スイス マイエンフェルト 1

 

 

6月24日(金) ロールシャッハ Rorchach ・ マイエンフェルト Maienfeld

リンダウ Lindau → ロールシャッハ Rorchach (船)
ロールシャッハ Rorchach →マイエンフェルト Maienfeld (鉄道)
マイエンフェルト・ハイキング赤コース Red hiking trail in Maienfeld

 

 

朝食のために階下へと降りると、玩具や人形に囲まれて

可愛らしい女の子が一人席に座っている。

テーブルに着いている何組かの宿泊客にモルゲン(おはよう)と挨拶を交わし

空いている席に腰を掛けると

宿のおばさんがコーヒーorティーとオーダーを取りに来た。

ティーを注文すると、おばさんは幼い女の子に

一言二言声をかけて店の奥へと引っ込んでいく。

 

ほとんど放置状態の女の子は、独り言をつぶやきながら

立ち上がったり、仰け反ったり (ゼーゼマン邸ハイジ食事シーンのごとく)

身を乗り出してテーブルの上をあさったりと、少々落ち着きなくお行儀が悪い。

毎日おばさんは、宿の朝食準備を手伝いながら、ついでに孫の面倒をみているのだろう。

本業の夜はそれなりにお洒落で落ち着いたレストランなのだが、朝になるとガラッと雰囲気が変わり

お客も家族も公私混同でアットホームなのが、ドイツの宿ガストホフの特徴である。

 

ボーデン湖の対岸スイスへと渡る船に乗る。

波止場で船員に、未使用まっさらのスイスパスを見せたところ

船の中に入るよう促されそのままスルー。

使用開始の刻印は必要ないのか問うたところ

Swiss Pass はフリー?といわれ

検札手続きをしないまま、無料で乗船してしまった。

 

スイスパスとは、スイス国内ほとんどの鉄道

湖上汽船、市電市バス、郵便バス(Post Bus)に通用する乗り放題乗車券。

スイス国内で購入することはできないので、今回は日本の旅行代理店を通して申請し

2等車15日間パス$310を購入していた。

外国人旅行者が事前に購入できる特典チケットは種類が多く

切符購入時に運賃が50%OFFとなる割引カードなどもあるので、どれを選択するとお徳なのか迷うところだが・・・

参考(http://www.myswiss.jp/transport/sts/index.htm)

 

毎回、駅窓口などで、その都度その都度、切符を買う手間が一切なく

好き放題に交通機関全般を利用できる

オールマイティーな点が気に入ったので、スイスパスにしたのだった。

これ一枚みせれば、車掌や駅員を黙らせ

正々堂々いつでも列車やバスに自由に飛び乗り、あてもなく放浪ができるのだ。

 

船は途中小さな港に立ち寄り

桟橋から多くの人々や自転車を吸い込んでいく。

湖上汽船は庶民の足として利用されているようだ

ローカルな日常の風景が旅情をかき立ててくれる。

 

風のない穏やかな湖面に、

数隻のヨットが漂っている。

上空には飛行船が、ただただぽっかりと

そこにあるがまま浮かんでいる。

平穏な景観と、ゆるやかな時間の流れ。

 

船は、湖水を隔てた

スイス側の港町

ロールシャッハに接岸した、とうとうやってきてしまった。

憧れ続けてきたSwitzerlandの地に遂に一歩を踏み出した。

 

ロールシャッハの港付近は、賑やかな市街地なのだが、

あちこち歩きまわっても不思議と銀行が見あたらない。

交換率が若干悪いものの(CHF1=\90)

駅窓口で、外貨換金できるようなので

スイスパスの使用開始スタンプを押してもらい

ついでに旅行小切手を、スイスフランCHFにチェンジする。

 

港にほど近い市街地で

大手スーパーMIGROSを見つけた。

ドイツもスイスも、空港や駅構内で買い物をすると

物価が高いように思うが、

実はキオスクは、商品に市場価格の2倍近くの高値をつけて販売し、ボッタクリしているのだ。

 

スイス全土にチェーン展開しているMIGROSは、中間コストを徹底的に排除し

生産者と消費者を直結させる、流通業のモデルケースとして

世界的に有名な優良生活協同組合。

日本のスーパーとさほど変わらないとも感じるが

企業理念がしっかりしており、品質管理と適正価格が徹底されているそうなので、

早速食料品売り場で買い物をしてみる。

 

MIGROSオリジナルブランド商品

「ハイジヨーグルト」@CHF1.7  オリジナル板チョコ@CHF0.6

目に付いたものを、適当に手に取ってみる。

「ハイジヨーグルト」穀物シリアルがターップリで量が多く

見た目も食感もかなりドロドロ、美味しいかと問われると?だが

栄養面で健康によいのは確かではなかろうか。

価格はリーズナブルだし、日本人の口に合うかは微妙なものの、チョコもパンもまぁまぁ美味い。

物価高のスイスではあるが、スーパーマーケットの中にいるときは何となく心が落ち着くようになった。

 

ロールシャッハはボーデン湖の東

ライン川が注ぎ込むオーストリア国境に近く、

古くから交易で栄えた由緒ある町とのこと。

性格・精神鑑定に用いる墨絵検査、

ロールシャッハテストゆかりの地というわけではないようだ。

 

スイスにやってきて気持ちは高ぶっているものの

だからといって、変わったことといえば、ユーロが使えなくなったことと

スーパーMIGROSの店舗があるくらいなもので、

市街の様子はドイツの田舎のちょっとした街並みとなんら変わらない。

 

しかし、ボーデン湖畔に拓けた町々を結ぶ近郊列車を

港駅のホームで待っていると・・・

ドイツの田舎路線では想像もつかない、流線型の輝く車両がやってきたではないか。

座席のデザイン&色彩がスタイリッシュ、やはり、ここはスイスなんだと納得する。

 

ロールシャッハからマイエンフェルトへは、

ライン川に沿ってローカルな路線が走っている。

しかし、アニメーションでハイジがフランクフルトへと往復した経路は

この路線ではない。

 

ハイジはフランクフルトから

ライン川に沿って南下し、

車内で一泊してチューリヒで乗り換え

山間を通って帰ってきたと思われる。

 

そうとはいえ、ボーデン湖からライン川の上流へと向かう

このローカル線は、湖畔に開けた平地からアルプスを望み

しばらくすると、次から次へと左右の車窓に連なる山々が迫ってくるので劇的な感動がある。

ハイジ帰郷の一シーンを思い浮かべながら、列車の窓を開け身を乗り出してしまった。

 

夢にまで見た、万年雪を頂く山々が!

色とりどりの小さな花々が!緑色に広がるアルムの牧場が!

山村の教会の尖塔が!そよ風になびく樅の木が!

山羊が、ピッチー(小鳥)がヨーゼフが!小さな小屋の戸が、アルプスのあの子が!

きっと、この先で私を待ち構えているに違いない。

 

*          *          *

 

ボーデン湖畔を出発してから1時間弱、

列車は高速道路上の大型トラックを横目にスピードを上げ、どんどん突っ走っていく

望郷一番星、 あれよという間にハイジの故郷マイエンフェルトに到着。

 

フランクフルトからの汽車の旅は、遠路遙遙、とても長い道程であった。

思えば ハイジは、随分と離れたところへ拉致(つれ)さられていたもんだ。

しかし、スイスに入国してからは実にあっけなかった、

こんなにも簡単にマイエンフェルトに

訪れることができるとはちょっと驚きである。

 

日射しの強い、

白昼の閑散とした駅前に降り立った。

人影がない、誰もいない、動くものが何もない

小さな駅舎といい、簡素なバス停といい

観光地という雰囲気にはほど遠く

ハイジの故郷である飾り気のない、アルプスの山麓駅に来たという事実に感動する。

 

ところどころに日本語の案内があるので、

おそらく日本人観光客が多くやってきているのは確かなようだ。

 

ともかく、早く荷物を置いて、ハイジの面影を見つけに街へと繰り出したい。

駅前のメインストリートに何件かのガストホフが並んでいるので

まずは宿を探すことにした。

正午過ぎなので、昼食客などの対応をしているかと思いきや、

レジ受付に人がおらず、チェックインできるのかどうか良くわからない宿が数軒。

少し、歩いたところでBed&Breakfastと書かれた

会社オフィス兼、宿屋があったので中を覗く。

昼休憩中のようであったが、

事務所の人が親切丁寧に対応してくれたので、荷物を預け泊まることに決めた。

 

晴天とは、まさにこの天気!

蒼色に広がる空の下、

山麓の翠がまぶしく光り輝く。

文句のつけようのない日本晴れ、いやスイス晴れである。

 

駅前通りの先にある家々の背後に、そそりたち迫りくる山々の峰

そのくっきりした輪郭を見つめ、澄んだ空気を大きく吸い込む。

 

街角の要所要所で見かける

ハイジの道1.5hコースの赤標識 Heidiweg

に従い歩きはじめた。

 

ブランディス城という、

古い石造りの塔の脇道を上っていく。

 

マイエンフェルト領主の居城であった

この建築物は、高級レストランホールとして、現在は利用されているようだ。

Schloss Brandis (http://www.schlossbrandis.ch)

歴史ある古城をそのまま会館としているのだろう、

何かの式典をやっている様子で、内部からピアノの音色と拍手の音が漏れてきた。

 

城門の向かいにある民家には、扉窓が並んでいる。

「あらまぁ、デーテじゃない!」窓から顔が覗いて、

住民のおばさん達が、

ハイジの叔母に声をかけるシーンを想像してみた。

 

そんな庶民の生活感漂う小路を上った正面で、

4方向に水を吹き出している見覚えのある噴水にぶつかった。

幾度か、山を降りてきてマイエンフェルトに立ち寄ったハイジ、

その度、流れ落ちる水に頬を寄せ美味しそうに喉を潤していた、あの噴水である。

どうやら、町の中心である役場前の広場に入ってきたようだ。

 

目の前に建っている、マイエンフェルト役場。

この現実の風景と、アニメーションで観た世界とは何が異なるのだろうか?

【 動画 】

高畑監督をはじめとする当時のアニメスタッフは、

見事にその風景を描ききっている。

しかも、それはアニメという手法であったからこそ、

更なる物語の真に迫った、表現を成し遂げているのだろう。

 

広場の真ん中に噴水を配して、

役場の後方にアルムの山の峰を、雄大に連ね広げている。

たとえ建物に遮られ、広場のどの位置からも視界に山が入ってこなくても、

ハイジの物語をリアルに感じ取ることで、

町の中心的象徴と同時に、

写真には映らない、その舞台の奥行きまでをも描くことができる。

 

「アルプスの少女ハイジ」は作り話という次元を飛び越え、

その魅力は、この地を舞台に活き活きと生き続けている。

デフォルメの違和感のない現存する物語の舞台、マイエンフェルト

しばし立ちつくしフィクションとはいえない、ハイジのライブな世界に辿り着いた喜びを噛みしめた。

 

ハイジの生まれたデルフリ村は、

作者ヨハンナ・スピリが創作した架空の村落であるが

ハイジとデーテ叔母さんが、マイエンフェルトから

アルムの山小屋に行く途中で立ち寄ることから

その距離や位置方向的に

モデルとなる小さな集落は特定できる。

 

そして、物語で表現されていた教会や屋敷のある村の様相から想定すると

そのイメージは民家数軒で構成されている小さな集落だけにとどまらない。

 

隣町のマランス Malans 、周辺のイエニンス Jenins 、フレーシュ Fläsch といった村々

ビュンドナーヘルシャフト Bündner Herrschaft と呼ばれる

これらライン川の東に広がる山麓

スピリはマイエンフェルトを中心とした、この地域全体からインスピレーションを受け、

デルフリ村という舞台を描写したと考えられる。

 

役場の脇から路地に入り周辺を一人で歩きながら

ハイジの父母であるトービアスやアーデルハイト

ハイジの出生についてを詳しく知っている村人たち

そんな人々が暮らしたかのような、家々の雰囲気を空想してみた。

 

ハイジが生まれた部屋は、どんな感じだろうか?

泉の奥にある建物の二階、

いや、ブーゲンビリアの鉢植えが玄関に掛かっている、あの家の角部屋のような感じでもいい。

ついつい一軒一軒の戸口や窓を見つめ、そのロケーション設定に思いを巡らしてしまう。

 

路地で水遊びをしている子供から

「コンニチハ!」と日本語で、声をかけられた。

ハイジDNAを保有してそうな、なかなか元気で活発な女の子達である。

その後も、街角ですれ違う子供や若者から、度々日本語で挨拶言葉を交わされる。

 

ハイジの物語の舞台にて、その登場人物達が

妙に日本人観光客馴れしているのには

戸惑いを覚えるものの

元気のよい挨拶にスマイルで受け応えした。

 

葡萄畑の道

叔母に手を引かれ

息切れしながら早足でのぼってくる

赤いショールに重ね着姿の女の子。

 

召使いとともに馬車に揺られながら、

里帰りの喜びで興奮気味に、飛び跳ねる都会風に着飾った少女。

 

何かに干渉されようと、誰かに気遣いされようと、

そのとき彼女は、ただひたむきに、一目散にアルムへと歩を進めていた。

 

そんな、ハイジの景色である坂道を上がっていくと

周りに木々が取り囲みはじめ

やがて、木漏れ日の差す緑の中へと

ハイジ赤標識コースは導いてくれた。

 

森が開けてくると、

公道を挟んだ道路の脇にある、ハイジの泉が視界に入ってくる

山々に抱かれる森の中に開けた、あたたかい高原。

 

男の子、女の子、大きい子、小さい子、

野原の向こうへと子供たちが小走りで消えていった。

地元の子だろうか?

売店と駐車場があるものの、付近に大人の人影はない。

 

この夏、あの子たちは自由奔放に

大自然の中を駆け回る毎日なのだろう。

ハイジの像は、そんな子供たちの声が遠く響く中で

流れ出る泉の水をのぞき込んでいる。

 

ハイジの泉を折り返して、赤い標識にしたがって歩き続け

木枝の茂る木陰の道をしばらく進むと、

やがて民家が点在する高台へと出る。

マイエンフェルトからアルムの山に向かって

最奥の集落、オーバーローフェルス OB.Rofels

ここがハイジの生まれた架空の村である、デルフリの位置関係に相当する。

 

この地区はハイジ村 Heididorf とも呼ばれ、往年のスピリが滞在していた民宿アンナホフ(現ハイジホフ)があり

そこから少し歩いたところにハイジが暮らした冬の家とされるハイジハウスと

みやげ物店ハイジショップがある。

Heidihaus(http://www.heidi-swiss.ch)

 

この家は、ハイジの出版物挿絵において多用されてきたことで

そのモデルといわれ続けてきてはいるが、

スピリが物語の中で描いた冬の家は

村出身の一財を築いた、軍人が建てた

お屋敷の廃屋という触込みであり

このような庶民の民家であるとは思われない。

 

この家屋、数年前まで一般の方がお住まいでいらっしゃったそうだが

現在は財団が補修改装し、ハイジハウス(博物館)として故きを温め、

年代物の家具・日用品などが陳列展示されている。

 

ハイジショップで販売されている入場券を買いにいったところ

大勢の日本人団体客がいらっしゃった。

しばらく周辺で待機し見学者が一掃し空いたところで、家屋内を見て回ることにする。

 

マイエンフェルトを一望する高台にある

水飲み場を囲んだ小さな集落。

沢山の花が植えられた、庭に残る垣根や塀

周囲に広がる牧草地

 

何世代にも渡って

受け継がれてきた、素朴な生活風景がそこにある。

 

大勢の観光客は、ハイジの暮らしたアルプスの雰囲気を感じとり

この小さな高台の集落に訪れただけでも、大半はそのイメージに満足することだろう。

 

入場券を挿入し、ゲートを回して家屋の内部へと入っていく。

農具や器具が保管されている暗い半地下室を横手に、階段をあがると

テーブル卓でくつろぐ、ハイジとペーターが迎えてくれる。

 

ハイジが読んでいるのは手紙だろうか?

誰の書いた文なのだろう。

 

ペーターの方は楽譜をみている。

もしや「緑色の翼」

それとも「のばら」では?

と期待したのだが、違うようだ。

「cf59」と表題にあるが何の曲だろう?

 

ペーターのお祖母さんご愛用の

糸紡ぎ車の上棚にあるのは、

ハイジが読み聞かせした、あの「詩の本」だろうか?

 

スピリの母親である宗教詩人、

メタ・ホイサーの

著作かもしれないと思い、

字面を手にとって眺めてみたが・・・

 

ドイツ語表記で且つ大角の旦那(アイベックス山羊)

のような難しい書体形状である。

1847年出版の聖書?残念ながら読解不能。

とりあえず写真には収めたが、

ピンぼけになってしまった。

各部屋には、伝統的な生活用具の数々が

ところ狭しと並んでいる。

一つ一つをよく見ていくと

心当たりのある小道具が、あちこちに

転がっている。

 

おんじが、パン屋に啖呵を切って

チーズとの物々交換を拒んだときに担いでいた篭

 

ペーターが、クララを山の牧場に連れて行くために自作し

斜面滑りの危機にも一役買った背負子

 

ちょうちょの森で洗濯おばさんから譲ってもらった籠

 

沢山の子猫が飛び出してきた、

いや、白パンを沢山詰めて、フランクフルトから持ち帰った大きなバスケット

現物にお目にかかれるとは、なんとも感激である。

 

このハイジハウスの資料収集にあたっては、

情熱あるアニメハイジ通の方が、関わっていたことが察せられる。

 

干し草敷きベッドの

寝室の窓に広がるライン谷

 

山小屋生活のような風情もまた、いとよろし。

 

各国のハイジ翻訳本が展示されている一角には、記帳ノートがおいてあり、

日本人・米国人・ドイツ人・・・

ワールドワイドな訪問者カキコを拝見することができる。

 

 

数ある書籍の中で

興味深かったのは、

1942年

Zurich Silva出版の HEIDI

 

挿絵が名刺大の貼り付けカードになっており、

そのキャラクターデザインが、実に劇画!

 

原人顔の、粗暴ペーターが

気になるものの

その場面レイアウトや、

小道具設定などは注目に値するのではなかろうか。

クララの衣装や車椅子は、アニメのデザインに極似。

 

特筆すべきは、

ハイジ冬の家の場面設定。

 

アニメーション、ハイジに影響を与えていると考えられるイラストである。

 

高台のオーバーローフェルス集落から

マイエンフェルト市街へと下る道へと

ハイジの赤い道標識は続いていく。

 

途中に、大きな葡萄農家を

取り囲んでいる敷居塀が

城郭のようになっている箇所があり

ハイジの冬の家廃墟のモデルであるかのような

構えの門と壁が残されている。

 

ここは、アニメ未来少年コナンで

主人公コナンが、

親友であるジムシーに出会った

島の廃墟風景のようでもある。

宮崎駿氏の作品に影響を与えた、

インパクトのある原風景を辿ることができ感激してしまった。

 

マイエンフェルト周辺のこの地域、

当世アートなオブジェを道端で時たま見かける。

もっとも、マイエンフェルトに限らず

スイスという国自体が古き風情を保持しつつも

どこかしら、綺麗に洗練された、今風の様相を帯びているように感じる。

それは、近郊電車のスタイルであったり、紙幣のデザインであったり・・・

 

本日の宿もまた当世風であり、

窓の外はアルプス山麓の

素朴な田舎町であるにもかかわらず、

ある意味似つかわしくないモダンな部屋であった。

お洒落で綺麗、清潔なことこの上なしなのだが、

 

ハイジの故郷マイエンフェルトという土地柄、

もう少し古くさい佇まいで雑然とした雰囲気なほうがしっくりするように思う。

干し草のベッドで星を仰いでというのが、本当は一番よいのかもしれないが・・・

 

アルプスの大自然の息吹を肌で感じようと、

夕焼けを拝みに外出し高台まで歩いてみた。

しかし、天気は翳ってきており

残念なことに、太陽はアルムの山へと

自分の一番美しい光を投げかける、

おやすみの挨拶をしてはくれなかった。

 

*          *          *

 

宿へと戻ってきた。

部屋には、机がなかったので、

洗面流しのスペースを台として利用してみる。

 

ところで、この洗面台の蛇口、ドイツの某社製なのだが、

機能的であるし、洗練されたデザインが素晴らしく格好がいい。

 

この某社日本支店に勤めている友人がおり、

日本では希少で高級な質感ある

このメーカーの製品については以前から知っていたので

欧州に行った折りには、現地で是非ともチェックしてみようと考えていたのだが、

ドイツを旅してもお目にかかれず

何かとスタイリッシュなスイスにきて、ようやく現物にふれることができた。

 

昼間、ワイナリーで購入した、赤ワインを一杯嗜んでみる。

正真正銘100%アルプスの水と土が育んだ、ハイジワイン(マイエンフェルダー)

アルコールとマイエンフェルトのエキス?を流し込み、スイス一泊目の夜の眠りについた。

 

マイエンフェルト泊 : Victor's Bed & Breakfast (http://www.victors-hotel.ch/deutsch/hotel.html)

 

 


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