兵庫の地域と自然 

 

 兵庫県は、日本海から瀬戸内海にいたる広い県土をもち、古代に定められた「国」の五国、摂津・丹波・播磨・但馬・淡路を含んでいます。この「国名」は、今でも地域を表すときに用いられていますが、それぞれの地域ごとに、気候・風土・景観が異なっていることも、兵庫県の自然を豊かなものとしている理由でしょう。

 

 但馬:日本海に面する但馬は、冬の降雪が多く、夏はフェーン現象で高温になることの多い地域です。南に中国山地をひかえ、鳥取県との県境付近には県内最高峰の氷ノ山(ひょうのせん:1509m)を主峰とする1000m級の山地と、高原が広がっています。自然の懐が深く、県下でも最も豊かな昆虫相が保たれた地域です。

 丹波:なだらかな中国山地に囲まれた丹波は、里山の国です(丹波の東半分は、京都府に属しています)。マツタケ山や薪炭林として、今も里山が活用されていて、人が「手入れ」をした環境に適応した昆虫たちの生活が見られる地域です。

 播磨:播磨は、姫路市以西の西播磨地域と、これより東の東播磨地域に分けられます。どちらの地域も、瀬戸内海沿岸から中国山地にわたる平野と里山を含んでいて、そこに加古川・市川・揖保川・千種川といった中国山地に発する川が流下しています。東播磨にはため池が多く、トンボや水棲昆虫の希少種を見ることができます。里山が、細かな自然の襞を見せてくれる地域です。

 摂津:大阪府の淀川右岸から神戸市・三田市を含む範囲が摂津です。瀬戸内海沿岸地域は、古くから開発が進んだため、昆虫相は「都市型」になってしまいましたが、猪名川などの大河川堤防には、ギンイチモンジセセリやシルビアシジミのような希少な蝶が生息しています。また、三田市や神戸市北区には、豊かな里山が残されています。

 淡路:瀬戸内海に浮かぶ淡路島は、県下で一番温暖な地域です。照葉樹が植生の中心になり、中でも塩害に強いウバメガシが多くみられます。最高峰、諭鶴羽山(607m)にはアカガシの群落が発達するなど、暖温帯の特徴が見られる地域です。

 みなさんも、兵庫の自然に暮らす蝶や昆虫たちを見つけてみませんか。

 

 

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