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韓国コラム

韓国の食文化
第3回 2005.7.11
このコラムも3回目です。

本当は月1回の更新予定だったのですが、何をトチ狂ったのかもう3回目ですからね、ネタも切れそうですよ。聞きたい事等ありましたら、遠慮なく言ってください。てか無理してでも聞きなさい。お願いします。というわけで、第3回をお送りします。テーマは「韓国の食文化」についてです。一部「韓国出張記(改訂版)」で書いた内容と被る部分もあったりしますが、その辺は大目に見てやってください。



まず韓国での食事のマナーについて紹介しましょう。

韓国での食事は基本的に箸とスプーンで行います。これらは自分の右側に縦に置きます。日本は横向きに置きますから、ここは若干戸惑うところです。また、韓国では皿を持つことはしません。まあ大半が鍋物や大皿で出てくる料理ですから、持ち上げようと思うとそれなりに大変ですし、無理はするなということです。さらに、食事は座敷スタイルでする事が多いのですが、あぐらをかくのが正式で、女性は片膝を立てるのが良いのだそうです。

続いて食べ方ですが、日本ではタブーとされている「箸と箸」の習慣は韓国ではオッケーです。因みに、韓国でこれに相当するのは「飲みかけのグラスに注ぎ足す事」だそうで、これをやると大抵不快な顔をされてしまいます。お酒を勧める時はまず、グラスを空けてもらうよう促し、なくなってから注ぐようにします。正直これはお酒の飲めない人にとってはかなり迷惑な習慣で、お酒を勧められると必ず1杯は空けなければならないと言う事ですから、かなりへべれけになります。

また、韓国ではご飯と汁物を混ぜて食べる、いわゆる「ねこまんま」も普通に大丈夫です。ただし、この場合、汁にご飯を入れるのが正しい食べ方です。また、醤油等はダバダバっとかけたりはせず小皿に出して、つけて食べるのが正しいようです。一度私、店で餃子が出てきたときに醤油をぐるっとかけた事があるんですけど、速攻店のおばちゃんが飛んできまして、「何てことするんだ!」と怒って取り替えてしまいました。その時は何がいけなかったのか良くわからなかったんですけど、とりあえず次は小皿に醤油を出したところ、怒られる事はありませんでした。醤油をぐるっとやったのがいけなかったんですね。おせっかいな人は真面目に交換とかしてくれちゃいますから、これは注意が必要かと思います。



韓国の「食」に対する考え方ですが、韓国では昔から、食を薬とする考え方があります。即ち、「正しい食生活は百薬の長」という事です。食材の全ては何らかの効能と何らかの毒を持っていると考えられており、体調や食事の時間に合わせて調理法や食材の組み合わせ、また食べ方等に細かな配慮がなされました。水でさえも、体調に合わせて飲む時間、温度、加える物、また飲み方までが細かく決められていたようです。現在でこそそういった風習も少なくなってはいますが、未だ「食い合わせ」に関しては細かく、「これを食べる時にはこの酒がいいんだ」といった話を食事の度に聞かされます。こういった文化は古来中国より伝来した考え方が韓国で独自の発達を遂げたもので、その一部は日本の食文化の中にも生かされています。ちょっと考えてみると、身の回りにも意外とそんな食材が潜んでいるかも知れませんよ。


日本は文明開化以降、海外からの食文化をコピーする事に必死になり、日本特有の食文化というのは影を潜めつつあります。その結果、日本人は多くのものを得ましたが、同時に多くのものを失いました。確かに日本人の体型は西洋風になりつつありますし、平均身長も伸びてきています。体はほっそり胸だけボン!っておねえちゃんを見る機会も多くなりました。まあ何か入れてるのかも知れないですけど。また、コピーした外国の食文化も日本で独自の発達を遂げ、今や私たちの生活には欠かせないものも少なくありません。とはいえ、その影には生活習慣病や肥満の増加など、多くの弊害を産んでいるのも事実なのです。もちろん日本の食文化が絶えてしまったというわけではありませんが、本来庶民の食事であったはずの伝統料理は今や高級品として扱われ、なかなか食べる機会に恵まれないのが現状です。これでは「伝統が守られている」とは言えません。

韓国でもこのような状況は起こっており、現在では伝統的な食文化は失われつつあります。街にはファミリーレストランやファーストフード、また大手コーヒーショップ等が次々と進出し、伝統的な料理は若干高い値付けがされるようになってきています。こういった料理はどちらかというと観光客向けに門戸が開かれており、韓国人に対して開かれているわけではありません。また、若い世代もニンニク等臭う食材を大量に使用する韓国料理を毛嫌いする傾向にあるようで、今後こういった「伝統食文化離れ」は加速しそうな雰囲気です。現に私も、韓国の若者たちには「食べるものの好みがオッサンくさい」と言われますし、若者と集う時にはお洒落なバーでパスタを食べたりしています。まあこのパスタ、もううどんになっちゃってるんじゃないかってくらいべちゃべちゃで、どう転んでも「美味しい」という評価をするのは不可能な、ぶっちゃけ本当にパスタなのかどうかもわからないような代物なんですけど、韓国の若者はそれを美味しそうに食べています。私に言わせれば「韓国の伝統料理を食べないなんてもったいない」って思うんですけど、やはり時代の流れなのでしょうね。

そういった背景から、現在韓国でも日本と同様に「肥満」の問題が急速に広がりつつあります。「韓国人はスタイルが良い」というイメージは一般的だと思いますし、確かにそれは正しいのですが、スタイルの良くない韓国人も増えています。これは個人的には非常に悲しい事です。



若干湿っぽい話になってしまいましたが、韓国では都市部と地方では発展に大きな差がありますから、少し足を伸ばせば伝統料理が失われていない地域はたくさんあります。むしろ、失われつつあるのは都市部のみだという言い方の方が正しいのかも知れません。また、韓国人は「観光客用だから」と味付けを変えたりする事は苦手なようで、現在でも大抵のお店で韓国の伝統の味を堪能する事ができます。特にキムチは全ての店で味が違いますから、食べ比べてみると面白いかもしれません。韓国の食文化、現在日本で知られている料理は本当にごく僅かなものです。韓国に来られた時は、せひガイドブックに載っていない料理にも挑戦してみてください。必ずや、韓国の新しい味を発見できることでしょう。味の方は私が保証します。




さて、次回はついにコラムまでもがおちゃらけた内容に毒されそうです。第4回は「工事用看板」と題し、私が韓国で感じた違和感についてを紹介する予定です。期待されても困りますけど、頑張って書きます。
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