この小論は今から5年前、500kHzに掲載した一部です
亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。
阪神大震災と放送
今を去る十数年前、皆さんには記憶は無いと思う宮城県沖地震がありました。大都市型地震の典型的な最初の災害でした。今回はその教訓が、あまり生かされてない感じです。電気、ガス、水道、電話が全部止まりました。地方の核心都市、仙台市の場合を再考して見ます。
[災害は忘れた頃に来る]ご存じの通り有名な格言です。地震、津波は東北、北海道の過疎地帯の蔑視した場所の現象と見られがちです。
100万都市圏の震度は5〜6で規模は小さがったのですが、行政や情報機関の徹底した対応は今回の場合とかなりな違いがあるように思います。
夕方5時過ぎです。揺れました。交通ラッシュが始まった国道4号の1日の最大通過車両は約6〜7万台、信号もストップしました。真っ暗闇で車のライトの他に明かりはありません。
車に乗ってますと、大勢の人が車を抱えて持ち上げ揺り動かしてる感じです。通常20分で行けるのに5時間掛かりました。火災はありません。[地震即消火、そして津波]これが市民90%の基本的な意識です。
東北の場合は暴風による災害は少なく、むしろ洪水と地震津波による大災害は数十年に1〜2度あり、先祖からその対応は躾られて居ります。然し、仙台は岩盤で地盤も堅く大きい地震のない場所と、阪神の方々と同じような迷信を抱いてる方が多かったのですが、ある地域は本当に数百年間地震のない処もあります。
又、ハイテク仙台地下鉄の階層は地下3〜4階で、道路を掘り下げた工事とは違い、神話の通り岩盤で地上から堀下げることができない場所も多く、建築の場合もパイルの打ち込みは旧市内はできない処もあります。[一度は住んで見たい芦屋、西宮]皮肉ではありません。
さて、敢えて神話と申し上げましたが、それよりも現代社会生活で、先ず電気、ガス、水道、電話のストップを数日間の経験しましたが、初めての都市型災害であったので、札幌、東京、名古屋、大阪の電力、ガス、水道の関係者が多く見えられ復旧に全力で当たって居りました。
この宮城県沖地震で大都市災害対策のマニュアルも見直され行政側は真剣に取り組んだと思います。最初に電気、次に水道が復旧しましたが、30万世帯に供給する仙台市ガス局の復旧は大幅に遅れました。冷害も含み災害に慣れてる東北ですが、仙台市の場合は大空襲で壊滅的な被害を受け、戦後、広島に劣らない都市計画の推進により、片側6車線道路は今回の神戸の場合と違った都市構造であっても、同じ伝統都市としての行政の対応に問題があったことは避けられません。
一例ですが、防災無線や防衛庁、県市町の協力体制や、放送や報道の問題です。神戸の民放やNHKはそれなりの対応はあったと思いますが、十数年前に仙台の東北放送TBCやNHK仙台は地震発生時より一般人の安否と生活情報に切り替え、逐次休むことなく放送されました。交通情報も含めラジオの効果は絶大なものがありました。携帯ラジオも90%の人が所持して居りましたし、流言ひごもありませんでした。過去の過程を思い浮かべ、NHK仙台、東北放送、仙台放送やFM仙台放送は、既に十数年前に全力で情報提供を行っていました。どこの店でも電池は空っぽになりました。全国放送が問題ではなく、地元に密着した放送が大切で、ニュ−ス性、情報の少ない今回の放送は、特に目新しいものが無かったように思います。
必ずいつかは地震や津波があると認識してる東北の素朴さが、三陸はるか沖地震の場合でも八戸市の被害は少なくしてると思います。大都会であろうと、救援要請のシステムに問題があったとしか思われません。
当日の早朝AM神戸やNHK大阪を聞いて居りましたが、最初から正確な情報は把握できませでした。何かが起こったことは理解できても具体的な内容は放送のなかにありません。肝心の情報無線通信の無防備体制の欠落にあったと思います。
お金持ちの先進都市でありながら、防災関係の認識欠如と言う他ありません。
今も昔しも海上と陸上の違いで基礎の無い地盤に無線塔を形式的に立てに過ぎない架空の設備であったろうと考えます。世の中は常に神話は崩れ去ります。伝統と歴史は大事に守らなければなりません。然しマルチチャンネルの防災無線の時代に構造物の崩壊により通信不可能とは理解できません。救援ヘリが数多く現地に飛びましたが、空の交通整理は誰が指令したのでしょうか。個々の無線は通じても本家の無線が停止した状態では、現代社会に必要な総合的な力は発揮できません。船舶無線や航空無線と比較する理由はありませんが、あまりにも粗末な行政無線であることは否定できません。通信衛星の時代に内陸の行政通信は一体どうなっているのでしょうか。携帯電池ラジオは1人1台の時代ですが、関西の保有台数は遥かに平均より少なかったと思いますが。
企業優先も大事ですが、個人の生命そして、社会不安、より早い情報提供が必要です。
パソコンでも打つことにはベテランでも一般的に理解してる人は、ほんの少数の人で、業者任せと同じように今回の大震災は人災によるところも多々あったと思います。地震の規模が遥かに大きいとしても事前に防げる手段は無かったわけではないはずです。行政を攻める前に普段の準備と心がけが一番必要ではないでしょうか。例えば東日本の場合、書架やテレビを設置する際に必ず後部に倒れない止め金具が付属され必ず止めています。
東北で小規模地震であっても放送は[火をけして下さい]と何度も繰り返し放送されます。東北新幹線の地震計は遥か数十キロ離れた三陸海岸に設置され連動しストップする仕組みなそうです。
又、予算の少ない小さい村では数十年計画で何キロも、津波避けの頑丈な堤防を構築して居ります。地震と津波は東北の特許ではありません。断層直下型地震はいつどこで発生しても不思議ではありません。地震による被害は最近の例としては、福井、新潟、秋田、奥尻等々日本海側にも多発して居ります。太平洋三陸プレ−トだけではありません。
問題は放送の内容です。具体性の無い客観情勢の放送はNHKです。過ぎ去った過去の事実は良く放送されますが、どうしなさいとは具体的には放送しません。放送の内容を判断して自分で決めなければなりません。咄嗟の場合は考える余裕はありません。現場サイドで放送できるかどうかは知りませんが、関連事項を流せば良いと言うわけには参りません。避難場所とか、何の様に避難すれば良いのか、放送内容の具体性を望みたいところです。色々な制約はあると思いますが人命尊重と被害を最小限度に留める手段は今回何一つ無かったように思われます。ラジオは一般庶民にとり即効性のあるのが大きな特徴です。今、災害が発生して頼れるのはラジオだけです。非常事態の場合は放送と行政の一体化が必要ではないでしょうか。重要構築物の倒壊を見た場合ですが、地盤が弱い処と放送して居りましたが、地盤が弱いからこそ建設基準があるのであって、現代工法では以前に全て知り尽くしてるはずです。今更可笑しいと思います。崩れ去った神話の新幹線、高速道路は前述した企業再優先の現象としか思われません。偶然とか試算以上の強い衝撃とか理屈はあるでしょうが、お互いに無責任な放言は許されません。決断を要求する現社会では、保守的な行動は最大に批判されます。何故総理大臣が4時間後に対策を始めたのか理解に苦しみます。
昔、陸の孤島と言う言葉が流行しました。大都市は陸の孤島でしょうか。偏見かも知りませんが正に言葉の通りです。無線やパソコン、そして近代化に挑戦しようとしてる老体のハシタ無い意見でしたが行政主導型の遅れと企業再優先の現状、そして報道の極端な内容の違いと専制に強く批判した小論説でした。
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