朝8:00頃、自然に目覚めた。
1Fのレストランで朝食を軽めに済ませ、散歩がてらに川辺へと向かった。
川辺には物売り、物乞い、観光客、地元のアベックなど多くの人が川辺にいる。
屋台のようなところで少年がファランの靴を一生懸命磨いていた。
子供達もよく働く。その様子を写真に撮らせてもらう。
するとファランが自分のカメラを私に渡し、「靴磨きの様子を撮ってくれ。」と言ってきた。
ファランは笑顔で写っている。そばにいた少年達もソムローイを始めだす。
私は相変わらずお金はあげなかった。
ここでも人生の縮図のようなものが感じ取れる。堤防にすわり、川を眺めてみる。
足元で親子が洗濯とお風呂をかねて川に入っている。
そのすぐ横で釣りを楽しむ家族連れもいた。
しばらく川を眺め、カメラに残った数枚のフィルム全てを写しきった。
そして屋台でジュースを飲み気分を落ち着かせてMr.リョンのところへ行ってみた。
今日の夕方空港までタクシーで送ってもらうことになっている。
彼は私がくると笑顔で迎えてくれる。
そしてその友人達も。ここにくると私は気を抜くことが出来る。
Mr.リョンの周りにはカンボジアの良いところが沢山あって本当にホッとすることが出来た。彼に元気をもらい、一旦宿に帰り荷物の準備をする。
カメラ機材をしっかりまとめ他の物は適当にバッグに詰め込んで部屋を出る。
カウンターでチェックアウトを済ませ、いよいよ宿無しだ。
荷物を抱え、Mr.リョンのところへ向かう。
まだ時間は早かったがMr.リョンのところに行きたかった。
彼とカンボジアのことや日本のことを話、彼は私の仕事も
「手伝ってみたいです。日本でタクシーもやってみたいです。」と言っていた。
彼は「あなたのお手伝いもしたいです。何か出来ることがあったら呼んでください。」
と言ってくれた。現実は難しいことではあるが、彼のそんな気持ちが嬉しい。
フライトの時間が近づいてきたので彼のタクシーに乗り込んだ。
空港に着くまでMr.リョンとカンボジアで私が見たこと、体験したことを色々話し、
彼に「カンボジアは好きですか」と聞かれた。私は躊躇することなく「いい国だ。
私はこの国が好きになった。」と答えた。
彼はバックミラー越しに笑いながら「ありがとうございます。」と言った。
今、心底ここにきて良かったと思っている。悪いところも確かにあった。
しかし、良いところはそれ以上に多く、一部では日本以上にすばらしいところもあった。
目には見えないけど多くの大事なものを私はここでもらった。
願わくばこの国の政治がもっと安定し、社会が安定してくれるのを祈るのみだ。
空港に到着し、タクシーの料金を払おうとしたら彼は
「いらない、あなたは親友だ。親友からお金は取らない。」と
言ってお金を受け取ろうとしない。
私は、「駄目だ。これはけじめなんだ。だから受け取ってくれ。」
そう言っても受け取らない。
さらに彼は「この送迎は他に何もない私があなたに出来る唯一のプレゼントです。
だから、受け取ってください。」私はもうこれ以上何も言えず、涙が出そうになるのを
こらえながら、私は「ありがとう。あなたのおかげで充実した旅が出来た。
あなたには感謝している。」と言うのが精一杯だった。
私はカンボジアに来た意義を見つけることが出来た。
いや、旅を始めた頃から見つけていたが気づかなかっただけだった。
それを彼が教えてくれた。彼と硬い握手を交わしいつか再開する約束をし彼と別れ、
ターミナルに入っていった。搭乗時間になり、滑走路で飛行機に乗り込む順番を
待っているとき、辺りは夕暮れになっていた。
この国に来たときと同じ生ぬるい風が妙に心地いい。
遺跡でみた夕日も美しかったが滑走路から見る夕日もまた美しかった。
飛行機は飛び立ち、カンボジアを後にしてベトナムへ向かう。
一度経験したので手続きは全てスムーズに行うことが出来た。
ベトナムからトランジットを経て日本行きの飛行機に乗り込み妻の待つ日本へ向かう。
機内食を食べ睡魔に襲われてきたので眠ることにした。
墜落しないでくれよ。と祈りつつ、、
ふと左手を見てみる。まだシェムリアップで貰った腕輪がしっかりとついていた。
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