皆さんは、こんな看板を見た事がありますか?
そう、工事区間に立っている看板です。これは正確には「警戒標識」と呼ばれ、昭和25年に改正された「道路標識令」に盛り込まれたデザインであると記憶しています。幼少の頃、普段は気難しい父がこの看板を見て、「お、トイレ作ってる」と笑った事がありましたが、私には全くもって意味がわかりませんでした。まだ世界の狭い、それこそ便器の種類なんて家にある洋式のみしか知らない私にとって、この父の言葉はあまりに難解だったのです。今では私も和式便器の存在を知りましたから、あの日父がどんな気持ちで「お、トイレ作ってる」と言ったのか何となく理解はできます。それがボケのつもりだったんだろうという事もわかります。「親父、おれボケ潰しでごめんな」と今なら素直に謝れます。
さて、韓国にも同じように様々な標識が存在します。
これは韓国の工事用看板です。一見日本の看板と大差ないように見えますが、実はよく見るとおかしなところがたくさんあります。今回は、この違和感の正体を解き明かしながら、韓国の労働状況の実態に迫ってみたいと思います。
まず、わかりやすいように中の人を並べてみましょう。
左が日本の看板、右が韓国です。こうして見るともうその差は歴然ですね。
まず言えるのは、全体のシルエットがリアルすぎ。写真を塗りつぶしただけのようにも思えるほどリアルなシルエット。体型や各部のボディバランス、さらにはスコップのサイズまでが完璧に、忠実に再現されています。このような忠実な再現は韓国の「コピー商品文化」にも通じる部分があるように感じるのは私だけではないはずです。この看板のモデルが女性だったりしたら、男性諸君は確実にこの看板の前では猫背になる。ズボンがテントのようになる。試しに女性でこの看板を製作してみたところ限りなく18禁サイトの香りがしてしまったため掲載は自粛しますが、とにかくそれくらいリアルです。鍛え抜かれた肉体と迸る汗。白いランニングが似合いそうなこの男性、仮にマイケルと呼ぶ事にしますが、とりあえず砂山を掘ろうとしている事がありありと見て取れます。ヘアースタイルはリーゼント。それを崩したくないがためにヘルメットは非着用です。こういう事は実際にも起こっており、韓国の工場、特に中小企業は安全管理に対してずぼらな部分があります。現に私がいるギター工場でも指のない作業員が何人もいます。韓国の安全対策に警鐘を鳴らすこの看板、この意味を一体どれだけの韓国人が理解しているというのでしょうか。私もいつそんな事故に巻き込まれるかと思うと不安で夜も眠れません。
さらに見ていくとこのマイケル、片足が爪先立ちです。これから仕事をしようというときに、しかも砂をえいや!と持ち上げようというときに、爪先立ちは頂けない。なぜこのような不自然なポーズで看板が製作されたのかその理由を考えると、これはおそらくマイケルがモデルになった事を意識しすぎて過剰なポーズをとってしまった事が原因であると思われます。実際、韓国の工場では偉いさんが視察に来ると俄然張り切る傾向がありますから、これもまさにそんな韓国人気質の表れと言えるでしょう。肉体労働に汗を流す、そんなかっこいい自分を演出しようとしたマイケルですが、それがこんな形で仇になってしまうとは考えてもいなかった事だろうとは思います。とはいえ、このポーズのおかげで微妙な腰の上がり具合やセクシーなボディラインの造形がなされているわけですから、一概にマイケルを責めるわけにもいきません。彼は根っからの韓国人なのです。
もうひとつ気になるのは、マイケルが今まさにすくおうとしている砂、それを一体どうするのかという事です。
よく見ると写真右側、つまりはマイケルの後ろ側に小さな砂山らしきものがあることに気が付くでしょう。また、マイケルがすくおうとしている砂山も、一部に削られた跡があり、マイケルの仕事は2ターン目に突入している事が見て取れます。これらの事から導き出される結論、それはマイケルは砂山を左から右へ、その距離どう見ても60cm程度の移動を行おうとしているのです。これではあまりに非効率的です。仕事というのは基本的に時間に対して対価が払われます。人件費とは時間給です。にも関わらずマイケルは、この砂山をえいこらえいこら移動させようとしているわけです。ざっと見積もるとこの砂山はスコップで20杯分。1回の作業に5秒かかるとすれば、実に100秒、2分近くの時間を割いてまでこれだけの仕事をしようとしているのです。時給1000円であるとすればこの作業に支払われる対価は278円。途中休憩も入れるでしょうから、恐らく300円程の人件費がかかることになります。たかだか60cmの移動であればわざわざこんな事をせずとも、たとえば高校球児がグランド整備に使うような器具を使って、
このように行えば5秒で済みます。かかる人件費は約14円。286円もの節約になるわけです。この器具を持ち合わせていない場合は当然購入するための出費がありますが、将来的に考えた場合作業効率的にはこちらの方が遥かに優れていますし、人件費の節約にもなります。こういった事がなかなか考えられないのが韓国の中小企業で、目先の利益にばかり捕らわれて将来的にどれだけ上手く運用ができるかを計ろうとしない傾向があります。既に「安かろう悪かろう」の時代が終わった韓国の製造業ですが、その中で生き残ろうとするのであれば設備投資は欠かせません。しかしながら、そういった事をしようとせず「今の生産でもこなせてるんだからいいじゃん」的なノリの企業があまりにも多いのです。そういった工場は人件費ばかりが上がり、値段は高いのに品質は昔のまま、それでクレームなりが来て売れなくなる、お金がなくなり余計に設備投資に首が回らない…といったジレンマに陥っています。この看板が早くからそういった問題について警告を与えていたにも関わらず、これはあまりにお粗末な結果と言わざるを得ません。韓国の中小企業が一刻も早くこの事態に気付き、早期に対策を立てられるようになることを私は切に望んでいます。
以上、韓国の工事用看板について考えてみました。一見ただの看板のようでも、よく見ると意外な事実が見えてくるものです。今回見えたのは韓国の国民性に関する部分でしたが、きっと見方を変えればもっと様々な考察ができるかと思います。皆さんも、ただの看板なんだと高をくくらず、そこに隠されたメッセージやエピソードを読み取ってみてはいかがでしょうか。きっと新しい何かに出会えると思いますよ。