。

 

*          *          *

 

ハイジが登った教会塔(カタリーナ教会)のあるハウプトバッヘから

東へ延びる繁華街 Zeil を歩いてみることにした。

並木の歩行者天国の両側に百貨店やブティックが並ぶ賑やかなメインストリートは、

さしずめ銀座か心斎橋といった感じだろうか。

 

フランクフルトの街を展望できる高い所を探し求めさすらっていたのだが

ここに来てZEILGALERIE というナウなショッピング施設を発見。

ZEILGALERIE (http://www.zeilgalerie.com/)

 

吹き抜けになっているエスカレーターに乗って最上階まで上がってみた。

屋外テラスにテーブルのあるカフェ にて、女性店員に写真を撮りたいと頼んだところ

快く満席の景色の良いスペースに立入させてくれたので、客の間に割り込んで撮影をする。

ハウプトバッヘにある教会から近いため、ハイジの眺めた街並みと同様の視界であると思われるが、

お屋敷の壁や切妻屋根に並ぶ煙突は殆ど見えず、周辺の何の変哲もないビルばかりの景色が目に入ってくる。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 Panorama Frankfurt vom Maintower.jpg (参考)

 

フランクフルト市街は、第U次大戦の空襲で壊滅的な打撃を受けたため、

再建された歴史的街並みよりも、戦後開発された地区の方が際だっている。

戦前・終戦の街の様子を比較した、絵はがきを入手した。

        

写真自体は60年経っているので問題ないはずだが、

デザインなどの著作権に抵触しないよう画質加工し参考資料として掲載する。

ちなみに、ゲーテハウスも戦後忠実に建て直した建築なのだそうだ。

 

人通りが多く賑やかな Zeil ストリートを歩き、

フランクフルトソーセージ(ヴルスト)とビールを入手

ドイツの屋台でヴルストを買うと、素手で食べられるようパンが付いてくる。

 

日本の縁日屋台のそれとは異なり、割り箸が刺さった状態で手渡されるのではなく

ホットドックのようなスタイルときもあれば、パンを一つ添えてくれる場合もあり。

ビールは容器ディポジットコミなので、屋台に空きグラスを戻せばその場で返金してくれる。

 

路上で本場?のフランクフルトを、ひとり頷きながら食し満足する。

 

*          *          *

 

ユースホステルに戻って、預けていた荷物を取って

路面電車で中央駅にやって来た。

 

混雑する窓口で切符を購入し、列車に乗る。

車窓に映るマインの流れを、ボンヤリと見つめながら

列車はのんびりと走行した。

 

ロマンティック街道の起点ヴュルツブルクにて下車

ここバイエルン州のユースホステルは、26才以下しか受け入れてくれないので

行き当たりばったりで適当なホテルに宿泊することにする。

 

夏季ヨーロッパの日は長い、22時頃までは昼間のように明るく、

目的地に着くのが遅くなっても十分活動できるので宿探しは容易だった。

 

ヴュルツブルク泊 :HOTEL DORTMUNDER HOF (http://www.dortmunder-hof.de/)

 

 

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