障害児教育進研究室


障がい児が生きる力を身につけるためには、読む、書く、計算するなどの基礎的な学力を習得する必要があります。子どもには、すべて知的好奇心があり、いろいろなことを知りたがっています。それが真に生きる力になります。
基礎的な学力を身につけるための学習法・指導法を解説していきたいと思っています。




学習の筋道
初期学習(目や手の使い方の学習)
概念行動形成の学習(形の学習、位置の学習、属性の学習)
記号操作の基礎学習(文字の基礎学習、数の基礎学習)
記号操作の学習(文の学習、たし算・ひき算の学習)
国語・算数の教科学習


初期学習(目や手の使い方の学習)
教材 解説
〈パイプ抜き
目と手の使い方の学習に適しています。手元を見ながら自由自在針金の先端と手元を見比べながらゆっくりした運動でパイプを抜くように学習を進めていきます。
〈木球入れ〉
筒の中に木球を入れていく教材です。先端部分で木球を入れるときの触感を楽しんだり、木球の動きを目で追ったりする行動がみられます。木球が一つずつ高くなっていくのも子どもにとっては楽しいようです。
〈棒さし〉
棒を穴の中にさしていく教材です。筒の中に棒を入れるときの触覚の感触が心地よいのか、この教材が好きな子どもがいます。最初は目にとまったところから入れる傾向があります。しかし、左端から順番に入れていくなど、基準に基づいた行動がとれるようにします。最初の筒にさそうとしたとき、棒がはいっていれば、次の穴に棒をさすようになります。その行動が起これば、「次、次」というように順序ができてきます。
〈パイプ差し〉
棒にパイプをさしていく教材です。パイプがささっていく様子を見ることができます。パイプを指す途中で少しだけパイプを上下させながらパイプのささって行く様子を観察する子どももいます。
〈棒さし〉
棒さしの学習は、1本の棒、次に3本の棒、次に5本の棒というように、学習を進めていきます。棒の数が奇数で進めていく理由は、真ん中という位置が大切な学習になるからです。子どもは、真ん中の位置にまず棒をさし、それから左右に棒をさしていくというように位置を手がかりに棒をさしていきます。位置がきちんと理解できてから、左から順番に棒をさすというように、順序に基づいて棒をさすようになります。
〈取っ手抜き〉
文字を組み立てたり、タイルを操作したりするなど、のちの学習では面を使った操作が必要になってきます。そのためには、取っ手抜きの教材を使った学習をきちんと行っておく必要があります。実際にこの学習を行ったら数系列の教材のタイルを滑らせることができるようになった子どももいます。
〈マグネットを動かす〉
マグネット(強力磁石)は、動かすのに少し抵抗感がありますが、逆にその抵抗感があるために、子どもは手の動きを見るようになります。
〈道具の使用〉
棒を使ってお菓子を取り出すという教材です。お菓子を押し出すためには、棒の先端を見て手で棒を動かす必要があります。道具は、それを持つ手と操作する部分とが分かれている点です。それだけ、目や手の使い方が高度になります。字を書くときは、このような目や手の使い方が必要になります。


概念行動形成の学習
教材 解説
〈分類学習〉
木片をトレイに入れて提示する、棒の先端をポインテイングする、棒にさしてそれを抜き再提示するなど、子どもが視覚を上手に使って分類するように学習を進めていきます。
〈分類学習〉
「くし」が見本のときは、櫛では頭をとくまねをして、「はさみ」が見本のときはハサミで切るまえをして分類します。このような身振りが分類の学習を高めていくことになります。
〈見本合わせの学習〉
見本合わせの学習は、見本と選択肢で成り立っています。見本との見比べがきちんと行われるためには、選択肢は、2つがよいと考えます。
見本を見て、次に選択肢を見比べ、直ちに選択せず、もう一度見本を見直して、見本と同じ選択肢を選ぶというのが見本合わせの学習です。もう一度見本を見直している段階で、見本と「同じ」、「違う」というように選択肢を区別しているのです。
区別した違う方の選択肢をどのように処理していいか迷う子どもがいますので、それを缶の中に入れる、あるいは手渡すなどの行動がとれるようにしておきます。

〈形の分解・組み立ての学習@〉
丸、四角、三角という充実図形の形の
分解・組み立ての学習は、形をつくるこ
とのおもしろさもあり、最初に行う形の
分解・組み立ての学習
として適していま
す。

〈形の分解・組み立ての学習A〉
丸、四角、三角という3つの輪郭線
基本図形の分解・組み立ての学習は、文字や数の学習の基礎学習として大切な学習です。見本を見て、これらの基本図形がつくれるようになるまで学習のステップを細かに組みながら学習を進めていきます。


透明のアクリル板


見本              見本 
〈図形の構成の学習〉
アクリル板で見本の点を結び図形をつくります。
〈位置の学習〉
左側の教材が見本になります。指導者が見本のマグネットを動かし、それを見て子どもが右側の教材のマグネットを動かします。
〈絵の見本合わせの学習〉
下部の絵が見本で上部の2つの絵が選択肢の見本合わせの学習です。
〈線の見本合わせの学習〉
〈方向の見本合わせの学習〉
〈見本合わせ学習の素材〉
〈文字の見本合わせの学習@〉
〈文字の見本合わせの学習A〉
〈2文字の見本合わせの学習〉



記号操作の基礎学習(文字の基礎学習)
教材 解説
〈文字の組み立ての学習〉
〈絵と単語の結合の学習〉
絵と単語の結合の学習は、難しい学習になりますので、絵の裏側に単語を書き、その単語を手がかりとして示しながら、学習を進めていきます。また、次の三角の見本合わせの学習などを先に学習し、見え方が違ってもそれが表すものは同じあるということを学習し、絵と単語の見本合わせの学習を再度行うことも必要になります。
〈三角の見本合わせの学習〉
点の三角形も輪郭線の三角も同じ三
角であるということの学習です。
〈単語の構成の学習〉
〈文の学習@〉
提示文を見て、「鉛筆2本箱に入れる。それからスプーンを箱から出す」という動作をします。
〈文の学習A〉
鉛筆2本箱から出し、スプーン1本箱に入れる」という動作を見て単語カードを並べ、を構成します。



記号操作の基礎学習(数の基礎学習)
教材 解説
〈数の大小・同じの学習〉
〈数系列の学習〉
〈たし算の学習〉
被加数の1から10までのタイルと加数の1から5までのタイルを準備します。4+3の場合であれば、加数の3のタイルを被加数の4のタイルの上に重ねます。
これが「たす」という意味です。重ねたタイルと同じ高さのタイルを探します。それが7のタイルです。
したがって、答は7です。同じ高さのタイルを探し
にくいときは、物差しを使って同じ高さのタ
イルを探します。