審友会
「EVALUATION CARD」(国際テニス連盟(ITF)が毎年発行する審判員の手引書 Duty and Procedure for Officials)末尾に付いている)を参照しながら読んでいただくと理解しやすいと思います。各タイトルの英字で示したものがEVALUATION項目です。1999年からEVALUATION CARDのフォームが少し変わりました。新しい評価項目を本ページ末尾に示しました。ITFやATPのEVALUATORはこのカードを手にして観客席などから目立たないようにチェアアンパイアの仕事ぶりを評価し、仕事が終わったチェアアンパイアに、どこが問題だったのか具体的に指摘します。また、ITFやATPにも報告してチェアアンパイアの成績にします。
| OBSERVATIONS |
| 1,PREPARATIONS AND PRE-MATCH MEETING |
| On time , balls , court , banners , introduction , toss , dress , confidence |
| 2,ON-COURT IMAGE AND PRESENCE |
| Appearance , confidence , concentration , uniform |
| 3,ANNOUNCING AND PRESENTATIONS |
| Diction , voice , promptness , correct , introduction , scoring |
| 4,KNOWLEDGE OF RULES/REGULATIONS |
| Rules of Tennis , Tournament regulations , local conditions |
| 5,LINE DECISIONS , OVERRULES , BMI'S |
| Accuracy , promptness , firmness , ball mark inspection(BMI) |
| 6,APPLICATION OF CODE OF CONDUCT |
| Conduct problems , proper use of PPS , time violations |
| 7,CONTROL OF MATCH AND PLAYERS |
| Firm and fair decisions , being in charge |
| 8,COMMUNICATION WITH PLAYER'S , OFFICIALS , CROWD |
| Explanations , verbal/visual communication , instructions |
| 9,CHAIR UMPIRE TECHNIQUES |
| Tracking serve , checking receiver , watching point loser |
| 10,LOGICAL HANDLING , UNUSUAL SITUATIONS |
| Application of rules , calm manner , inform players/crowds |
| 11,AWARENESS ON AND AROUND COURT |
| Outside interference , scoreboard , other distractions |
| 12,SCORECARD AND POINT PENALTY CARD |
| Properly completed , neat orderly manner |
| 13,CONFORMANCE WITH CODE OF OFFICIALS |
| Conducts him/herself in an appropriate manner |
| 14,KNOWLEDGE OF ENGLISH FOR TENNIS |
| Spoken , understood , written(PPS card) English
|
EVALUATORは、チェアアンパイアよりさらに何分か前に出かけて、チェアアンパイアのこれらの言動をチェックします。
チェアアンパイアへのアドバイス
これらのチェックが自然になされるようでないといけない。プレーヤーやコートサイドの役員から指摘されて行なうようでは、プレーヤーや観客から信頼を損ねることになる。したがって、チェアアンパイアは、選手が入場する5〜10分前にはコートに出て事前に上記項目をチェックすることが必要。バナーの不備を見つけたときは、コート整備担当者かレフェリーに連絡して直してもらいます。
コートに水が不足している場合でもコートパトロールなどにリクエストしてあれば、プレーヤーから「水がないよ」と指摘を受けても、「ウォームアップ中に届きますから」と応えることができます。試合が始まってから気がつくようでは減点です。
また、いわゆる7つ道具のうち、ストップウォッチ、メジャー、バインダー、鉛筆が大会本部で用意されているのは日本だけ。チェアアンパイアたるもの、これらの道具は自前で準備すべき。
また、スコアアナウンスの間違い、コールのタイミングの悪さ、ボールチェンジのタイミングを忘れるなどは、concentrationが切れていると判断します。アナウンスの声が小さかったり、ふるえたりしていないかなどもチェックします。
チェアアンパイアへのアドバイス
ポイントルーザーを注視することは重要ですが、ポイントルーザーを見ることばかりに熱中しないこと。問題がないようであれば、すぐに他方の選手に目を移したり、コートの周辺状況に目を配ること。
ちょっとした言葉のつまずきがあると、自分では緊張していないように思ってもEVALUATORやプレーヤーからは緊張しているように見えるものです。
チェアアンパイアへのアドバイス
試合前にトスの勝者、プレーヤーのintroduceが正しく行われているかどうかもチェックされます。introduceにおけるプレーヤーの名前は、フルネームでアナウンスし、ゲーム中は、ラストネームだけでよい。また、女性の場合には、MissとMrs.を区別しない。フレンチオープンなど一部のトーナメントでは、Missを使うこともありますが、一応、トーナメントディレクターかレフェリーに確認しておくとよいでしょう。
エースなどで拍手があるときは、拍手が終わるのを待ってスコアをアナウンスするなど、タイミングのよいアナウンスをすべきです。エースなどの時は、拍手の前にスコアをアナウンスするのが好ましい。また、拍手が長くなりそうなときは、終わるちょっと前に少し大きな声でスコアをアナウンスするのもよいでしょう。拍手が長いとき、まれには、”Quiet please, thank you”と言ったあとでスコアをアナウンスすることもあります。
エンドチェンジではないときにボールチェンジする必要があるときのアナウンス例
Game A,ball change,1 game all.
また、最近は、アナウンスに he,she,they を使わず、名前を言う傾向になっています。
Game,Yamamoto,Yamamoto leads 4-2.
インジュリータイムアウト(現在ではメディカルタイムアウト)は、いつから始まるのかなど基本的なことをプレーヤーから尋ねられても即座に答えられなければなりません。その際、不安になっておどおどしたりしないこと。その態度でプレーヤーは、熟練したチェアアンパイアであるかどうかを見抜いてしまいます。
クレーコートでのBMI(ボール・マーク・インスペクション)が正しく行なわれるかどうか。正しいBMIは、ボールマークを見ながら審判台を降り、指をさして”Out”か”Good”をすぐコール(ハンドシグナルも)して審判台に戻る。必ず1回で済ませること。プレーヤーからのクレームで何度も審判台を降りない。
プレーヤーとしては同じ行為をしたのに、先ほどはCODE VIOLATIONにならず、なぜ今回の行為がCODE VIOLATIONになったかについて、理由の説明が必要な場合もあります。なぜCODE VIOLATIONを取られたかについて選手にきっちりと説明できなくてはなりません。また、同じ行為の繰り返しで(回数で)CODE VIOLATIONを取ったのではなく、先ほどとは質が違うことも説明します。
ラケットを投げたことによってフレームにひびが入り、ラケットを換えざるを得なくなったときは、直ちにCODE VIOLATIONを取ってよいでしょう。このときは、ラケットの破損によって交換した事実をチェアアンパイア自身で確認する必要があります。「おそらくラケットを投げたことによって破損し、交換したのだろう」、などという憶測で判断してはいけない。その事実を確認すること。
”チェアアンパイアは、100%確かなこと以外で判断しないこと”
TIME VIOLATIONを取るとき、まず、ストップウォッチを正しく使っているかどうかが問題となります。EVALUATORは、チェアアンパイアがどういうタイミングでストップウォッチを押しているかをチェックします。押すタイミングがずれていないか(コール後に押してはいないか(out of playと同時に押す)など)、また、チェアアンパイアとEVALUATORのtimeがずれるときには、その原因は何かを把握しておき、最後にチェアアンパイアに対し、評価結果についてどこが違うかを説明します。
チェアアンパイアは、20秒違反が頻繁であるときには、ゲームの最初のほうのエンドチェンジでsoft warningを行なうとよいでしょう。最初から同じような調子で20秒違反しているのにゲームが過熱してきた段階ではwarningしにくくなります。
逆に、TIME VIOLATIONを取るべきところで取らないと、プレーヤーはチェアアンパイアがtime管理しているかどうか不信感を与えることになります。プレーヤーがナーバスになってきたときには、そのプレーヤーからチェアアンパイアに対し、timeをしっかり見るようにアピールがあることもあります(明らかに相手プレーヤーが20秒、90秒ルールを犯しているのにチェアアンパイアがTIME VIOLATIONをとらないときなど)。
チェアアンパイアはラインアンパイアの動きもよく見ること。ラインアンパイアがトラッキングしてボールを判断したときには信頼できないのでチェアアンパイア自身もしっかりラインを見ること。ラインアンパイアはチェアアンパイアに不安を与えないようなジャッジ(コールとハンドシグナル)をすること。
Medical Time-outでトレーナーが診察を始めたときには、”The Trainer is evaluating.”。そして、残り時間を、”2 minutes remaining”、”1 minute remaining”とアナウンスします。Medical Time-outやToilet Break等のアナウンスは必要最少限にとどめます。Toilet Breakのときは、アナウンスしないのが普通。
2nd serviceの直前にストップをかけて、letとし、1st serviceをサーバーに与えるかどうかは、サーバーがすでに2nd serviceのモーションに入ったかどうかが基準になります。サーバーがモーションに入り、ボールが侵入してきたので”stop please”として止めたとき、あるいは、ボールパーソンのミスなど、その他タイミングを乱す理由があるときです。
2nd serviceの直前に、レシーバーがクレーム等でチェアアンパイアに近づいてきても、ハンドシグナルとアイコンタクトで制止してプレーを続けるようにさせます。レシーバーのその行為がletとなってサーバーに1st serviceを与える結果になるからです。
最後に、EVALUATORは、Evaluation Cardを前にしてチェアアンパイアや他のofficial'sとよく話し、また、彼らの言い分もよく聞くこと。決して一方的に評価するものではありません。また、評価する時には個人的感情を入れないこと。アラ探しではなく、本人には気がつきにくい欠点や改良すべき点を補充して育成するためにevaluateすることが目的なのです。
| OBSERVATIONS |
| ・Pre-match |
| ・Techniques |
| ・Image and Presence |
| ・Announcements |
| ・Rules Knowledge |
| ・Line Decisions |
| ・Overrules |
| ・Ball Mark Inspections |
| ・Code of Conduct |
| ・Match Control |
| ・Communication |
| ・Awareness |
| ・Handling Difficult/Unusual Situations |
| ・Scorecard and Point Penalty Records |
| ・Code for Officials |
| ・Level of English |
| GENERAL COMMENTS |
| ・PRE-MATCH |
| ・Equipment Checks |
| ・Dress Code Check |
| ・Pre-Meeting |
| ・Match Introduction |
| TECHNIQUES-make comments and mark each error |
| ・Point loser |
| ・Server after fault |
| ・Receiver 1st serve |
| ・Receiver 2nd serve |
| ・Clay Court/BMI's |
| ・Tracking serve |
| ・Timing -90 seconds |
| ・Timing between pts |
| ・Voice |
| ・Line Calls/Overrules |
| IMAGE AND PRESENCE |
| ・Appearance |
| ・Presence |
| ・Position in chair |
| COMMUNICATION |
| ・Players-verbal |
| ・Players-visual |
| ・Line Umpires |
| ・Ball Kids |
| ・Crowd |
| INCIDENTS IN MATCH |
| Score/Situation/Decision<> |
