4月の絵本の紹介

 子どもは「ことば」を食べてゆたかに育ちます。
 テープやテレビなどの機械音ではなく、
お母様や身近な人の口から出る言葉を聞いて
すべてのことをわかっていくのです。
子どもたちに、たくさん話しかけてあげてください。
おはなしをしてあげてください。
 そして、絵本をたくさんよんであげましょう。
絵本は子どもが「読む本」ではなく「読んでもらうもの」です。
やさしい音声とことばの中で、
子どもは絵本の世界に入り込んで心を遊ばせ養っていくのです。

1冊の絵本の紹介  
「はるかぜさんといっしょに」

えとぶん=にしまきかやこ
こぐま社



あるひ、こんちゃんはにわのさくらのきのしたで、えほんをよんでいました。
すると、はるかぜさんがさあーっとふいてさくらのはなびらをとばしました。
「かぜさーん、はなびらどこまでとばすの」
と、こんちゃんがきくと、
「さあ、どこまでかな」と、はるかぜさんはこたえました。

「ついていってみようか」
こんちゃんはしろにあいずをして、はなびらのあとをついていきました。
じめんからかおをだしたへびも、うしろからついていきました。

たんぽぽすみれ、つくしにわらび。
のはらは、はるがいっぱいでした。
ながいぎょうれつが、のはらをよこぎっておかをのぼっていきました。
「ああ、なんていいきもちなんでしょう」
みんなはむねいっぱいにはるのくうきをすいこみました。

はるかぜさんは、きのうえでおひるねをしました。
こんちゃんとしろとへびは、
きのしたでおひるねをしました。
あとからおかをのぼってきたまちのひとたちも、
「あ〜ぁ」と、おおきなあくびをして、
じぶんのすきなところで、よこになりました。

まちのひとたちはみんな、おかのうえでおひるねをしました。
おひさまはおきていて、にこにこしながらみんなのねがおをみていましたよ。


☆絵も文も春の色彩に溢れた絵本ですね。
読んでいると春の日差し、さわやかな風、野山の香りに包まれているような心地になって、こちらまでこんちゃんにつられてのんびりとおひるねがしたくなってしまいます。

こんちゃんを筆頭に、しろ(犬)、へび、パンやさん、はなやのおばさん、さかなやのにいさん、バスをまっていたひとたち、みちをあるいているひとたち、じどうしゃにのっているひとたち、まどからかおをだしたひとたち、まちのひとたちが、みんなで風に吹かれるさくらのはなびらを追いかける一団になっていく様は、春という季節だけが持っている、誰しもが外に出かけたくなるような、ウキウキとした楽しい気持ちになる様子が表れているようです。
そして、おひるね。
花の咲く野原でおひるねが似合うのも、春という季節そのものですよね。
そんな“春らしさ”をみんなに連れてきてくれるはるかぜさん。
みなさんも空を見上げて地面を眺めて、はるかぜさんとのんびりお出かけしてみませんか。