
国内ミステリ作品
~ おすすめ本の部屋 ~
● 索引
● 作家
- 講談社ノベルズ系ミステリ
- 綾辻行人
- 言わずと知れた、新本格ミステリの旗手。
「十角館の殺人」のラストを読んだ時のヤラレタっ!!という衝撃は、一生忘れることが
できないでしょう。
中村青司の作ったカラクリ屋敷をめぐる<館>シリーズは、
どれもこれも、不可思議な異空間に取り込まれるような描写と
見事な謎解きに脱帽するのです。
特に、「十角館」「迷路館」「時計館」は見事!
プレステ用ゲーム「YAKATA」は、これらの館をCGで再現し、そこでRPGをするのだそうです。綾辻さん直々に監修なさったそうで。
- <館>シリーズ
- 「十角館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
- 「水車館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
- 「迷路館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
- 「人形館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
- 「時計館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
- 「黒猫館の殺人」 綾辻行人 講談社文庫
- 我孫子武丸
- ほのぼのとした<人形>シリーズは、腹話術の人形である毬小路毬夫君が
探偵役として見事な謎解きをする作品。人形にどうして謎解きができるの?
って思った方は、作品を読んでみてください。
主人公であるおむつちゃんたちのなかなか進展しない恋愛には、
ちょっとやきもきしちゃうのですけれど、ね。
うってかわって「殺戮にいたる病」 は、異常快楽殺人の話。
中身が中身なので、他人様にオススメするには
気が引ける内容なのですが、我孫子さんの傑作だと思います。
でもって、忘れてはならないのが「小説たけまる増刊号」。
まったく雑誌そのものの装丁のため、小説宝石かなんかの隣にならべて
あったりしましたけれど、要するに我孫子さんのひとり雑誌。
”戦慄のホラー大特集”も"傑作ミステリー特選"も"珠玉の短編読み切り"も
コラムも評論もグラビアも書評も対談も広告も、ぜーんぶ我孫子武丸さん。
おまけに、裏表紙には毬小路毬夫の通販の案内まで・・・。凝りすぎです。
- <人形>シリーズ
- 「人形はこたつで推理する」 我孫子武丸 講談社文庫
- 「人形は遠足で推理する」 我孫子武丸 講談社文庫
- 「人形は眠らない」 我孫子武丸 講談社文庫
- 「殺戮にいたる病」 我孫子武丸 講談社文庫
- 「小説たけまる増刊号」 我孫子武丸 集英社
- 有栖川有栖
- 有栖川有栖さんの作品は、
学生の有栖川有栖が主人公の<学生アリス>シリーズと
作家の有栖川有栖が主人公の<作家アリス>シリーズとの2本立て。
この二人のアリスの関係は・・・読んでいるうちにわかります。
どちらのシリーズでも、アリスにはワトソン役が割り振られており
<学生アリス>には江神先輩、<作家アリス>には火村助教授という
名探偵が出てきます。
謎解きとしては<学生アリス>のほうが面白いけれど(「月光ゲーム」はイマイチ)
キャラや会話で読ませる<作家アリス>のほうが読んでいて非常に楽しいのです。
特に、陰のある火村センセの隠された素顔を知りたがる女性ファンは多いようで・・・。
「活字倶楽部」のキャラ投票上位を獲得するのもさもありなん、と思います。はい。
- <学生アリス>シリーズ
- 「月光ゲーム」 有栖川有栖 創元推理文庫
- 「孤島パズル」 有栖川有栖 創元推理文庫
- 「双頭の悪魔」 有栖川有栖 創元推理文庫
- <国名>シリーズ
- 「英国紅茶の謎」 有栖川有栖 講談社ノベルズ
- 「スウェーデン館の謎」 有栖川有栖 講談社ノベルズ
- 「アフリカ蝶の謎」 有栖川有栖 講談社ノベルズ
- 「ペルシャ猫の謎」 有栖川有栖 講談社ノベルズ
- 京極夏彦
- 世の中には京極という妖怪がいるのだ、と言われたら納得してしまいそうな作家。
とにかく、上手いです。見事としか言いようのない美しい構成の物語を紡ぎ出します。
<京極堂>シリーズは、古本屋主人で、神主で、実は憑き物落としの京極堂の手によって、
バッタバッタとすべての謎が祓われていく快感が味わえます。
「世の中には不思議なものなどないのだよ」というセリフにくらくら。
戦後の混沌とした時代設定だからこそ、何があってもおかしくないミステリアスな
雰囲気を醸し出しています。
「姑獲鳥の夏」 のラストはイマイチでしたが、
「魍魎の匣」 のラストには頭が殴られた気がしました。いや、まじに。
製本の限界に挑戦した「絡新婦の理」の物語の構成も見事でしたが
ついに二分冊されてしまった「塗仏の宴」も素晴らしいのです。
「巷説百物語」は江戸時代物の連作短編集。<京極堂>とおなじく、妖怪にまつわる故事を
ネタに粋な小悪党どもが立ち回ります。ミステリとしての作り方の巧さが際立ちます。
ちょっとしんみりとさせるところがまた憎いのです。
- <京極堂>シリーズ
- 「姑獲鳥の夏」 京極夏彦 講談社ノベルズ
- 「魍魎の匣」 京極夏彦 講談社ノベルズ
- 「狂骨の夢」 京極夏彦 講談社ノベルズ
- 「鉄鼠の檻」 京極夏彦 講談社ノベルズ
- 「絡新婦の理」 京極夏彦 講談社ノベルズ
- 「塗仏の宴 宴の支度」 京極夏彦 講談社ノベルズ
- 「塗仏の宴 宴の始末」 京極夏彦 講談社ノベルズ
- 「百鬼夜行 -陰-」 京極夏彦 講談社ノベルズ
- 「巷説百物語」京極夏彦 角川書店
- ほのぼの・しんみり系ミステリ
- 北村薫
- 覆面作家だったせいもあり、絶対若い女性だと思い込んで読んでいて
男性だと知ってもまだ信じられなくて、トークショーを聞きにいき
そのほのぼのとした語り口を耳にして始めて、男性だという事実を
納得せざるを得なかった、という過去があります。
それくらい<円紫さんと私>シリーズの女子大生の主人公の心理描写は、
そうそうそうなの!と共感させるものがあるのです。
でも、いまだに、実は北村さんは二重人格で、作品を書いているのは
千秋さん(<覆面作家>シリーズにでてくる覆面作家)じゃないか
と疑っているのですけれど・・・?
やはり、お勧めとしては、<円紫さんと私>シリーズでしょうか。
”私”がみつけた日常に潜む謎を、落語家の円紫師匠がいともあざやかに
解いてしまいます。シリーズが進むごとに”私”も成長し、最新刊では
就職して社会人になりました。高野文子さんのイラストがとても素敵。
<時と人>三部作、になる予定の2冊、「スキップ」と「ターン」もすごく好きです。
SF的な設定の中で語られる、女性達の心理描写に、泣けて泣けてしかたが
ありませんでした。ちょっと無理があるかな、と思うところもありましたけど
そんなのどうでもいい!と思わせるほど感情移入してしまいました。
この感覚がどうして男性の北村さんにわかるのだろう、と本当に不思議なのです。
- <円紫さんと私>シリーズ
- 「空飛ぶ馬」 北村薫 創元推理文庫
- 「夜の蝉」 北村薫 創元推理文庫
- 「秋の花」 北村薫 創元推理文庫
- 「六の宮の姫君」 北村薫 創元推理文庫
- 「朝霧」 北村薫 東京創元社
- <時と人>三部作
- 「スキップ」 北村薫 新潮文庫
- 「ターン」 北村薫 新潮文庫
- <覆面作家>シリーズ
- 「覆面作家は二人いる」 北村薫 角川文庫
- 「覆面作家の愛の歌」 北村薫 角川文庫
- 「覆面作家の夢の家」 北村薫 角川文庫
- 宮部みゆき
- これだけ多くの作品を書いていながら、宮部さんの作品はどれもこれもが
読み応えがあり、魅力的な登場人物たちが勢揃いしています。
単なる謎解きではなく、どこか優しい眼差しで丹念に人物を描写していく
とこが、ファンが多い理由ではないでしょうか。
宮部作品に出てくる少年はだれもかれもとっても魅力的なのですが、特に
ユーモアたっぷりな作品「ステップファザーステップ」の”おみきどっくり”の双子の
生意気な可愛らしさにはひたすら脱帽。双子に「お父さん」にされた泥棒さんには同情
してしまいます。
直木賞を受賞した「理由」は、宮部作品としては異色作であるノンフィクション的な語り口。
どこにでもありそうな超高層マンションに住む、どこにでもいそうな一家が、実は・・・。
家族とはなんだろうと考えさせられます。読み終わった後にあらためて表紙を見たときのぞっとした感触が忘れられません。
「火車」もサラ金が発端となる物語。甥の婚約者が行方不明になり、彼女について調べてみると、
彼女はみなが知っている彼女ではないことが判明していき・・・。
ラストシーンの爽やかさが印象的です。大傑作。
”レベル7まで行ったら戻れない”というメッセージが印象的な「レベル7」もオススメ。
時代ものもいくつか書いておられますが、特に、連作短編集「初ものがたり」が秀逸。
回向院の茂七親分がたどりつく事件の真相は、しんみりとせつないのです。
江戸情緒たっぷりの描写にうっとり。
ほかにも「夢にも思わない」「パーフェクトブルー」「龍は眠る」などなど
好きな作品が多すぎて、並べていくだけで大変です・・・。
- 「ステップファザーステップ」宮部みゆき 講談社文庫
- 「理由」 宮部みゆき 朝日新聞社
- 「火車」 宮部みゆき 新潮文庫
- 「レベル7」 宮部みゆき 新潮文庫
- 「初ものがたり」 宮部みゆき 新潮文庫
- 「夢にも思わない」宮部みゆき
- 「パーフェクトブルー」 宮部みゆき 創元推理文庫
- 「龍は眠る」 宮部みゆき 新潮文庫
- 加納朋子
- 絶対にハズレのない作品をお書きになるので、加納さんの作品は安心して
読めるのです。女性らしい繊細で細やかな描写と、物語の構成の美しさが秀逸。
「ななつのこ」「魔法飛行」は、連作短編集でありながら最後の最後で
すべての短編で語られてきた事柄が繋がっていく、その構成はさすがなのです。
ただ、どうしても、北村薫さんの作品を思い浮かべずには
いられないのですが・・・。その後の作品は加納さんらしさがでてきて
嬉しいのです。
「月曜日の水玉模様」は、頑張るOLは実は名探偵、な物語。ユーモアたっぷりで
ありながら、ちょっとしんみりさせるとこも、加納さんならでは、です。
- 「ななつのこ」 加納朋子 創元推理文庫
- 「魔法飛行」 加納朋子 創元推理文庫
- 「月曜日の水玉模様」 加納朋子
- 恩田陸
- 編集業界の人々が絶賛してやまないという恩田陸さんの作品。
読み終わった後に、ココロの琴線をかき鳴らす何か、がたしかにあるのです。
「三月は深き紅の淵に」 は、”三月は深き紅の淵に”という幻の本にまつわる4つの物語。
自費出版で、1,一人にしか貸してはいけない 2,一晩しか貸してはいけない
という制限事項付き。
そんな本があったら・・・本好きとしては、どんな本だか知りたくなって当然ですね。物語の構造が見事なのです。
「光の帝国 -常野物語-」
は、不思議な力を持つ一族をめぐる短編集。泣けて泣けてしかたがありませんでした。
入手困難で有名だった新潮ファンタジーノベルズ文庫
「六番目の小夜子」 は、改定版としてハードカバーで出版されました。
とある高校で代々伝えられる奇妙なゲームが妙にリアルなのです。
- 「三月は深き紅の淵に」 恩田陸
- 「光の帝国 -常野物語-」 恩田陸
- 「六番目の小夜子」 恩田陸 新潮社
- 佐々木丸美
- 既刊17冊は、すべて絶版。許せないものがあります、本当に。
リリカルで幻想的な情景と薄倖の少女たちを巡るせつない運命の行く末を描かせたら、
佐々木丸美さんの右に出るものはいない思うのですけれど・・・。
体言止めの多い、その叙情的な文体には、非常に影響を受けました。
特に、財産家の叔母の館に集う従兄弟たちの中で
起っていく殺人事件を描く「崖の館」がお薦め。
かつてその館でベランダから足を滑らせて海に落ちて死んだ、美しい従姉妹の死の
真相をめぐって、仲の良い従兄弟たちが真実を探り合うのですが・・・。
俗世間から遮断されたガラス張りの館と吹雪に荒れ狂う百人浜の海、という舞台作りが見事。
同じ館を舞台にして、不思議な巡り合わせを描いた作品が「水に描かれた館」「夢館」
「橡家の伝説」「榛家の伝説」と続いていくのですが、あと一冊で決着(?)がつくだろう
と思われたところで、出版がストップしています。無念。
もうひとつのシリーズの
「雪の断章」は斉藤由貴主演で映画化されました。たしか、相米慎二監督だったはず。
金持ちの家で働かされていた孤児の飛鳥を引き取ってくれた運命の人との
淡い恋。しかし、飛鳥が被疑者となってしまった殺人事件は、彼女の行く末に暗い影を
落とすのです・・・。
飛鳥とともにお家騒動から隠された薄倖のシンデレラたちの物語が
「忘れな草」「花嫁人形」、そして「風花の里」と続きます。
どの作品もどこかしらで繋がっていく佐々木丸美の叙情的な世界を堪能したい方は、
古本屋と図書館を丹念にまわってみてください。 文庫は、時折古本屋でみかけます。
- <館>シリーズ
- 「崖の館」 佐々木丸美 講談社文庫(絶版)
- 「水に描かれた館」 佐々木丸美 講談社文庫(絶版)
- 「夢館」佐々木丸美 講談社文庫(絶版)
- 「橡家の伝説」佐々木丸美 講談社(絶版)
- 「榛家の伝説」佐々木丸美 講談社(絶版)
- <北斗興産(?)>シリーズ
- 「雪の断章」 佐々木丸美 講談社文庫(絶版)
- 「忘れな草」 佐々木丸美 講談社文庫(絶版)
- 「花嫁人形」 佐々木丸美 講談社文庫(絶版)
- 「風花の里」 佐々木丸美 講談社文庫(絶版)
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