申し訳ないですが第1回は手抜きでいきます。
昔のHPで比較的人気の高かった(と思われる)韓国出張記の改訂版です。思い返せばこの頃から私の韓国転勤は決まっていたのかも知れない。いや、きっと決まっていたんだ。きっとそうだ。では海外での私の浮かれっぷりをとくとご覧下さい。
去る3月8日(土)から13日(木)(注:2003年です)まで、仕事で韓国に行ってきました。初めてという訳ではないんですが、せっかくなのでちょっと紹介しようかな、なんて。「なんて。」なんて言っちゃってる時点でかなりの浮かれ具合が垣間見えますし、「紹介なんていらねぇよ」とか言われることも重々承知はしていますが、紹介します。読んでください。わざわざネタが作れるように土曜日に出発するんですから。日曜遊びに行くんですから。
今回は、その日曜を中心(と言うかほぼ全部がそれです)に、韓国滞在をレポートします。
さてさて、ココはどこでしょう?そう、ここは日本であって日本でない場所、出国手続きを済ませた後飛行機を待つロビー。今は懐かしい名古屋空港です。窓の外には飛行機が。私が乗るコリアンエアーの飛行機も見えます。
このロビーに来る前に金属探知機を通らなきゃいけないんですけど、ここで早速事件が勃発します。いやね、私の事ですから、ポケットに小銭が、とかそんなヘマはしません。もうゲート通る前にこれでもかってぐらいポケットの中を調べましたからね。もう裏地全部引っ張り出すくらいの勢いで。ですから私は問題なく通過できます。で、鞄を受け取ろうと探知機から出てくるのを待っていたんですが、出てきたかと思ったらまた引っ込んでいくんですよ。あのラブホテルの駐車場にあるカーテンのようなところから鞄がちょっと顔を出したかと思ったら、戻っていく。多感な時期の乙女が校門で憧れの先輩に鉢合わせしてしまった時に見られるような、こう何とも言いがたい、甘酸っぱい雰囲気が醸し出されます。しかもそれが二度、三度と繰り返されるわけですよ。もう「バッグがバックした」とか、そんな事言ってる場合じゃない。不安は募るばかりです。
係員「何か金属の板とか棒のような物が入ってませんか?」
私「は?」
ハンマーとかドライバーとか、危険な物は全部スーツケースに入れたハズ。あ、今回はギターの検査をする為の出張ですから、その検査工具の話です。鞄の中になんて、危険な物は何一つ入っていないはずなのですから、当然私は困惑します。その様子を「コイツ怪しいな」とでも思ったのか、係員の強引な尋問は続きます。
係員「カッターとかドライバーとか…とにかく中を見せてください。確認しない限りはここをお通しするわけにはいきません」
まるで時代劇にでも出てきそうな台詞を吐きながら、私の返事も待たずに鞄を弄り出す係員。おいおい、もしもその鞄がパンツ運搬専用とかだったらどうするつもり?溢れかえるトランクスを前に二人で赤面するわけ?そんなどうでもいい考えが私の脳裏を過りましたが、そんな私の気も知らず、鞄をあさる係員。そうこうするうち奥の奥から出てきたその金属物の正体とは…!
音叉。何の変哲もないただの音叉。
楽器のチューニングをする為の道具。知らない人のために説明すると、これを叩くと「ラ」の音がする。それを基準に全体の音のバランスを取っていくんですな。ギターのチューニングしなきゃならないので持ち歩いてるんです。これが仇になったか…。戦争やテロの影響もあって過敏になってるんですね。とにかく危険物でないことが分かったので無罪放免。何より恥ずかしい物じゃなくて良かったです(注:最近受けたボディーチェックで「鞄にライターが二つ入ってますからひとつ廃棄してください」と言われ、しぶしぶ出したライターにはラブホテルのロゴが入っていました。これは恥ずかしかった)。
ロビーで待つこと一時間。ようやく搭乗が始まりました。飛行機ですから、外が見えなきゃ意味がありません。通路側なんてありえない。それじゃ煩い新幹線に乗るのと変わらない。飛んでるのなら景色が見たい。小さくなっていく街や車や人を見て、おまえらよりも高いところにいるんだぜ、って優越感に浸りたい。落ちるにしても外が見たい。もしかしたら地面にぶつかる寸前にジャンプとかすれば衝撃が和らいで助かるかもしれない。飛行機を楽しむためにも、また恐怖心の軽減のためにも、私は窓際に乗らなければならないのです。何もわからず死ぬのは嫌。飛ぶなら外が見えなきゃ嫌。そんな我侭を必死に訴え、強引に押し通した結果、カウンターのこけしっぽいおねえさんから「窓際オッケー」のお言葉を頂けました。ルンルン気分で座席を探し、やっと見つけたマイシート。
窓ないじゃん。
窓ないじゃん!
こけしさんよぉ、オレは「窓側」じゃなくて「窓際」って言ったんだぜ?「窓際」ってのは文字通り、際に窓がある状態の事を言うんだぜ?おまえの笑顔はなんだったんだ?オレを陥れてそんなに楽しいのか?今頃は女子トイレで同僚たちと「いい年して窓際だなんてガキっぽいよね~」「そうそう、だから私わざわざ窓のないところにしてあげちゃった、テヘッ」「きゃ~、それってお茶目~。でもオトナになってもらうための優しさだよね~」なんてそんな他愛もない会話を楽しんじゃったりしてんのか?もう取り乱すとかそんなレベルを超越した取り乱しっぷりの私。同時にテンション急降下。もうやってらんない。楽しくない。最初っから楽しくない。どうなってんだ。何でこんなテンションガタガタなのに順調に飛んでんだ?お?飛行機のくせに生意気だぞ?などと道中ひたすらやさぐれる。これでもかってくらいやさぐれる。しかし、そんな私を気にも留めずに順調なフライトを続ける飛行機。機長なんかもノリノリでアナウンスとかしちゃってる。
なんか悔しい。
とはいえ私のテンションと一緒に急降下されても困る。やり場のない怒りとこのもにょもにょむずむずした気持ちをどうしたらいいんだ。そんな思いが胸中を駆け巡る。腹いせにコーラを三杯お替りして、ようやくちょっと何かを取り返したようで気持ちが落ち着きました。
韓国に到着はあっさりと。この日は午後から仕事をし、夜はカルビをたらふく食べてご就寝。取引先の接待ですから。遠慮なんてしてる場合じゃない。こんな言葉もわからん国で深夜に飢えで涙するなんて侘しすぎる。よく食べよく寝てよく遊ぶ。それで良い子は育つのです。
そして迎えたオフの日は、ソウルの中心街まで足を延ばしてみました。電車で一時間ちょっとです。ちなみにこの写真は、韓国の大手電機メーカーサムソンのビル。日本でも液晶とか有名ですね。何ともユニークなビルです。これも地震のない国土を持つからこそ成せる業。建物が建つのも早いからねぇ。地震がないというのは色々な意味で羨ましい限りです。
前日のカルビと酒のせいで見事に寝坊。出発時間が遅かったので、ソウルに着いた頃には既に昼時でした。と、言うわけで、とりあえず食事をします。
お昼はコレ、サムゲタン。鶏が丸々一羽、くり抜いた腹部には高麗人参とご飯が詰まっています。今回初めて食したのですが、これが美味。高麗人参は好き嫌いが別れるところかもしれませんが、それでも美味。そして身体にも良さそうな雰囲気。昔どこかの会社が、合成着色料と合成保存料で仕立て上げた清涼飲料水を「メロンよりメロン味~」なんてトチ狂ったキャッチコピーで宣伝していた事もありましたが、韓国の食はまさに「漢方」ならぬ「韓方」。キムチに代表される韓国の食文化は完成されたものがある、そう思うのです。
話は変わりますが、韓国は道路が広い。片側4車線とかの道路が平気である。そして、中央分離帯がない。コレってなぜだと思います?
実はこの道路、有事の場合に飛行機の滑走路として使用できるようにという設計だそうです。だから中央分離帯もなく、道路が真っ直ぐなのね。また、小さな都市でも必ずと言っていいほど大規模な地下街があるんですが、これもいざという時にはシェルターとして使用するんだそうです。
隣が北朝鮮だしねぇ。
そんなこんなを考えながら、まずやってきたのはナオンドンの楽器屋ビル。仕事半分、趣味半分(笑)。一応仕事してるふりだけでもしておかないとね。とはいえ市場を知るのも作り手としては大切な事です。ニーズを敏感にキャッチし、計算し尽したグッドなタイミングで市場に流す。そしてそこから得られた反応を新しい企画に生かす…とまぁ永遠に紡ぎ出されるリフレインにどっぷり浸かってしまわないとこういう商売はできません。ですから韓国の楽器ビジネスの実態を肌で感じてみましょうよというこの企画。
そこで私が目にした物は…!
うん、普通のギターだ。日本でもよく見かけるモデルばっかりだ。ギブ○ンとかフェン○ーとか…何だ何にも変わらないじゃん。でも、形は同じでも何故か全然知らないブランド。んん?もしやバッタ物?言わずもがな、その通りです。まだまだコピー商品が氾濫する韓国。中にはブランドネームまでコピーした物もありました。しかもMADE
IN KOREAとか書いてあるし。自分たちの国がこんなもの作ってるって、韓国の人たちは悲しくならないのかなぁ。当然ウチの会社のコピーもあるわけで…ちょっと複雑な気持ち。人気がなきゃコピーもされないんだろうから、いいのかなぁとも思うのですが。物は考え様って事ですな。
そうそう、コピー商品といえば、有名なのがブランド品。
日本人観光客の多いココ、ミョンドンでも、至る所で売られてました。「おにィサン、カンペキナにせものあルよ」とか日本語で声かけられちゃう始末。おいおい、「完璧な偽物」ってのはどういう事だ?完璧にコピーした寸分違わぬ模造品って事か?それともビックリするくらい怪しいオーラを放った誰の目から見てもわかるほど偽物チックな商品って事か?こんなセールストークをかまされた日には確かめたくなるのが人情です。向こうも向こうで、私なんかはまさに鴨が葱背負ってやってくるわけですから、トークにも力が入ります。もう舌が滑らか滑らか。時々何言ってるんだかわからないけど、それにしたって喋る喋る。肝心の品物に関して言えば、できはそこそこ。値段は本物の1/3~1/4が相場と言ったところでしょうか。まぁ靴なんかのコピーは中敷きにロゴがあるかないかで値段が倍違ったりもするんですけどね。六千円の中敷き。どんなやねん。とりあえず、コピー商品の日本への持ち込みは法律で禁止されています。やっぱり建て前って大事だもんね。
と、まぁこの辺は普通の観光。私が個人的に興味があるのは、やっぱ韓国の車やバイク事情。その辺を少し紹介しましょう。ココから先はわからない人にはこれ程つまらんものはない!ってくらいの内容になってしまいますが悪しからず。まずは車事情からです。
何ともトヨタの某SUVを彷彿とさせるルックスの車ですが、キアモータースのソレントという車です。排気量は確か2500ccからだったと思います。韓国はまだまだディーゼル車が残っており、車種によってはLPガス車も選択できるという日本から見ればちょっとおかしな燃料事情。ガソリンは日本と比較してリッターあたり10円程高いです。また韓国では自国産業を守るため、輸入車にはボッタクリな関税をかけますので、外車の比率は少ないです。日本からはレクサスが参入していますが、LS(セルシオ)の一番安いグレードで1000万円。日本で600万そこそこで買える事を考えるとえらい値段です。また、最近でこそ韓国車もオリジナリティー溢れるデザインが増えてきましたが、一昔前のものだともう全部日本のパクリ。半端なくパクリ。もう酷似の域を超えて全く同じって言っても過言でないくらいのものまであります。ホラ、写真奥の車もどっかで見た感じじゃない?その他にも具体例を挙げればトヨタではサーフ、三菱ではシャリオ、パジェロ、デリカ、またダイハツのミラなんかがパクられてます。
金額的には日本車と同クラスで3割安くらい。最近の車は装備も充実してますし、悪い車ではないと思います。ハイ。
そしてバイク。
カッコイイ感じじゃないっすか!名前はDAYSTAR。これも韓国製。でも何かがおかしい。よくよく見てみると、シングルエンジンなんです。アメリカンがシングル。ありえない。でも韓国にはこんなありえないバイクがいっぱいあります。
こちらはmirage。これもシングルだったと思うけど、自信ないです。韓国製アメリカン風バイク、しかも韓国人はこれにカーオーディオとかスピーカーとか付けちゃうから恐ろしい。もう見てらんない。見てくれなんてどうでも良くて、生活の足でしかない。自称ファッションバイカーな私としては、ぜひぜひ日本のような「魅せるカスタム」ってのを取り入れて欲しいのですが、それはどうやら傲慢ってやつらしい。
これなんて極めつけね。3輪です。トライクです。後ろに広大な荷台が付いちゃってます。もうバイクの意味ないじゃん。車幅軽並みじゃん。生活に便利なのはわかりますが、これじゃあバイクの意味がないじゃないですか。バイクっていうのはこう、もっとスマートであるべきなんですよ。アグレッシブで攻撃的。そしてあるときは紳士的。でもこの写真からはそのどれもが伝わってこないじゃないですか。もうトラックですよ。オープンエアートラック。これどうなの。もう許せるとか許せないとか、そんな次元は超越してます。ただただ呆れるしかない。そしてある意味感心するしかない。語りすぎました。もういいです。バイクのあり方についてもう一度よく考えてみます。
ちなみに、バイクは日本メーカーの物もちらほらありました。
さてさて、日も傾いてきたので夕食です。
夜はコレ、プルコギ。
ホント、何食べても旨いんだから幸せです。これは確実。まぁ、8割方の食べ物が辛いんですが、それでも旨い。辛いものが大丈夫であればもうこの食文化は堪能するしかない。特に日本と味の違うのが、キムチ。私実は辛いの苦手で、日本ではキムチなんて…って感じなんですが、韓国キムチは食べれるんです。それぐらい旨いのよ、ホントに。日本人は文明開化以後、異国の食文化を模倣し、それに日本人好みのエッセンスを加える事である意味での新しい食文化を生み出しました。今やアメリカ人に「ワタシ中華好きねー、ラーメン好きネー」なんて話をしようものなら、「オーノー、ラーメン日本食ネー!!」とか凄い剣幕で怒られてしまうほどにオリジナルを超えたラーメン文化を確立していますし、その他の料理でも「やっぱり本場が一番ね」なんていうのは少ないと思います。それだけ日本の食文化コピーは精巧なんです。ただし、韓国料理はそんな日本がコピーし損ねた数少ない「本場万歳料理」と言えるでしょう。失敗の原因は間違いなく「臭いを嫌う日本人気質」です。韓国ではにんにくだろうがなんだろうが、必要とあらば確実に入れる。国自体がそんな臭いがするし、みんな同じように臭いんだから、臭いなんて気にしない。そこが旨みの秘訣なんだと思います。にんにくは臭い。でもそういったものをふんだんに使用することでえもいわれぬ旨みを引き出すことができるんですな。ついでにキムチは各家庭、各食堂で味が違います。自分好みのキムチを探すのもまた楽しいですよ。
と、いうわけで、韓国の食を堪能し、ホテルに帰る途中でブラッと寄ったCD屋。あまりの安さにビックリ。アルバム一枚990円!
とりあえず二枚購入。
ちょっとピンボケしてるなぁ。一枚は昔日本でも活動していたS.E.S、もう一枚はジャケ買いしたLee Jung Hyun。買ったときは知らなかったんですが、韓国ドラマ「美しき日々」で歌手役を演じた人のCDでした。韓国ではアルバムのタイトルをNo.1とかNo.2といったように、リリース枚数にするのが主流みたいです。まぁ、あとはそれにサブタイトルがついたりとかね。気になる試聴レポートですが、S.E.Sは相変わらず好きな感じ、Leeの方はユーロビートでした。ユーロビート。これどうするよ。正直聞くに堪えない感じ。ベストテン入りしてたのになぁ…。韓国では流行ってるんだろうねぇ。
とまぁ、こんな感じでオフデーは終了、あとはきっちり仕事をして帰ってきました。結構楽しめた感じです♪
これからもこんな出張だったらいいなぁ…。
いかがでしたでしょうか。この日の私の思いも虚しく、その後オフ有りの出張なんて贅沢なものは一度も訪れぬままに韓国に飛ばされることが決まってしまいました。何とも理不尽な世の中です。また、最近は竹島やら教科書やらで反日の波もだんだんと押し寄せてきています。店の人とかも平気で絡んできます。今後旅行を予定されている方はご注意を。もし絡まれた場合は、「そんな事よりも国交の正常化の方が大切だ。自分に権限があればすぐにでも竹島を放棄して、韓国と仲良くしたい」なんて事を話しておけば相手も機嫌を良くしますので、そんな感じで乗り切ってください。まぁ絡まれるって言っても「その辺どうよ?」みたいに意見求められるだけですけどね。
韓国にあまり偏見を持たず、異文化としておおらかな心で受け止めましょう。