目次へもどる

Linuxプラット・フォーム

参加者募集!
野外で実験! 銅ヶ丸鉱山へ行こう

位置:島根県邑智郡美郷町竹(川本町との町堺付近) 銅ヶ丸鉱山跡(明治42年閉山)
鉱石鉱物:黄銅鉱
下の地図は、国土地理院発行の1/2万5千地形図から抜粋したもの
国土地理院発行の地図にも銅ヶ丸鉱山跡が三江線の線路脇に記されていますが、ここは鉱山跡ではなく精錬所跡です。 本当の鉱山跡は、ここから江ノ川の支流の田水川に沿った道路を車で約700mくらい行ったところで車を降りて、さらに支流の沢に沿った林道を徒歩で約700mくらい行ったところにあります。

採集できる鉱物のほとんどは閃亜鉛鉱と黄銅鉱です。 また、これら以外にも方鉛鉱、輝銅鉱、鉄礬ザクロ石、黄鉄鉱、磁硫鉄鉱、磁鉄鉱、輝水鉛鉱、青針銅鉱、ブロシャン銅鉱、珪孔雀石、孔雀石、胆礬、赤銅鉱、黒銅鉱、水晶、各種の稀少鉱物なども採集できます。
銅ヶ丸鉱山に関しては、「みんな銅ヶ丸鉱山へ行こう」のページに参考があります

銅ヶ丸鉱山へ行ってみませんか
平成9年に当館が開館して以来、多くの方々を案内して鉱山へ行きました。 道のりは決して楽とは言えませんが、鉱山や沢の転石の中には沢山の鉱石が転がっていて鉱物採集には最適なところです。 また、断層破砕帯や岩脈などを広い範囲にわたって観察できたり、鉱床のできかたを発見的に考察できるフィールドだと思います。 もし、行ってみたいとお考えの方はいつでも当館へ連絡してください。 ご案内いたします。
TEL:0855-93-0795(小さな自然館内)
   

いざ、出発↓


当館から車で40分くらいで三江線の線路脇にある銅ヶ丸精錬所跡に着きます。 地図だけを頼りに鉱物採集に出かけた人の多くは、ここが鉱山跡だと勘違いしてしまう。ここは精錬所跡で、鉱山からは尾根づたいに鉱石を運んで来て、ここで精錬して銅を抽出していた。


田水川に沿った道路を車で700mくらい行ったところで車を置いて、そこから鉱山へ続くさらに支流の沢を歩きだす。 なぜか沢に転がっている石ころの表面には緑っぽい植生が付着している。


さらに沢づたいの林道を鉱山へと歩く。


鉱山に近付くと最初の坑道が目に入る。 坑道口は閉鎖されていて、そこから地下水がとめどなく流れ出ている。


この地下水は、もしかして鉱脈中の黄銅鉱が溶け出ていて硫酸酸性になっているのではないかと期待してペーハー試験紙とBTB液を使って調べてみた。 しかし、ご覧のとおり色は緑色、中性である。 現実はきびしい。


坑道口からの地下水が沢へ流れ出る途中の岩壁には、緑っぽい泥状の鉱物が付着している。 まるで絵の具を岩壁にぶちまけたような状況である。


岩壁の真下に転がっている石にも泥状の鉱物が付着している。 ご覧のように簡単に剥ぎ取ることができる。


時計皿に希塩酸(4NーHCl)を入れ、これに石の表面から剥ぎ取った緑色の鉱物を浸すと簡単に希塩酸に溶ける。
ある程度溶けてから鉄片(鉄製のカッターの刃)を液の中に漬けてみる。


漬けて間もなくしてから鉄片を液から出してみると、鉄片の表面が銅メッキされていることがわかる。 10円玉と同じ色である。 緑っぽい鉱物には、たしかに銅が含まれていることがよくわかる。


鉱山周辺には、地下水が流出しているところならどこでも緑色や青色の泥状の鉱物が見られる。 実にエグイ光景である。


もしかして、この地下水は酸性になっているのでは、と思ってBTB液で調べてみるとやはり緑色、中性である。 どうやら、かつての足尾銅山鉱毒事件に相当するような公害はなさそうである。


さらに沢づたいに歩くと、ようやく鉱山らしい光景が開けてきた。


沢に沿った山斜面を少し登ると、そこはまさに銅ヶ丸鉱山であった。 まるで別世界にきたような感じに浸ることができる。


ギラギラした光沢を放つ鉱物が密集している鉱石。 ずっしりと重い。 ヘビーである。 蛇はいなかった。


ヤケのつよい石をハンマーで割ると、硫黄臭がして中から金色をした鉱物が顔を出す。 ただし、金ではありません。 あしからず。


鉱山の岩壁には、淡い青色をした粒状の鉱物がたくさん付着している。


この淡い青色をした粒状の鉱物を岩からシャーレに掻き取る。


これに水をくわえると、この粒状の鉱物は水に容易に溶けてしまう。


水に溶けて青色の溶液になったところで、鉄片(鉄製のカッターの刃)を液に浸してみる。


すると、たちまちにして鉄片の表面は銅メッキされる。 まさに10円玉と同じ色。
岩壁から掻き取った淡い青色の粒状の鉱物は銅を含んだ水に溶けやすい鉱物であることがわかる。


さらにペーハー試験紙でペーハーを調べてみる。 すると黄色に変色し、弱酸性であることがわかる。 なぜ弱酸性か、これが問題だ。


ごくまれに緑っぽい鉱物の中には、希塩酸(4NーHCl)をつけると泡をさかんに出して溶けるものがある。


さらに鉱山山頂を目ざしてガレキの斜面をよじのぼる。 この斜面は上級者コースか。 まるでMスキー場のラビットコースのようだ。


ガレキの中のところどころに深い青色をした柱状~板状の小さな鉱物の集合が見られる。 この一部を掻き取ってシャーレに入れ、これに水をくわえて見る。 しかし、まったく溶けない。 なるほど。


山頂付近から眼下を見下ろす。 まるでMスキー場のラビットコースのようだ。 急斜面小回りで滑べって降りたくなる心境である。 急斜面小回りのエキスパートの登場だ。 といっても誰も出てこん。

ケガをせんうちに早く降りて帰ったほうがよいようである。 さすがにここまでは救急車はこない。 納得。


一円玉は銅メッキできるか
一円玉はアルミニウムという金属でできていますが、はたして上記と同じやり方で一円玉を銅メッキできると思いますか。 もしできるのなら一円玉を10円玉にできるということでしょうか。 実に面白い実験ですね。

強酸化剤(濃硝酸)を使って確実に判別

黄鉄鉱と黄銅鉱の区別は、色や条痕色、自形結晶の形状、条線の有無などでできるはずなのであるが、銅ヶ丸鉱山で採集できる黄銅鉱のほとんどは小さな結晶が集まった粒状のもので、しかもハンマーで割ったばかりの新鮮な面では白っぽい黄色(真鍮色)を呈するものが多くて、黄鉄鉱との区別が難しい。
こういう場合は、サンプルを持ち帰って薬品処理すると判別できます。


当館では、強酸化剤の濃硝酸を用いて判別している。 上の写真のように濃硝酸に黄鉄鉱を溶かすと液は黄色の色調を呈する。 一方、黄銅鉱を溶かすと濃い緑色を呈する。 こういった色の違いから明瞭に区別ができる。
また、参考のために電線などに使われている銅線を持ってきて濃硝酸に溶かし込むと液は青色を呈する。

黄銅鉱から銅を抽出
黄銅鉱を濃硝酸に十分に(一昼夜ぐらい放置した方がよい)溶かし込んでから別容器に液を小量採り、これに水を10倍程度加えて希釈する。 こうやって液の酸性度を低めておいて、表面を紙やすりなどでよく研いた鉄片(上の写真では鉄製のカッターの刃)を液に浸すと、たちまち鉄片の表面が銅メッキされる。

上記の実験は、劇薬である濃硝酸を使用しますので、野外で携帯することはできません。 あくまで野外から採集して持ち帰ったサンプルについての実験です。
しかし、希塩酸やペーハー試薬などであれば容易に持ち運べますから、工夫次第で鉱山でいろいろな実験や試験をすることができると思います。 鉱物採集ばかりではなく、鉱山の環境調査などもできると思います。


目次へもどる