市街戦とは都市部において行われる戦闘である。市街地は建造物やバリケードが障害になって装甲戦闘車両が侵入しづらく、自ずと歩兵の重要性が増す。障害物の多い市街地では、射線や視線が通りにくく、ともすれば出会い頭に近接戦闘が頻発する。言い換えれば、待ち伏せを仕掛けやすく、装甲戦闘車両への肉薄攻撃も容易になる。歩兵は豊富な遮蔽物に身を隠すことで脆弱性が補われ、野戦より有利に戦うことができる。 建造物に立て篭もった敵には砲爆撃が通用しにくいため、大火力で建造物ごと破壊するか、歩兵の近接戦闘で掃討していく必要がある。かつては重砲で地区ごと破壊するようなことも行われていたが、民間人や無関係の施設への被害が大きい。そのため現代では精密誘導兵器を用いて攻撃対象を極限する。 戦争の勝敗が主要都市の制圧にかかっていることは歴史的に見ても多い。第二次世界大戦においてはスターリングラード攻防戦やベルリン攻防戦、また現代においても、朝鮮戦争のソウル会戦、ベトナム戦争のテト攻勢、第四次中東戦争のスエズの戦い、ソマリア内戦におけるモガディシュの戦闘など多くの市街戦が行われてきた。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロではファヴェーラ(スラム)を根城とする麻薬ギャング組織を撲滅するためにリオ・デ・ジャネイロ州軍警察所属の特殊警察作戦部隊BOPEがスラムでの市街地戦を現在も経験している。 近年世界各地で都市化がますます進んでいるために市街戦はより発生しやすい戦闘の一形態となりつつあり、作戦・戦術研究が進んでいる。
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