1月の絵本の紹介

 子どもは「ことば」を食べてゆたかに育ちます。
 テープやテレビなどの機械音ではなく、
お母様や身近な人の口から出る言葉を聞いて
すべてのことをわかっていくのです。
子どもたちに、たくさん話しかけてあげてください。
おはなしをしてあげてください。
 そして、絵本をたくさんよんであげましょう。
絵本は子どもが「読む本」ではなく「読んでもらうもの」です。
やさしい音声とことばの中で、
子どもは絵本の世界に入り込んで心を遊ばせ養っていくのです。

1冊の絵本の紹介

「アイウエ王とカキクケ公」

 武井 武雄 原案     三芳 悌吉 文と絵     

童心社



豊かで平和なアイウエ王国のアイウエ王は、隣の欲深で戦争の大好きなカキクケ公国のカキクケ公にだまされて、タチツテ塔にとじこめられてしまいました。

アイウエ王国の人々はカキクケ公にいじめられて暗い日々を送っていましたが、「もう、こんな暮らしはたくさんだ」と、みんなが慕うサシスセ僧と相談をしてカキクケ公の軍隊を追い出す計画を立てました。

サシスセ僧は、ハヒフヘ法をみんなに教えました。

それは、マミムメ猛という猛獣のかたちをした戦車を作り、真っ暗な夜に敵を攻める戦法でした。名づけて、ヤイユエ夜 計画。

ヤイユエ夜計画は大成功。

カキクケ公国の兵隊たちは みんな ラリルレ牢に閉じ込められました。

アイウエ王国には また 平和がよみがえりました。

アイウエ王は、王の位を譲り、若いワイウエ王が誕生しました。

ワイウエ王はサシスセ僧と力を合わせて国を治めたので、人々は末永く楽しくくらしましたとさ。


この本は1982年に第1刷が出版されています。

2004年に15刷が出されましたので、この間、たくさんの方々に親しく読まれてきた絵本といえます。

シンプルで傑作なお話は すらすらと流れるように入ってきて、その絵の素晴らしさと一緒にいつまでも印象に残る絵本です。

このお話は、昭和のはじめ頃、無声映画時代にスクリーンの前で語られたお話だったのだそうです。

三芳さんはそのお話がとてもおもしろく、いつまでも覚えておられ、いつか絵本にしたいと思っておられたところ、そのお話のもとが、大正時代に 武井 武雄さんが書かれた童話だったということを知り、武井さんの了解を得て、念願の絵本にすることができたという経緯も興味深いものがあります。

本当に、おひざの中でも、お風呂に入りながらでも子どもにおもしろおかしく語ってあげられるような、そんな流れとおもしろさをもっている絵本です。

どうぞ、お正月、ゆったりと 大人も子どももこのお話を 一緒に楽しんでみてください。