1月の絵本の紹介

 子どもは「ことば」を食べてゆたかに育ちます。
テープやテレビなどの機械音ではなく、お母様や身近な人の口から出る言葉を聞いてすべてのことをわかっていくのです。
子どもたちに、たくさん話しかけてあげてください。
おはなしをしてあげてください。
そして、絵本をたくさんよんであげましょう。
絵本は子どもが「読む本」ではなく「読んでもらうもの」です。
やさしい音声とことばの中で、子どもは絵本の世界に入り込んで心を遊ばせ養っていくのです。

1冊の絵本の紹介  
ねずみのすもう
ポプラ社 大川悦生作 梅田俊作絵

ある日おじいさんが山にいってみると、ふとったねずみとやせたねずみがすもうをとっています。
何回やってもやせたねずみは放り投げられて負けてしまいます。
やせたねずみが住んでいる貧しい家のおじいさんとおばあさんはそれを見てかわいそうに思い、おもちをついてねずみに食べさせます。
やせたねずみはだんだん力がついてきて、ふとったねずみに互角に戦えるようになります。
不思議に思ったふとったねずみがその理由を聞いて、自分もそのおもちが食べたいとせがみます。
長者の家にいたふとったねずみは、黄金をおみやげにやせたねずみのところへやってきます。仲良くおもちを食べた二匹のねずみは、また力いっぱいすもうを始めました。

お正月にゆっくりと昔話をするように読んであげたい絵本です。昔話には体温があります。ほのぼのとした世界の中に、競う楽しさ、分かちあう喜び、ユーモラスな仲間意識が見え、また、そのねずみたちを見守るおじいさんおばあさんという大きな慈しみのまなざし、そんなものが子どもの世界とフィットして、心温まる時空をつくり出します。