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自然科学の追体験
野外発見学習

当館の活動の軸は、野外での発見学習の実践です。

発見学習とは、すでに完成品となっている知識の結論を教師が提示し解説して記憶させるという形態の学習ではなく、先人達がその結論を導出するに至った過程を学習者自らが追体験しながら発見的に学んでいくというもので、「教育の過程」で著名なアメリカの心理学者J・S・ブルーナーが提唱した学習です。

しかし、実際には導出の過程を完璧に追体験することはほとんどの場合不可能であり、ましてや基礎知識がまだ不十分な子供達には容易ではありませんが、当館では、学習者が「現在は過去の鍵」でよく知られている斉一説(ハットン説)に基づく自然観察継続した野外での探求活動によって、先人達が築き上げてきた自然科学(ここでは地球科学)の知識の結論へ至るまでの過程を少しでも追体験できるものと確信しています。

当館としては、分け隔てなく多くの人たちが館につどい、地域の自然の情報や資料を持ち寄って自主的に調べ答えを出していく探求的で発見的な学習活動の場でありたいと思っています。




郷土の自然を発見的に学ぼう!



以下の写真は、市内在住の中学生が夏休みの自由研究として、郷土の火山について調べている様子です。

我々が住んでいる郷土は、石見銀山や三瓶山、畳ヶ浦といったような際だった観光的価値のある地域資源などほとんどないところですが、どんな自然でも問題意識をもって継続的に観察をしていけば、一見価値のないような自然もりっぱな教材になりうるものだと思います。
自分達が住んでいる地域の自然に科学の目を向けて探求的で発見的な活動をしてみようという子供達が少しでも増えてくれることを切に期待したいものです。

桜江に火山はあったか!(平成20年)





桜江のカルデラ湖をさがせ!(平成21年)

市内の中学校へ通うKさんから、夏休み(平成21年)の自由研究として取り組まれた「桜江のカルデラ湖を探せ!」の論文をいただいた。 本文26ページ、野外観察の記録21ページの堂々たるものである。
この自由研究は市内の科学作品展に出展され、さらに県展にも出展されて、ともに高い評価を受けられたものです。

このたびのKさんの自由研究は、昨年の自由研究「桜江に火山はあったか」をさらに発展させて深めたものであり、また、最初からちゃんとした答を当てにせず、入念な野外観察を通して答を導出していったものとして大変意義深い自由研究だと思います。 まさに野外における発見的学習の優れた実践例だと思います。

世間では理科離れ、科学離れが問題となっている昨今、Kさんのような子供達が少しでも多く当館に集い、郷土の自然の情報や資料を持ち寄って自主的に調べ答を出していく、こういった探求的で発見的な活動をしてほしいものである。


                   
桜江のカルデラ湖をさがせ! Part2(平成22年)




先日、市内在住の中学三年生のKさんから、今年の夏休み(平成22年)に取り組まれた自由研究「桜江のカルデラ湖をさがせ! Part2」をいただいた。 本文29ページ、野外調査の記録26ページの堂々たるものです。
この自由研究は市内の科学作品展に出展されて高い評価を受け、さらに県内の科学作品展にも出展されて非常に高い評価を受け、そしてさらに日本学生科学賞の全国審査に出展されました。

今年の自由研究は、気温35度を越える猛暑の中、急峻で草深い山斜面や沢を登っての調査で、危険と背中合わせの非常にたいへんなものでした。 しかし、危険なぶん発見的なところも多く、それまで知られていなかった新事実がたくさん得られました。 かつて何人もの女子大学生達が調査研究しても得られなかったことばかりです。 実にすばらしいと思います。 大学生でさえできなかったフィールドワークをやってのけた、という感じです。

一年生、二年生、三年生と3年続けてKさんの自由研究の手伝いをさせていただいた。 筆者自身も大変よい勉強になりました。 まこと、「我が郷土は、発見の宝庫!」 Kさんのように郷土の自然をテーマにして発見的で探求的な学習活動をしてくれる子供達が少しでも多くでてきてほしいものです。 Kさん、そしてKさんのご家族の方々にはこの場をお借りして厚くお礼を申し上げます。


 

 上の二つの写真は、10月23日、24日に開催された「第54回日本学生科学賞島根県展 第63回島根県科学作品展」に出展されたKさんの「桜江のカルデラ湖をさがせ! Part2」の展示風景です。

 これに関する記事は、10月23日、25日の読売新聞島根版に掲載されました。

 我が郷土の地質体には、まだまだ解明されていないことがたくさんあります。 地道に継続して観察活動を続けていけば、たとえ中学生でも大学の研究者達に負けないくらいの原著論文を書くことも決して夢ではないと思います。

 Kさんの後を引き継いで、さらに「桜江の火山」の研究を深めてくれる小中学生達が出てくれることを期待したいものです。

 
←10月24日 表彰式後、同施設内にて(右がKさん、左は筆者)

表彰式のあと、Kさんとご家族の方達にお会いした。
Kさんもご家族の方達も共に希望にあふれ、いっしょになって夢を追いかけている姿を感じることができた。
筆者もこの三年間、いっしょになって夢を追いかけることができたように思います。
kさんとご家族の方々には改めて感謝する次第です。

そして、学校でKさんをご指導された理科教科担任のT先生には、筆者もいろいろとお世話になりました。 T先生にはこの場をお借りして厚くお礼を申し上げます。






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