18 外国紙嘲笑のこと
地震で多くの建造物が倒壊した。それによって土木建築技術の安全神話も倒壊した。
それまでは、日本の建築関係者は、諸外国の地震被害を指して、
「日本では絶対にあんなことは起こらない」と笑っていたのである。
ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト等、海外紙の阪神大震災に対するダイレクトな反応は、一言でいうと、
「それみたことか」という論調だった。
カリフォルニアの震災に対して日本側から、アメリカの耐震基準はなっていない、それに引き替え日本の建造物は絶対安全だ、という話が何度も繰り返された。今回はそれへの逆襲のようなものである。
論調が揶揄から救援に変わったのは、彼らがひとしきり「それみたことか」をやった後である。
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【余 談】
Z■たしかに日本の耐震基準は世界中で最強の水準で、世界一般基準の四倍程度の力に耐え得ることを要求するきつい基準。今回の地震は、その最強水準を嘲笑するかのように、多くの建造物を倒壊させた。破壊状況をみれば、今回は関東大震災どころの地震ではなかったようだ。
Y■建物の壊れ方を見ると、たしかに途方もない力が作用したことが知れる。建築屋の話では、とくに垂直方向と水平方向の大きな力が同時に作用して、信じられないような壊れ方をしている。これまで見たこともないような壊れ方もある。それは建物の中間階が潰れるという壊れ方だ。これは垂直方向に巨大な力がかかったためである。こういう力の作用は耐震設計には織り込まれてはいない、というがね。
X■たとえば、芦屋浜の高層住宅。4500トンの引張力に耐えられる鋼鉄主柱が、スッパリ切断されているのを見るとき、設計家たちは、そこに作用した力の大きさに戦慄し魅惑される。この魅惑は、想像を超えるものの出現に捕捉されているということだよ。
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