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 読売新聞「家庭とくらし」より 2003/04/09

        介護施設「コンビニ化」
           日帰り、お泊まり、何でもあり
 
 
 介護保険が始まって今月で三年たった。在宅サービスは使い、にくく、施設への入居希望が増えるばかり。そんな反省から、デイサービス(日帰り介護)や短期宿泊、居住など「何でもあり」のサービスを目指す動きが宅老所など小規模施設で盛んになっている。お年寄りが住み慣れた地域で細やかなケアを受けられる有効な手だてとして、国も制度化に向けて研究を始めた。
                                                                       (斎藤 雄介)

 栃木県壬生町の宅老所「のぞみホーム」には十二人のお年寄りが居住している。日中だけ通うデイサービスの利用者も五人いて、そのうち二人は時々ナイトケア(お泊まり)も利用する。
 いわば、「何でもありのコンビニ介護」。「小規模多機能施設」とも呼ばれる。居住の場合の利用料は、介護保険の一割負担、食費、家賃などを含めて月七、八万円ほどだ。

一九九三年のオープン以来の利用者である字井久さん(95)を訪ねると、ベッドでうつらうつらしていた。「彼女に必要なことをしていったら、デイサービス、お泊まり、居住という複数のサービスを提供する形になったんです」と同ホーム代表の奥山久美子さんは言う。
 夫の俊一さん(94)と二人暮らしだった久さんは、アルツハイマー病で、深夜に騒いだり、はいかいしたりしたため、朝から夕方まで同ホームで過ごすようになった。夜は俊一さんが迎えに釆て、近くの自宅に戻った。
 そのうち、俊一さんの負担を減らすため、週一回のお泊まりの日が設けられた。デイサービスでも、「熱が出た」「雷が鳴って怖い」といった日にはホームに泊まるようになり、お泊まりの回数が自然に増えていった。
 翌年には久さんが転倒して右足を骨折、外出に車いすが必要になった。俊一さんには車いすの乗り降りを手伝えないため、通常、この段階で久さんは病院や特別養護老人ホームに入居ということになる。しかし、同ホームでは朝、夜と、ホームヘルパーを派遣することになり、久さんは車いすでデイサービスに来られるようになった。

 「施設を転々と移って見知らぬ職員になじめず、家族にも見放されたと感じるお年寄りは少なくない。痴ほうの症状も悪化します。それを避けたかった」
 顔なじみの職員がいる小規模な施設の方がいい。住み慣れた地域にあれば、家族にもすぐに会える。
なじみの店に出かけることもできる。
 その後、久さんはお泊まりの回数が増え、二〇〇一年には居住するようになった。
 「妻の面倒を見るのが生きがい」という俊一さんは毎日、久さんの好きなシャンソンの
CD持って顔を出していたが、昨年、体調を崩して入院。
「最後まで妻のそばに居たい」と同ホームに移り住んだ。居住者が増えて先月、六都塵の居住棟が増設され、久さんと俊一さんは憐り合わせの部屋に入居した。
 同じように、複数の介護サービスを一体的に提供する小規模多機能施設への取り組みがこのところ目立っている。

 高橋誠一・東北福祉大教授の調査によると、デイサービスを実施している全国の宅老所二百十六か所のうち、67%に当たる百四十四か所が、「お泊まり」「居住」「ホームヘルプ」など複数のサービスを展開していた。
「高齢者が地域で暮らし続けるためには、小規模多機能施設は必要です」と高橋教授は指摘する。

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