6月の絵本の紹介

 子どもは「ことば」を食べてゆたかに育ちます。
 テープやテレビなどの機械音ではなく、
お母様や身近な人の口から出る言葉を聞いて
すべてのことをわかっていくのです。
子どもたちに、たくさん話しかけてあげてください。
おはなしをしてあげてください。
 そして、絵本をたくさんよんであげましょう。
絵本は子どもが「読む本」ではなく「読んでもらうもの」です。
やさしい音声とことばの中で、
子どもは絵本の世界に入り込んで心を遊ばせ養っていくのです。

1冊の絵本の紹介  
おおきなクマさんとちいさなヤマネくん
「あめのもりのおくりもの」

ふくざわ ゆみこ作       福音館


森に嵐がきています。

雷が嫌いなクマくんが、おうちのなかでふとんをかぶって震えていますと

元気な元気なヤマネくんがやってきました。

そして、なないろだに咲いたアジサイの花を見に行こうと誘うのです。

こんな雨のなかを?と クマくんが困っていると大きな雷の音!

クマくんはもうだめ。キャンセルです。

するとヤマネくんは
 「じゃあ ぼくがアジサイの花を持ってきてあげる」
といったかと思うと、クマくんの止める声も聞こえないで
 外に飛び出していってしまいました。

心配でたまらないクマくん。

でも外に出たら雷がおちてくるかもしれない。

そんなクマくんの家に水が入り込んできました。

あわてて外に出て見ると、なないろ川があふれて洪水です。

川上の方から、木の枝が木の葉と一緒にアジサイの花が流れてきました。

ヤマネくんが危ない!

クマくんは雷の音が鳴り響くなか、なないろだにに向かってすごい勢いで駆けつけました。

すると「たすけてー」という叫び声、ヤマネくんの声です。

アジサイの花にヤマネくんがしがみついています。

クマくんが「今、助けにいくからね」と叫んだとたん、ヤマネくんはアジサイの茎が折れて、川の流れにのみこまれてしまいました。

クマくんは急いで川に飛び込むと、ヤマネくんを拾い上げました。

「ごめんね。アジサイの花をクマくんに見せてあげたかったんだ」

とヤマネくん。

「ありがとね」「ありがとね」

2人は顔を見合わせてほほえみました。



おおきなクマくんとちいさなヤマネくんシリーズの4冊目が出来上がりました。

この時期にぴったりの 季節感あふれる物語です。

おおきなクマくんとちいさなヤマネくんのお話も4冊目になると、もう他人ごととは思えず、なんだか身内のような親しさを感じてしまいます。

大きなダイナミックな絵は、大きいものと小さいもの、横と縦というふうにさまざまな視角から描かれて動きがありますし、ことばもその絵とお互いに邪魔しあうことなくスムーズに溶け合っています。

このシリーズの本はどれも、ことばが素直でなめらかなので、子どもたちに語る時にとても読みやすく、また、ことばが子どもたちのなかに入っていっているなと実感します。

今回の2人の対比も意表をついていてほほえましく、スピード感のある展開の最後はほのぼのとしたいつもの2人のあたたかさに落ち着いてホッと安心感と満足を与えてくれます。