2013年6月26日更新
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速報
狭山事件 無実訴える石川さんの「今」

ドキュメンタリー監督・金聖雄さんに聞く

 「人権と報道 関西の会」の例会が6月22日、大阪市北区の会議室で開かれ約20人が参加した。
金聖雄監督
 埼玉県狭山市で1963年に女子高生が殺害された「狭山事件」で無期懲役が確定し、再審を求めている石川一雄さん(仮釈放中)が、無実を訴え続けている姿を追ったドキュメンタリー映画「みえない手錠をはずすまで」を制作している監督・金聖雄(きむそんうん)さんの話を聞いた。

 映画はクランクアップしており、現在は編集作業中。今秋完成予定という。

 事件発生当初から被差別部落出身の石川さんに対して「差別による見込み捜査」があったと指摘され、「でっち上げ」「冤罪」の可能性を指摘されながら、77年に無期懲役が確定した。石川さんは控訴審から無罪を主張、3度にわたる請求をしているが、再審の門戸は開かれていない。

 金監督は、発生から50年の節目を迎えた石川さんに向き合い、その素顔を伝える作品への思いを語った。
 この人が犯人であるはずがない             ――金監督
 金監督は韓国籍の在日2世である自身について、若いころは、在日朝鮮・韓国人を取り巻く社会的な動きに積極的に関わるより、音楽やサーフィンに興じる「ノンポリだった」と振り返った。さらに、映画監督として手がけた在日1世の女性の日常の姿を追うドキュメンタリー「花はんめ」の制作過程を舞台裏のエピソードを交えながら、素顔の「在日1世のおばちゃん」たちに共感しながら、「心に響いたものを撮ってきた」という自身の映像作品への取り組み姿勢を語った。
作品について語る金監督
 40年間に及び「無実」を訴え続ける石川さんの姿を追うドキュメンタリーに着手。石川さんの私生活に密着しながら、「冤罪」「差別」などを声高に主張するのではなく、丁寧に石川さんの人となりを紹介する姿勢に徹している現場の雰囲気を紹介した。
 金監督は、第3次再審請求で、これまでは行われなかった裁判所、検察、弁護側による「3者協議」が行われたことに触れ「再審への期待が少し高まった」とした上で、「現場でスタッフが小さなネジを落として見失った時、本当に心配して一生懸命探してくれた石川さんの人柄に触れ、私は『この人に犯人であるがずがない』という確信しました」と締めくくった。
3度目の再審請求で三者協議開催―2009年
【狭山事件】
1963年5月埼玉県狭山市で行方不明となった女子高校生の自宅に現金を要求する脅迫状が届き、3日後に遺体が見つかった事件。

警察は受け渡し場所に張り込んだが、犯人を取り逃がし、その後石川さんを別件逮捕。長期拘留と、自白の誘導、石川さんが書けなかった文字を含む脅迫状を石川さんの筆跡と断定するなど強引なつじつま合わせで立件。

強盗殺人罪などで起訴された石川さんは、犯行を「自供」していた一審で死刑判決。控訴審では「自白は警察の誘導による」として、無罪を主張したが、無期懲役の有罪判決。最高裁で刑が確定した。
1994年に仮出獄。
石川さんは、再審請求を続けており、2006年に第3次請求。
2009年 三者協議が初めて開かれた。
 見えない手錠をはずすまで
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