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今日ね、すんごいもの見たんですわ。
事務所のおねえちゃんなんですけど、あ、これは最近太ってきたおねえちゃんじゃなくて、もともと太ってるおねえちゃんなんですけど、何か手に持って使う小さな扇風機あるじゃないですか、電池で動くやつ。それをあの長渕剛とかがハーモニカつけてるような首からかけるやつに付けて、顔に向けて回してるんですよ。もうびっくりな。写真撮らせてもらおうかとも思ったんだけど、その尋常じゃない雰囲気にどうしても言い出せなかった。それ位おかしかった。不自然だった。周りに溶け込めていなかった。こんな物が売ってるんだな、韓国って。「日本にもあるよ」なんて言われた日にはもう言葉もない。卒倒する。
よく考えると、韓国って不思議な物を売るのと同時に、ものすごく不思議な売り方をするんですよね。移動販売車とか、そういった類の物もかなり現役で、その種類も多岐に渡っています。昔は家の近所にも「北海道牛乳」とかって移動販売車が週1回くらいのペースで来ていて、私はそこで当たりつきのアイスクリームを4本連続で当てたという兵ですが、最近はめっきり見なくなりました。当てすぎたのがいけなかったのかしらん。うちの母親もそこのくじ引きでテレビとか当ててたし。でも私もアイスを当てた翌日は5本のアイスクリームのせいで超絶な腹痛に悩まされましたから痛み分けです。だから私は悪くない。
韓国の移動販売車めぼしい物を上げるなら、まず移動CD販売車。まあこれは普通。でも売ってるCDが普通じゃなくて、全部コピーなんですね。韓国では現在音楽はダウンロード販売が主流で、それの弊害かコピーCDなんてのは半ば常識だったりします。5枚で1000円くらい。
もうちょっと凄いの行くと、トラックの荷台の一部をガラス張りみたいにして、中でがんがんに火を焚く。で、その中で串刺しになった鶏がぐるぐる回ってたりするやつがあります。移動鶏の丸焼き販売車とでも言いましょうか。内臓はくりぬいてあって、中にはご飯と朝鮮人参が詰められてます。不定期作文の韓国出張記(改訂版)で紹介してる、サムゲタンの中身そのものだと思って頂くとイメージしやすいかもしれないですね。1羽500円くらい。去年のクリスマスは独りでこれをたいらげたんですけど、いろんな意味で泣きたくなりました。
さらにもうちょっと凄いのになると、水槽積んで走ってる移動活魚販売車。その場で捌いてくれるサービスあり。これはさすがにトライした事ないので値段とか不明ですけど、大抵この手の販売は500円くらいだと思って差し支えないでしょう。
ついでに言っちゃうと、電車の中での物売りなんかにもよく遭遇します。冬だと大体手袋、梅雨の時期だと折り畳み傘なんかが主流なんですが、中にはとんでもない物を売ってたりする人もいます。
まずよく見かけるのが、「往年のポップス100選(歌詞カード付き)」みたいなCD集。これをラジカセでガンガン鳴らしながら車内を練り歩いて売るもんですからもう迷惑この上ない。値段は多分2000円とかそれくらいだと思いますけど、正直よくわかりません。
次はバンドエイド。多分300枚入りとかそんなんなんですけど、それをA3の紙を縦に3枚とか貼り付けた台紙に全部貼り付けて、「こんなに入ってますよ!」とかって売ってるんです。もうニップレスみたいな四角いバンドエイドが痛々しくて、見てるこっちが恥ずかしい。これも値段は不明ですが、意外と売れてるっぽいのが不思議でなりません。
極めつけに酷かったのが、「にんにく皮剥き器」の車内実演販売。電車の中で延々にんにくの皮剥きながら、「こんなに剥けます!便利です!」って練り歩いてるのな。目の前でそんな全力のアピールされても私にどうしろって言うんですか。困惑するくらいしかできないですよ。韓国の電車の中は不思議ワールドです。
それから多いのが路上販売系。もう歩道20mとか使ってズラッと靴が並べられてたり、オフィスチェアーが並べられてたり、わけのわからないリモコンが並べられてたり、そんな感じ。たまに信号待ちとかでおっちゃんが売りに来ることがあるんですけど、この前のが酷くて、何故か車の窓に吸盤でつけるサンシェード2枚と電卓のセット。1000円。どんな組み合わせやねん。何に使うねん。
因みに私はいつだったか、この路上販売で桃を買ったことがあります。この時がまた酷かった。何か「一山500円!」みたいな感じで10個くらいで売られてまして、これは美味そうだと思い購入。こう「桃好きはスケベだ」とかいうジンクスみたいなものも存在するみたいなんですけど、そんな事関係なく私は桃が大好きですから、それを袋に詰めてもらってルンルンで帰宅です。でもその途中で、袋の底がホームアローン並みに抜けちゃいまして、桃が道路を転がる転がる。とりあえず3つくらいは車に轢かれ、4つは道路の石とか砂とかそういった類の物がめり込み天に召されました。仕方がないのでそれらは街路樹の根元に埋め、残った3つを家で美味しく頂いたわけですが、きっと来年辺りにはそこの街路樹に桃が生るんじゃないかな、なんて密かに期待してたりします。
まあそんな感じでですね、韓国には妙な物売りがたくさん存在します。都心部でもこう歩道に勝手に店出してそうな、何か道路を市場と勘違いしてそうなお方がたくさんいらっしゃいます。如何せん値段的には非常にリーズナブルなものですし、中にはこんなん売れるのか?ってものを売ってる人たちもいますから、どうやって生計を立てているのか不思議でなりません。でもこういった販売方法も、日本ではなかなかお目にかかれないものとして観察すると面白いかもしれませんね。
そういえばソウルのロッテデパートから南大門に向かう地下道の階段に、毎日毎日自分の靴を磨き続けるおじいさんがいます。多分靴磨きの実演販売のつもりだとは思うんですけど、磨いてる靴が片方だけですから、片方だけがまるでエナメルの靴のように輝いています。もしソウルに行く機会があれば観察してみてください。
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