《 伸茶俳句の貯蔵庫 》

「今日の一句」」の貯蔵庫です。
一年目のひとまわりの句は、「自分歳時記」にいれてあります。

     
 《02年》04月30日
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ペットボトルに名水百の春の水しんさ
お土産は赤い苺のメモホルダー
 しんさ
冬いちごときどき振つて貯金箱
 しんさ
イヤホンの
ウインナワルツ薔薇咲けりしんさ
春空に
ランチョンマットの飛び立てるしんさ
いくつでも押せる印鑑春の闇
しんさ
割り箸で蛤と書く宙に書く
 しんさ
蛤の固く閉ざしてホッチギス
 しんさ
薫風の空恋しいか羽のペン  しんさ
ドロップの缶ぎっちりよ朝顔蒔くしんさ
失礼とちぎって栞に踊子草
  しんさ
耳かきの先はふわふわ水温む
 しんさ
爪切りの音のくぐもり花の冷
 しんさ
花祭メイド喫茶のクーポン券
 しんさ
指先に鉛筆くるり鳥帰る
   しんさ
永遠の春の書棚の缶ピース
  しんさ
ひげ剃つてオロナイン塗る鳥曇
しんさ
地球儀の傾ぐ小首や黄砂降る
 しんさ
印鑑に息ふきかける竜天に  しんさ
傘の柄にひつかかつてる春愁 しんさ
アンケートについてる鉛筆西行忌しんさ
赤ばかり減って受験の三色ペンしんさ
カップ麺待てば3分日脚伸ぶ しんさ
念入りに削るえんぴつ受験生 しんさ
囀やどれも空向く瓶の口   中西夕紀
アメダスの雨がびしびし花ミモザしんさ
移動性高気圧去りしゃぼん玉  
しんさ
もんじゃ焼妻はときどき梅雨型で
しんさ
なまめくは伊勢佐木あたり春の星しんさ
セーターの胸のふくらみ予報官 
しんさ
下町に春がきそうよもんじゃ焼 
しんさ
天気図にわいのわいのと雪だるま
しんさ
午後からは雪といふ夜の水餃子 しんさ
猫予報あすは雪だと言っている しんさ
南風きそうヨットが帆をはらみ しんさ
雪降って雪国となるきのふけふ 
しんさ
一月の東京タワーの高さかな しんさ
一月や太くも長くも生きられずしんさ
一月の福神漬の如才なさ   しんさ
一月を寝てゐるタヒチの女かなしんさ
一月の窓にびいろに広くあり しんさ
一月の窓ひろびろと銀ねずみ しんさ
一月のやかん鬱金に光らせて しんさ
一月の大皿にある塩たまご  しんさ
福銭に穴あり二日は銭湯へ  しんさ
一月の耳すつぽりと帽の中  しんさ
(伊藤若沖/旭日鳳凰新年を告ぐ鳳凰の無重力    しんさ
遠景の獲物ねらひし鷲の目や  
しんさ
蝙蝠やエッシャーめきし物見塔 
しんさ
あたたかや恋人たちは空を飛ぶ 
しんさ
初しぐれ押されて入るルノアール
しんさ
自画像や耳に真つ赤な薔薇咲かせしんさ
(ダ・ヴィンチ受胎告知)
百合の花率爾ながらと差し出されしんさ
ほほゑみは謎こがらしは永遠に 
しんさ
狐火の数だけ狐のつどひける  
しんさ
国芳「みかけはこはゐがとんだいい人だ」)
しがみつく面にはだかの野郎どもしんさ
冷まじの波は奈落に不二の山  
しんさ
目のあわぬモナリザの目や冬の空
しんさ
ヨッ雷神!浮かれ出たる金の空 
しんさ
かりがねや少年愛の血を流す  
しんさ
芒野で蛙は兎投げとばし    
しんさ
(上村荘園「蛍」)
美しきたちふるまひの蚊帳を吊るしんさ
モナリザと目のあわぬまま凍つるかなしんさ
虫の音に耳そばたてて広目天  
しんさ
増長天槍におでんを突いたろか 
しんさ
梅屋敷たずねてきしはゴッホかな
しんさ
(菱川師宣・燕子花絵)
金箔にドミミドミミの燕子花  しんさ
(菱川師宣見返り美人)
春昼に振りむきざまの美人かな しんさ
あの五文字いまもうれしいサクラサクしんさ
吊の字につるされ猫の仔が鳴けり
しんさ
薔薇の字を
何も見ないで書きなさい しんさ
人の字を呑んで受験は面接へ  しんさ
穴の字をじつと見つめて蛇穴へ 
しんさ
新米や噛むという字の踊りだす 
しんさ
髭の字の此
コノの辺りを秋の風  しんさ
くうくうと鳩の字が鳴く七五三 
しんさ
日の丸の裏も日の丸文化の日  
しんさ
念力で二百十日を裏がへす   
しんさ
へのへのの裏は寂しい案山子かな
しんさ
くつさめに蔵のねずみの裏返る しんさ
春の海のたりのたりと裏返る  
しんさ
緞帳の裏くれなひの里の秋   
しんさ
台風を宮島しゃもじで裏返す  
しんさ
喪にふくす裏くれないの襦袢かな
しんさ
面の裏よわひ忘れし踊りかな  しんさ
頃良しと秋刀魚の腹を裏がへす
しんさ
夏草に少し眠たき地球かな   

かげろうや二本の足で立つ地球 

宇宙船に人住む不思議空豆も  
地上絵のごとくか
リオのカーニバル
向日葵のわたしがあなたの未来です
空豆や地球をまわる宇宙船   

この星の海の一部で汐干狩   

蛇穴を出るクロマニオン立ち上がる

宇宙船に人住む不思議合歓の花 
寝そべれば銀河みおろす地球かな

おっぱいも地球もまるき朧かな 
どぜう鍋くったくったと煮えてきし
あそぶ子にいやいやながら暮れる夏
二の坂にダリアぽんぽん岡野邸 しんさ
ごとんごとん窓の外は大驟雨  しんさ
夏ばてやぷにぷにぷにと電気風呂
しんさ
浜茄子のぐらつと傾ぐ五能線  
しんさ
六月やしゃわしゃわまわる食洗機
しんさ
ぺったりと
モリアオガヘル葉の裏に しんさ
ちょろちょろと
流れふわふわと蛍かなしんさ
ひんひんと海馬いななくかき氷 
しんさ
太極拳またさらさらと汗をかく 
しんさ
ちぱちぱと藁に焼かれて初鰹 
しんさ
焼酎をぎゅんと冷やして縄のれん
しんさ
ぱっちりの瞳しかない金魚かな 
しんさ
ぱっちりの瞳で見つめ美女やなぎ
しんさ
胡瓜揉つんと上向くガラス鉢  
しんさ
海開きすればパリンと波頭   しんさ
ざわざわとシャンペンの泡パリー祭しんさ
ぷにぷにと割り込んでくる散水車しんさ
青空のぎらつと悲し敗戦日   しんさ
寝返れば
ぎよぎよぎよとハンモック しんさ
まろまろと血は薔薇となる指の腹しんさ
屋久杉を千年ゆらす大みなみ 
しんさ
かにかくに昭和の夏の大ガード しんさ
白日傘ゆうれい坂を下りてきし しんさ
グラウンド坂校歌うたへば風光るしんさ
浜名湖の景もおかずにうなぎ飯 しんさ
花の屑はらひ寺町かささぎ湯  しんさ
お台場の船に手を振る春の波  しんさ
ニコライの鐘に春知る駿河台  しんさ
ざんざかと箱根関所の夏の雨  しんさ
広島や血を血で洗うサングラス しんさ
京で飲むしあはせ鱧の三杯酢  しんさ
三条の橋をふはんと花吹雪   しんさ
大原女の籠よりほろと花のくず しんさ
あかさかや白てぶくろも終盤戦 しんさ
新宿や手を振る候補花の冷え  しんさ
横川の釜めしうましあんずの実 
しんさ
だれもかも白いポロシャツ軽井沢
しんさ
どの橋も春日の中に隅田川
   しんさ
勝鬨の開かぬ橋におぼろ月   しんさ
お江戸より二里二十町よもぎ餅 しんさ
長坂のツツジの家が若井さん
  しんさ
板橋と言うは橋の名ゆきやなぎ
 しんさ
ドリアンの荷 果物商の昼寝  しんさ
プロレスラー燈火親しむ控室   しんさ
画材屋に春の絵の具が新発売  しんさ
鮭弁の海苔が歯につく司法書士しんさ
円高の社長の円三寒四温かな    しんさ
課長また十八番のスピーチ花氷
  しんさ
警部補の警棒の先鳥帰る      しんさ
春空に駒を並べて将棋指し
     しんさ
春空に数字ならべて数学者    しんさ
ラーメン屋腕を競いて夏の川   しんさ
春光やおのが髪切る散髪屋     しんさ
入り江には菜の花パスタのイタメシ屋しんさ
春の雪子はみみたぼに熱を持ち しんさ
こりこりの海鼠こりつと舌を噛む しんさ
花茣蓙の跡ほほにある目ざめかな しんさ
甘皮をはがすごとくに雨水かな しんさ
まふたつに割れる腹筋花さびた  しんさ
ぴしぴしと額で豆受く節分会   しんさ
姫始そこ弁慶の泣きどころ     しんさ
襟足の夜目にもしろし金屏風   しんさ
麦飯のやをらこめかみ踊り出す
  しんさ
袋にんと収まるの鍋    しんさ
の名をくで呼びぬの朝   しんさ
匹の鰌を掘って仕事始め   しんさ
ろは歌留る指先にごごろ  しんさ
ごともには良いかの鍋  しんさ
焼芋甲斐もなく食べて  しんさ
袋は島区なのね毯屋    しんさ
星や々たちよる那そば屋 しんさ
白しりそこなった取り句 しんさ
つぽいをんな居て方拝   しんさ
るとき袍着たまま父かな しんさ
星はく静寂ののびよる  しんさ
ざ行かむ鰌掘るたびのびるしんさ
つの間に火の芋にむる熱 しんさ
地っぱり袍着たまま向むひてしんさ
とほしく蘇のむ夫婦居にてしんさ
町にい火事あり京区   しんさ
いずこより来しや駅前しめ縄売 しんさ
百人のサンタが町に冬至くる しんさ
ゆずの実を友が持ちくる句会かなしんさ
行く年や歌声喫茶にぎわへり   しんさ
蛍きて蛍さりての闇うごく     しんさ
番小屋に同心の来て股火鉢     しんさ
新宿の職安通りサンタ来る     しんさ
隠密も俳諧師も行く枯野かな   しんさ
冬の田を割つて汽笛の近づき来  しんさ
かきわけてかきわけて行く息白ししんさ
見事なる葡萄の房をつまみ持つ  しんさ
放課後の手に焼芋の袋もち    しんさ
過越の日銀貨を入れた壺を持ち  しんさ
露けしや男は矜持持ちをれば   しんさ
金持たぬ暮らしにもなれ天高し  しんさ
ペン一本持って授業へ柿の秋   しんさ
細腕に熊手たかだか捧げもつ   しんさ
持つべきは友ぬくめ酒酌み交はし しんさ
鶏頭は人突きそうな頭持ち    しんさ
千の目を持つという夜の合歓の花 しんさ
ラガー等は走る魔法の薬缶持ち  しんさ
銀漢や誰も見はてぬ夢を持ち   しんさ
ポリ袋持って銀杏の落つを待つ  しんさ
末枯て芝居めいたる村に入る    しんさ
秋刀魚でて病気ひっこむ木村くん しんさ
台風過家族の靴の庭に出る    しんさ
ロボットがまかり出て舞う花野かなしんさ
川端通り二条西入る鱧に酒    しんさ
「まつさか」が出て治まりぬ踊の輪しんさ
森になるベランダ蝉の鳴きだせば しんさ
宿題は手つかず法師鳴きだした  しんさ
赤蛇のあとは青蛇出るくだり   しんさ
熱風ににゆつと手の出る競輪場  しんさ
ぬか床の底に怪しき茄子出る   しんさ
茗荷汁出てからのことおぼろげに しんさ
黄身つぶし夜店のひよこ思ひだししんさ
短夜や思ふばかりの異国かな  しんさ
夏の日を長いと思ふことなかれ しんさ
女には勝てぬと思ふ夏蜜柑   しんさ
シナプスも濡れると思ふ若葉雨 しんさ
手榴弾のようだと思ふ柘榴かな しんさ
短いと思ふ一日の枇杷を食ぶ  しんさ
笑うかと思ひくすぐる百日紅  しんさ
海の日を思うだけでも青くなる しんさ
フラミンゴ見て思ひ出すつるかめ算しんさ
ほうたるを母だと思う蛙の子  しんさ
こんどこそ飛ぼうと思ふ水すまし
しんさ
さみだるる伊丹の町に句会ありしんさ
薔薇の香に醤油のこげる匂ひあり
しんさ
夏空のありや謎のモナリザに
  しんさ
海沿いの大釜にありハナサキガニ
しんさ
ブロンズの猫を飼ひをる夏館  しんさ
遠目にも赤白の薔薇咲いてをり しんさ
麦秋の農学校に寮歌あり    しんさ
カーネーション
庭に植えてある母の家しんさ
人の嘘ラムネの瓶には玉がある
 しんさ
お台場はわたなかにあり若葉風
 しんさ
入れ墨の老人のあり菖蒲の湯
  しんさ
メイド喫茶あり灼熱の電気街
  しんさ
音立てず素麺すする馬鹿のあり
 しんさ
蝌蚪の国ありて子供はどろんこに
しんさ
焼叉麺チャーシュー喰わぬ
馬鹿のありしんさ
引っ越す子手を振る子供
アマリリスしんさ
雨の日はどこにも行かず月に石
しんさ
新緑をゆらしてバスの出てきたり
しんさ
煉瓦壁ほほをかすめて燕飛ぶ
 しんさ
花の夜に戻ってきたり家出猫
しんさ
はまぐりの砂吐く時の後ずさり
しんさ
出無精も出向かん花の飛鳥山
 しんさ
花いかだ流れ着いたる硫黄島
 しんさ
通天閣がに股でゆく朧かな
  しんさ
動くものみな歩を止めり春の虹しんさ
花灯くじら空飛ぶ博物館
   しんさ
お花見のころがつてゆく月日かな
しんさ
おつかいの歩み遅める花吹雪
 しんさ
満開のさくら満員のバスが行く
しんさ
スケボーのさくら横町を駆けぬける
しんさ
春雪や朝日ジャーナルすでになくしんさ
旅立ちで終わるシネマや春の雪
 しんさ
野ballのホームベースに春の虹
 しんさ
アフリカが見えるパティオや春落葉
しんさ
爺さまごと納ひ忘れし春炬燵
  しんさ
春風邪のマスクの中の赤い口
  しんさ
春の雪ドンキホーテ進め進め  しんさ
永田町茶番ですよね春寒し
   しんさ
春の雷都会は高いビルばかり  しんさ
言い訳もどこか間抜けな春の風邪しんさ
ひとつでも値千金冬終わる   しんさ
十を聞き一も分からず春こたつ しんさ
種まきや一息入れてハーブティ しんさ
木曽のなあ十指にあまる春の山 しんさ
うぐひすに舌三寸の光かな   しんさ
牡蠣すするパリの食堂星ひとつ しんさ
アマリリス三々五々に帰へる道 しんさ
春風や鉄腕アトム百万力    しんさ
春なれや北斗七星うるうると  しんさ
南極に三十もあり雪の色    しんさ
春の野辺ぼくのクレオン12色 しんさ
花までは十重二十重なる寒さかなしんさ
二月
にんがつの一万札には羽がある しんさ
さえ返る百の真に嘘ひとつ
   しんさ
襟立てて七つの顔の男だぜ
   しんさ
横町は午後の濃き影夏みかんしんさ
冬の日のぬくもり金子文英堂しんさ
仙崎や冬も実をつけ夏みかんしんさ
一月の出囃子木戸にこぼれつつ しんさ
一月号おまけの俳句手帳です  しんさ
ジパングは黄金睦月の銭の音  しんさ
一月のねむり惚けし山の宿   しんさ
一月は花果山めけり山のさま  しんさ
うれしきかな又一月にまみえたりしんさ
一月の夢で悟空になつてをり  しんさ
公園はだあれもいない一月は  しんさ
御園座の一月公演雪もよひ   しんさ
一月の若草山のたかみかな   しんさ
一月のたれそ開けしか御所の門 しんさ
一月のバスぞろぞろと伊勢詣り しんさ
婦人誌のおまけ分厚し十二月  しんさ
はるかより響く鈴の音クリスマス しんさ
窓辺には白きレースの聖樹かな  しんさ
ガラス越し富士は光れり雪乗せて しんさ
年の瀬や巫女きりきりとたすきがけしんさ
数へ日や最後は速き砂時計   しんさ
駅伝にせかさるるごと賀状書く しんさ
軒々を巡りて暮の灯油売り   しんさ
ひとごみの我もひとごみ年の暮 しんさ
端っこからドミノの走る十二月 しんさ
カップ麺すする植木屋暮の市  しんさ
今年こそ呑もうと書いて年の暮 しんさ
色づきてポインセチアの聖樹めくしんさ
縦の線爪に押しよせ十二月   しんさ
せわしさは二乗でありぬ賀状書くしんさ
賀状買ふついでの賀状図案集  しんさ
お歴々ひとこと長し年忘    しんさ
子供らの蹴る夏みかん学校へ しんさ
どうですと親爺かち割る柘榴かな しんさ
華やぎて枝たわませし冬林檎 しんさ
団栗やでんぐりがへつてここかしこしんさ
悩まずに好きなだけ喰へ石焼芋しんさ
野を駆ける少年の脚ぶどう踏むしんさ
薄紙をまとひ熟れゆく黒葡萄  しんさ
泣きじゃくる太郎眠らせ次郎柿 しんさ
桃愛でるこよひ痛快時代劇   しんさ
お背戸には誰が置いたか栗木の実しんさ
どんぐりや
でんぐりがへつて坊つちやんにしんさ
虚をにらみ升田九段は桃すする しんさ
筆柿や空は大きなキャンバスだ しんさ
無花果や全てのイブを隠したる しんさ
栗の実の頭でつかち転倒す   しんさ
また会おう明日もりんごの木の下でしんさ
渋柿や驚天動地の顔のさま   しんさ
かの山の兄がかじりし檸檬かな しんさ
立て板に水参道に暦売り    しんさ
渡り鳥みんなで渡ればこわくないしんさ
塞翁が馬なりおいら阿波踊   しんさ
秋日和故きを温ね新しき    しんさ
採れすぎは及ばざるごとサンマ漁しんさ
掃き溜めに鶴新宿に大道芸   しんさ
七人の敵つどいたる芋煮会   しんさ
靖国や無理が通れば猫じやらし しんさ
秋刀魚出て猫が引つ込むT氏宅 しんさ
月の土地住めば都のことわりも しんさ
秋草の揺れて多生も袖触れず  しんさ
ほうたるや酸いも甘いもある旅路しんさ
温め酒夫婦が男女に戻るとき  しんさ

立て板に水のよどめる冬の滝  しんさ
案ずより生むが易しか萩に月  しんさ
愛人に短し妻には永き夏    しんさ
幸せは歩いてこない運動会   しんさ
買ってで苦労しなさいとろろ汁 しんさ
村座加公演涼祭     しんさ
万緑
の中より毬がころがり来  しんさ
墓前には中華まんじゅうある西日しんさ
背泳ぎの底の男も泳ぐなり   しんさ
手花火のついに真下に落ちにけりしんさ
スリッパの右と左や夏館    しんさ
きべそもいに微笑む茨かなしんさ
草やはものどもがの跡  しんさ
まぐさにきまとわれし しんさ
まくなぎを突破せざれば帰られずしんさ
くれなゐの頭揃へてカンナ燃ゆ しんさ
四方に告ぐ我ここにあり凌霄花  しんさ
南蛇井といふ只の駅姫女苑    しんさ
高円寺まだ阿波踊りは先のこと しんさ
わが猫にあらずこの猫こひの猫 しんさ
蝶の舞ふその一面は蝶のもの  しんさ
アオザイの胸つんとして蘭の花  しんさ
いつも見るあれが芍薬であったとはしんさ
春服の小鳩くるみのブロマイド  しんさ
お出かけのきいちの塗り絵は春の服しんさ
苺屋のどれがとよのかとちおとめ しんさ
両の手のさきたま苺めしあがれ しんさ
ドラエモンのびた
ジャイアン花の町しんさ
花見地図王子扇屋たまご焼   しんさ
薄墨の桜ほたほた樽見線    しんさ
両の脚ぎくしやくとして大試験  しんさ
いざさらば卒業公演宝塚     しんさ
茶摘唄一服してまた茶摘唄    しんさ
客が来てまた客がきて雛の家   しんさ
大川も近所の川にも春が来た しんさ
春風や自分探しの自分です  しんさ
ふららこの空の後ろと前の空 しんさ
大川も近所の川にも春が来た しんさ
メシは喰う桜咲こうが咲くまいがしんさ
ぶつぶつの苺つぶつぶ産毛かもしんさ
花待ちの花見提灯ある眺め  しんさ
山わらう笑う子いてもいなくてもしんさ
閉じかけて見上げて開き春日傘しんさ
卒業のさらば楡の木さらば友 しんさ
杉の身のせつなく震え杉花粉 しんさ
ふららこの空の後ろと前の空 しんさ
大川も近所の川にも春が来た しんさ
刻んでも煮ても茹でても春キャベツしんさ
一皮をむいてもむいても春キャベツしんさ
わた飴もふくらみ梅もふくらみぬしんさ
蝶の舞ふ辺りいちめん蝶の舞ふ しんさ
わが猫にあらずこの猫こひの猫 しんさ
春風や自分探しの自分です   しんさ
茶摘唄一服してまた茶摘唄   しんさ
恋猫のありをりはべりいまさかりしんさ
客が来てまた客がきて雛の家  しんさ
あらまほし春の島には春の歌  しんさ
里の熊
ずびずばずんと打たれたる 伸茶
ぼうぼうの
火のうえ牡蠣の身のちぢむ伸茶
焼き牡蠣や
あちゃあちゃあちゃと頬張りて伸茶
座敷いたお客とろに   伸茶
午やの運までて待とか   伸茶
ご板をいて占ふひごと  伸茶
近し作りなる間の声   伸茶
っぱにたきままの土かな 伸茶
年今年切なものひ忘れ  伸茶
竹伐れば節より姫の生るる日も  伸茶
の使い焼三尾みやり    伸茶
の葉髪らんと落つゝに   伸茶
んがりとらこが焼けてい茶漬け伸茶
の葉舞ふ田馬場で遊び   伸茶
木曽はなぁぽんからぽんの冬うらら 伸茶
ちれちれと門を叩いて初時雨   伸茶

すっぽりこ傘に収まり初時雨   伸茶
煎餅でこなこなとなる炬燵かな  伸茶
くつくつと炊ける鋤焼き箸せわし 伸茶
鍋奉行ははっとひれ伏す理由もなし伸茶
くつくつと煮えたる河豚は紙の鍋 伸茶
の村涸れるのをがみる  伸茶
人のたずむセーヌ冴ゆる  伸茶
んがりとらこが焼けてい茶漬け 伸茶
売りどる家路の冴ゆる  伸茶
人のたずむセーヌ冴ゆる  伸茶
の葉髪らんと落つゝに   伸茶
ぎれいなぬきのお宿ひ長湯 伸茶
米雪つた一夜でもりけり  伸茶
走りの馬の子のまずけり  伸茶
年今年切なものひ忘れ   伸茶
ろがれる団の顔はんつるてん伸茶
の使い焼三尾みやり    伸茶
枯や焼き針でつかれる   伸茶
地震あり秋の越後の友いかに    伸茶
台風や後ずさりしつつつい笑う   伸茶
早起きは三文の得ご来迎     伸茶
長そうめん三輪のお山の透き通る 伸茶
心太むかし都電の箪笥町     伸茶
おやじなら柿どろぼう!と叫ぶかも伸茶
般若湯ひさごに秘めて高野山   伸茶

いつよりぞ単独飛行のイナゴかな 伸茶
郭公に尿イバリ応へる山の朝    伸茶
虫の声ニッケル脳に住みつくか  伸茶
秋風や隣の区には路地づたひ    伸茶

一夜あけ鯉の小千谷の天高く   伸茶
人を喰う名物教師天高し     伸茶
天高し一筆書きの飛行雲      尚
秋風や戦いをへて髭が伸び    伸茶

ソシュールもチョムスキーも出ず秋の風伸茶
天高し胸に合格シャープペン   伸茶
秋風や解答にある錯乱肢     伸茶
秋風や福神漬が真っ赤っか    伸茶
天高し昔お江戸に天守閣     伸茶
破らるる記録も誉れ天高し    伸茶
天高しいよよ鯱反りかへる    伸茶
秋風やひそと八幡の薮知らず   伸茶
虫かごに茜の雲も入れるのか   伸茶
秋の薔薇元宰相も一休み     伸茶
曼珠沙華笑い写真に収まるか   伸茶
野球小僧真骨頂なり天高く    伸茶
乳飲み子はいつまで泣くか十六夜 伸茶

道無みちなしとある山々や秋の風   伸茶
台風や銀座をゴジラふみつぶす   伸茶
掬はれて茶房に嫁ぐ金魚かな  伸茶
きんととの赤いべべ着て掬はれる 伸茶
鬼灯に雨粒つけて持ちかへる   伸茶
苦瓜のベビー黄色のリボンつけ  伸茶
父の日の父の集へる囲碁クラブ  伸茶
縮こまるちんちんつまみ夏の川  伸茶
テト馬車の過ぎし湖畔の涼しさよ 伸茶
無月にも兎はモチをつきをるか  伸茶
栗飯や煮るか焼くかでまよひつつ 伸茶
芋名月神はカインを許したもふや 伸茶

紙飛行機の着陸するか三日月に  伸茶
道問わむ世界遺産の道おしへ   伸茶
テト馬車の過ぎし湖畔の涼しさよ 伸茶
樹の中に大河はありぬ蝉時雨   伸茶
すいか切るまぐろ一尾を捌くごと 伸茶
綿菓子の破裂するほど膨らめり  伸茶
川音のここをねぐらのテントかな 伸茶
補陀落や西にヨットの帆は浮かび 伸茶
いぢめにもナニクソッともぐトマトかな伸茶
帰りきて梅酢の水に癒される   伸茶
立ち飲みのコップ分厚し冷し酒  伸茶
岸壁にあずき滑らせかき氷    伸茶
おじさんやどこに行ってもまずビール伸茶
夏野菜あかあおきいろラタトゥーユ伸茶
よしきりの舌先光る富士の山   伸茶
うぐいすや静寂という贈りもの  伸茶
尾根づたひ白根は遠しちんぐるま 伸茶
バス路線一筆書きや花の街    伸茶
鯉のぼり安達太良山をひとのみに 伸茶
海鳴りや焼き烏賊にほふ汀まで  伸茶
カルメラの花火のごとく次々と  伸茶
梅の実をはや漬けねばと漬けねばと伸茶
いつもいるいつもの客とビール汲む伸茶
鳥羽湾やふたつみつつと海女の桶 伸茶
安曇野や巡査の帽子に蕊の降る  伸茶
岐阜城の浮かべあがれり鵜のかがり伸茶
縄飛の輪の中にあり富士の山   伸茶
住職の笠智衆めく彼岸寺     伸茶
ぼんぼりは門火のごとし雛の春  伸茶
予備校に一縷の望みもう二月   伸茶
三月やクレヨンで書く海の色   伸茶
学舎のセピアにあせし四月かな   伸茶
頬くれない女弁士の五月かな   伸茶

六月の夢は魚になっている    伸茶
七月の牛丼つゆは波を打ち    伸茶
八月は木下サーカス行くんだよ  伸茶

旅芝居おひねりの飛ぶ九月かな  伸茶
ゆでたまご十一月の汽車に乗る  伸茶
少年はパトラッシュのごと大試験 伸茶
はしゃぐ子のごと大空に凧あがる  伸茶
春ごたつ蟻地獄のごと横たわり
    伸茶
鯉のぼり安達太良山をひとのみに 伸茶

初蝶やひらり飛びたつ蝶の本   伸茶
梢揺らし神の手のごと泰山木   伸茶
ひらひらと踊る手のごと花まんさく伸茶

ひな壇や笙や鼓のこだませり
      伸茶
うぐいすやスコッチ提げて湯島まで
伸茶
囀やしばしもやまぬ女高生
   伸茶
春風や町に育毛相談所     伸茶

春風や力こめたる肺活量    伸茶
春風やひらと図書券宙をとぶ  伸茶
春風やぺらんぺらんの辞表舞ふ  伸茶
フェンスから手振る子みたい花茨 伸茶

G線上のアリアのごとし辛夷咲く 伸茶
任侠は維新のごとし辛夷咲く   伸茶
卒業や記念にもいちど逆上がり 伸茶
涅槃会やなかぞらに今鳥の声     伸茶
雁風呂や山口瞳のあの台詞   伸茶
探梅や高島礼子の白き腕    伸茶

白梅や宮沢りえの薄き幸    伸茶
日向ぼこ千年一日(ひとひ)のごとしなり伸茶
子を抱けば入水のごとし海開   伸茶

快音のさき摩天楼風光る     伸茶
噛めばまたしゃくしゃく応ゆ野沢漬伸茶
チェロを弾く天才少女泰山木   伸茶
まだ海を夢見る少女桑の花    伸茶
少女まだ黒き水着に身をつつみ  伸茶
紙しばゐ待つ少年のかげろひぬ  伸茶
まだ海を知らぬ少年麦こがし   伸茶
少女等は笑ってばかりアマリリス 伸茶
少女等は燕の子らし合唱隊    伸茶
野を駆ける少年の足踏む野葡萄  伸茶
曼陀羅の透けば宙あり空也の忌  伸茶
ほろ苦き水あまき水桜桃忌    伸茶
股火鉢すでに番屋は暮れかかる  伸茶
薪割りて炭焼小屋も暮れゆけり  伸茶
ひょんの実や頭よくする好奇心  伸茶
金柑に臍あり寺には坊主あり   伸茶
夜長さやあたまに戻るわらべ歌
  伸茶
蝉の声六甲おろしを歌いだす
  伸茶
うそ寒やジーンズにある膝小僧  伸茶
かなかなの占領したり百葉箱  伸茶
夕月にあなたとわかるあぎとかな 伸茶
手話の子の口もと動く麦の秋   伸茶
竜舌蘭ジュラ紀恐竜唸るごと
   伸茶
薔薇豪華内科小児科阿部医院   伸茶
麦ごはん噛むという字の踊りだす 伸茶
新そばや女将の声の甲高き   伸茶
陸海空 専守防衛 颱風来
   伸茶
わたり鳥でござんす十条芝居小屋
伸茶
お迎えの自転車のかご葱と傘  伸茶
きすげ咲く道こんにちはこんにちは伸茶


《NHK全国俳句大会秀作》
平成18年度坊城俊樹さん秀作選
 
 《今日》
【手花火】


手花火のわたしが母になつてをりしんさ


      
《NHK全国俳句大会特選句》
平成15年度鍵和田袖子さん特選、伊丹三樹彦さん秀作選
 
 《今日》
【海開き】


子を抱けば入水のごとし海開   伸茶

「待ちこがれた海開き。早速海に入る。たまたま幼児を抱いて海に入った途端、はっとしたのである。まるで入水のようだと。例えばその子安徳帝と共に入水した建礼門院の姿などを思い出したのかも知れない。日常性の中の、しかも楽しい行為の中での、思いがけない心理。怖ろしさ。ユニークな海開きの句に魅了された。」鍵和田袖子さん評